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驚き桃の木昼顔

 798 文字

 ふわりと風が吹く、ふらりと昼顔傾き、微かに震えながらもとの位置に戻る。
 そして何食わぬ顔で私の事など振り向きもせず、咲き続けている。
 車で走っていると、遥か遠くからでも昼顔のピンクは目立つ、7月に入ると咲き出す、秋遅くまでポツン、又ポツンと桃色の昼顔、見つめて ??十年前、種が欲しくて目印付けて、ようやく種ふた粒ゲットしちゃったわ~、心は小太鼓打ち鳴らし、クルクル喜び勇んで花畑の端に、ウッキウキ植えたのでした。
 次の年、芽を出してくれた二本も大事に棒を立てて、蕾がいっぱい嬉しかった。
 豪華にはやっぱり咲かないのね~、ポツン、ポツリと咲く、そしてずーっと一輪だけ、多い時で3輪ほどが咲いた。
 そして3年程経っただろうか、花畑は昼顔で埋め尽くされてしまった。
 あれ程切望して種を植えて、そして邪魔者になってしまった。
 蔓性だから仕方がないが、昼顔のジャングルは歩く事もままならない、仕方なく排除するしかない、排除する時は度胸を決めて、エイッ、エイッと掛け声かけて切って行った。
 でも違う場所から又蔓を伸して絡み付いてくる

「ここは駄目なんだから、だ〜めっ」

 と言い聞かせても無駄、昼顔のジャングルは広がり続けてしまった。
 野菜を植える為に畑起こし、太さ一センチ位の真っ白な、長~い根がびっしりと土の下を這いずり回っていた、何 ? なんの根なの ? 首を傾げながら掘り起こすと、その根は一輪車山盛りになってしまう程の量、それは昼顔の根っこだった。
 たった二粒の種は3年👀目で40✖40の野菜畑と花畑を覆い尽くしてしまった。
 恐るべし昼顔、自然界で生き抜いて来たたくましさと知恵・・なのね〜と驚いた。
 そして今、実家の花畑と野菜畑は昼顔のジャングル、鎌で切りながら進まないと歩けなくなっている。
それでもカワ(・∀・)イイ!!昼顔、毎年楽しんで眺め、。
 綺麗〜可愛い〜と感嘆符のため息漏らしている。

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