80歳のセンパイと暮らす。(29)

今朝、出かけたはずのセンパイが、30分もしないうちに帰ってきた。
「財布、忘れた〜」
この頻度、最近高くなってきている気がする。
しかし、私に持って来て欲しいと連絡することもなく、タクシーで往復するところがすごい。私ならすぐに連絡しちゃうけど。

今日は久しぶりに親友の1人、ケロに会いに行った。必ず新宿で会う二人は、Newmanにお気に入りの店があり、そこでバスタからバス旅行に行く計画をずっと話し合ってるらしいが、なかなか実現しない。いつも仕切る方のセンパイは、なぜかは知らないが、バス旅行はケロに任せているらしい。ケロは足が不自由になってきて(でもカートをひかなくて歩けるようになったとセンパイは喜んでいる)、でも相変わらず好奇心旺盛で、バスタからのバスの旅の話が、いつの間にか、カナダ横断鉄道の旅やニュージーランドに星を見に行くツアーに変わっているとか。さすがケロ!後期高齢者になってから、カナダに留学しただけある。
「いつ行くつもりなの?私たちには時間がないのよ」とセンパイ。
「そうよねー、早くしなくちゃね」と涼しい顔のケロ。
実際に話しているところを見た訳ではないが、想像がつく。しかし、一向にバス旅行が決まらないまま、今年も暮れていきそうだ。

そんなケロにセンパイは、
「あなたはまだまだ花が咲いているようよ。若い人たちに囲まれて元気よね。あなたに会うだけで、こっちも元気になるわ」と言われたとか。
好奇心旺盛で勉強家なケロの方が余程リッパだと思うが、センパイのすごいところは、とにかく動いて、人に会っている。大体はセンパイより若い人。ひと世代下くらいの人たちが、みんなセンパイの歳を忘れて付き合ってくれている。ホントにありがたい。いつか、もし私がセンパイのお葬式を取り仕切ることがあったら、きっと駆けつけてくれるであろう彼女たちに感謝を伝えられる会にしたいと心から思っている。もちろん、今でも会う時には、「いつもありがとうございます!」と言っているが、「こちらこそ、お世話になっているのよー」と言ってくれる。ああ、ホントにいつまでも、センパイをよろしくお願いします!
そして、センパイに注入されたエネルギーはケロにも分け与えられているとは、素晴らしいエコシステム。

持つべきものは、
好奇心旺盛な親友

若い友人。

そろそろ、そんなことを意識してネットワークづくりをしますかね、私も。

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