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【看護過程】明確化の書き方

男子看護学生の鳩ぽっぽです。
今回は看護過程シリーズの明確化の書き方を紹介します。

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明確化とは

看護過程における明確化とは、優先順位で一位となったものについて、更に掘り下げていく工程です。
その患者にとって最も重要となる看護診断や問題について、よりその患者に合った形で、より専門性を高くした形で書いていきます。
問題とウェルネスでは書き方が少々異なるため、注意が必要です。

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明確化の書き方

明確化は2種類の情報と5項目で構成されています。
情報は注目情報関連情報です。
注目情報は明確化をするにあたり、一番核となる情報を指します。SもOも両方あります。
関連情報はそれ以外でこの明確化で必要とする情報です。同様にSもOも両方あります。
5項目は、1.看護診断や問題の一般論、2.看護診断に至った経過、3.今後の経過、リスク、4.看護の方向性、5.看護診断名の決定です。
ちなみに、ウェルネスの場合は1.ウェルネスに至った経過、2.看護の方向性、3.看護診断名の決定となっており、問題の1.2.3.が1.にまとめられているという感じです。

1.看護診断、問題の一般論
優先順位1位になった診断や問題についての一般論をここで書きます。
例えば、易感染状態であれば感染症とそのリスクについて、栄養状態の悪化であれば、栄養についてなどです。
ここでは、なぜ介入の必要性が高いのかについても書いていきます。
2.看護診断に至った経過
次に、情報を使いながら、この診断に行き着いた根拠を書いていきます。
アセスメントで書いた内容をそのまま引用してきても構いません。(内容がズレていなければ)
例えば、血液データや合併症、症状などの情報からアセスメントし、今患者がどのような状態なのかを書いていけばOKです。
3.今後の経過、リスク
患者の問題を放置することでどのようなことが起こるか、リスクがあるのかを書いていきます。
ここでは、より介入の優先度が高い理由を提示する意味でも活用されます。
4.看護の方向性
看護の方向性は大まかにこの患者に必要な看護介入がどんなものかを書いていきます。
簡潔で構いません。この介入方法が看護計画にもつながっていきます。
5.看護診断名の決定
看護診断名と注目情報を下に書いて完成です。
※ウェルネスの場合
1.ウェルネスに至った経過では、保健信念モデルを活用し、脅威の認識(罹患生の認識、重大性の認識)、有益性の認識と障害の認識のバランス
について書いていきます。

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例、ウェルネス診断のCOPD患者

※架空の人物の事例です。

注目情報
S:「この薬は気管支を広げる薬」
O:内服自己セット
関連情報
S:「酸素流量を動くときは変える」
O:動作時、流量の切り替えを行えている
O:薬物療法 セレベント
O:酸素療法 安静時2L動作時3L
O:口すぼめ呼吸を行う
S:「タバコはやめたよ」
S:「息がしづらくなったときにする」
S:「今後のことを考えるともやもやする」
S:「タバコが原因で息がしづらくなっている」

#1自己健康管理促進準備状態
1.ウェルネスに至った経過
自分の健康管理促進準備状態とは、健康関連目標を達成するためには十分であり、かつさらに強化する力を持っている、病気及びその病気の後遺症に対する対処するための治療計画を毎日の生活に組み込んで調整するパターンのことである。
保健信念モデルでは、健康行動を行う可能性に影響を与える要因として、脅威の認識と有益性の認識と障害のバランスを挙げている。
・脅威の認識
脅威の認識とはこのままではまずいという危機感を感じることで、脅威の認識が保健行動を行う動機を高める。脅威の認識は2つの認識から構成される。
1)罹患性の認識:自身が病気や合併症になる可能性に対する認識
Aさんは以前よりタバコを常時喫煙しており、健診へ行くこともなく、罹患性の認識が皆無であった。しかし、入院後はタバコをやめ、内服薬については「気管支を広げる薬」、酸素療法については「動くときは流量を変える」、苦しくなった際は口すぼめ呼吸と治療内容や対処法について理解している。これらのことから、罹患性の認識がなされていると考えられる。
2)重大性の認識:自分が病気や合併症になった場合の結果の重大さに対する認識
Aさんの病気の認識は「タバコが原因で息がしづらくなっている」というものであり、医療者に説明や補足をしてもらいながら理解しており、十分であると考えられる。今回のCOPDの悪化を受けて、「今後のことを考えるともやもやする」と以前より重大性について認識を強く持っており、既に十分な重大性の認識ができていると考えられる。
・有益性の認識と障害の認識のバランス
人はある保健行動を行うことのメリットとその行動を妨げる要因をはかりにかけ、有益性の方が障害よりも大きいと思えたときにその行動を行う可能性が高まると考えられる。
Aさんは有益性を「息がしづらくなったときにする」というように、保健行動をした際、呼吸が楽になるところに感じている。障害としては家族関係によるサポート体制の不十分さの可能性であるが、Aさんの場合、家族との仲は良好であり、家族の疾病受容や理解も十分であることから、障害とはなり得ないと考えられる。
療養は呼吸リハビリ、内服、酸素療法があり、特別難しいことや複雑なことはない。支援体制は妻が内服や酸素療法の管理についてサポートに入る予定であることから問題はない。Aさんは内服薬の理解や管理、酸素療法や呼吸リハビリについて問題なく取り組めていると考えられる。従って、障害よりも有益性が大きく、保健行動を行うことが促進されていはと考えられる。

2.看護の方向性
Aさんが回復しようとする意思や努力を認め、以下の点を強化することでAさんの望む生活を過ごせるよう援助する
・薬物療法:現在自己管理であるが、確実に行えているか、見守り確認を行う
・酸素療法:知識の強化、療養方針を確認しながら、確実に流量を守れるよう確認する
・運動療法:呼吸リハビリを実施している際、内容や判断が誤っていないかを確認する。呼吸困難時、対処方法を確認しつつ対処する

3.看護診断名の決定
自己健康管理促進準備状態
S:「この薬は気管支を広げる薬」
O:内服自己セット

補足
もし、ウェルネスで今後の経過についての項目があった場合、

Aさんは退院後も治療を続けていくため、ウェルネスの強化はAさんの今後の治療への意欲を高め、現在の状態を維持、または向上させていく。これらを行うことで、Aさんの望む自立した生活を過ごせるようにしていく。

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まとめ

明確化の書き方いかがでしたでしょうか?
学校によって書き方も異なると思いますが、内容としては大きく変わらないのではないでしょうか?
もし、問題の例も欲しい場合はご要望としてお待ちしております!
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