アニメ「ど根性ガエル」


〇ぴょん吉の 爆走時に シャツすらも
               破く思うも 下町ドタバタ

                  <短歌 なかむら>

「根性、根性、ど根性」
いやはや「ど根性ガエル」である。後に<新・ど根性ガエル>となって放映されたが、元祖(?)。昭和47(1972)年に放送されたアニメに拘りたい。数年前に放映されたドラマ版は全く見ていない。それなりに面白くはあろうが。

発想からして、面白い。
中学生の少年・ひろしがある日、石にけつまずく。たまたま石の傍(そば)にいたカエルがそのシャツの中に入ってしまい(?)、以来「平面ガエル」として生きる。ひろしの相棒となる。
ガールフレンドの京子ちゃんに、「せんぱぁ~い」と慕ってくる、子分・五郎。八百屋の息子・ゴリライモことゴリライモ太郎(白地に赤く<ゴ>とだけ入ったシャツを着ている)、その子分であるモグラ。「宝ずし」唯一の店員である梅さんこと、佐川梅三郎。
「教師生活25年」の町田先生をはじめ、ヨシコ先生や南先生、ちょっと影あるクラスメイトの新八郎や、その乳母等々。
下町の人情とひろし・ぴょん吉コンビが織りなす、ドタバタ劇。アニメ版・ドタバタコメディーだ。

常に「俺」と自称するひろしに対し、「ぼく」が自称のぴょん吉。
爆走しまくるひろしと、自由奔放でありながらも穏やかなぴょん吉は、時に激しく喧嘩もするが、基本的にはいいコンビ。相棒だ。けど、どうしても我慢できない時、許せない時、情(なさけ)が何より勝る時には、瞬時に逆。
ぴょん吉は激高し、爆走しまくる。シャツを飛び越えんばかりに走り廻る。
「根性、根性、ど根性」
普段の穏やかさからは想像できないような、御姿(おんすがた)となるのだ。
「当時、根性モノが流行っていたので」
原作者の吉沢やすみ氏は、「ど根性ガエル」と題した理由を語っている。
そうよねぇ、「巨人の星」に「アタックNO.1」以来、兎にも角にも「根性至上」でしたもん、あと当時前後は。「空手バカ一代」とか「エースをねらえ!」とか。題名からして、スポ根だわ。
そういうものが元々嫌い、大嫌いなわたしが唯一、認める(?)根性アニメでもあったのね。

余談であるが、千々松さん。「魔法使いサリーちゃん」のカブや、「ドラえもん」のママでもつとに有名な、千々松幸子さんは、ぴょん吉を演じられつつ、「台詞が下品」と泣かれた経験があるという。
その他いろいろなお悩みもあったらしいが、「ぴょん吉」を上記2つの役と一緒に、印象にに凝った役柄として挙げられている。

めちゃくちゃに面白い。知らない御仁は、ぜひ動画サイトでの視聴をば。

<了>





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