見出し画像

SDGsを「自分ごと」としてやってみる


■SDGsとは?を自分なりに定義づけてみた

「SDGsとは?」という質問には、いろいろな答えがあります。たとえば…

・「未来の世界のかたち。より正確には未来の世界の骨格」(中公新書『SDGs』蟹江憲史/かにえのりちか)

・「世界から貧困をなくすことと、現代のつづかない(持続不能な)社会・経済・環境を、つづく(持続可能な)社会・経済・環境へと変革することを二つの柱とする目標」(岩波新書『SDGs-危機の時代の羅針盤』南博・稲場雅紀)

いずれの著者も国連や日本政府でSDGsの推進に携わってきた方だけあり、さすが本質を突かれていると思いました。

私はこんなふうに考えてみました。

私たち人類が、これからも地球に住まわせてもらうために、最低限やらなければいけない17の約束事。

産業革命から現在までの約250年間、人類は地球環境を破壊し、海や山の生態系を脅かし、戦争を繰り返してきました。そして今や環境を壊滅寸前に追いやっただけでなく、人類自体が存亡の危機に立たされてしまっています。

だから今こそ「もうこれ以上、悪さはしません」と、私たちは地球に対して約束しなければなりません。そしてこれから生まれてくる人たちにも「皆さんが安心して住める地球を残します」と、約束をするのです。

■ここがスゴい!SDGs

ここからは私なりに、SDGsで素晴らしいと思った点をあげてみます。

・国連に加盟する193ヵ国の満場一致で採択された、先進国・途上国を問わない共通のゴール。

・「経済」「社会」「環境」の3つ全てを良くしていく。

・政府、自治体、企業、NPO、協同組合、個人など、いろいろな立場の人が対等なパートナーシップで取り組みを進める。

・「バックキャスティング」で高いハードルにチャレンジする。

国連に加盟する193ヵ国にはアメリカとロシア、アフリカやインドなどの新興国、日本とちょっと微妙な関係にある北朝鮮なども含まれています。複雑な対立関係にある国も少なくない中、「人類共通の目標」として満場一致でSDGsが採択されたのは、まさに奇跡だと思います。

これまでの経済活動はエネルギーを大量に消費し、大気を汚染し、森林を伐採し、労働者を搾取して行うもので、「経済・社会」と「環境」は両立しえないという考え方が常識でした。

それに対してSDGsは、自然エネルギーの活用などにより「環境を守ることこそが、豊かな経済と社会につながる」という新しい道筋を示しました。

この道筋を確かなものにするには、政府や大企業のトップダウンではダメ。私たちがボトムアップで行動し、立場の違う人と知恵を出し合って進めなければ、目標を達成できないでしょう。

そのためにSDGsではところどころで「マルチステークホルダー(いろいろな利害関係者)によるパートナーシップ」を強調しています。

「バックキャスティング」というのは、あえて無理そうな目標を設定し、そこから逆算して今やるべきことを進める考え方。「2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする」というのは、その典型ですね。

「そんなこと不可能だ」とは言っていられません。とにかく実現させなければ、地球環境も人類もオシマイになってしまうからです。

そのためにもSDGsは各所で、これまでにない「イノベーション」の必要性を強調しています。それが具体的にどんな技術や方法になるかは未知数。これからの私たちの英知にかかっています。

■まず「一人SDGs」からはじめてみる

私はまず、SDGsの掲げる「経済」「社会」「環境」を「自分ごと」としてとらえて、できることから始めたいと思っています。

たとえば、こんなふうに。

・「経済」=自分がお金を稼ぐことで、大切な人を豊かにして、クライアントさんに喜んでもらう。

・「社会」=遠い国のニュースや、国内の政治、司法、人権の問題に関心を持ち、ボランティアなどに参加する。

・「環境」=家で使う電気を自然エネルギーに切り替える。

これについては、4年前から我が家は「みんな電力(株)」に切り替え、群馬県川場村の森林資源を活用した、木質バイオマス発電の電気を使っています。

また「サステナブル・ラベル」が付いた商品を選ぶのも、今すぐできることです。

たとえば「フェアトレード認証ラベル」。これは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い生産者や労働者の生活改善と自立に貢献しているという認証。選定基準には人権のほかに、森林や水質の保護など環境への配慮も含まれています。

ほかにもいろいろな認証ラベルがあります。詳細は以下の画像下の「日本サステナブル・ラベル協会」のリンクを参照ください。

画像1

悲しいことにSDGsを掲げる企業の中には、ブラックな職場環境や労働者の搾取が取り沙汰されているケースもみられます。

大企業を中心にした「経団連(日本経済団体連合会)」もSDGs推進を声高に叫んでいますが、そのウラでは兵器輸出や原発推進を方針に掲げています。

兵器輸出は言語道断として、原発にはいろいろな見方があるとは思いますが、私は反対です。ちょうど今日は3月11日。10年前の福島の出来事を思えば、推進なんてあり得ないと思っています。

こうした企業のあり方を改めるために、自分として何ができるか。

SDGsが認知されるにつれて「エシカル消費」という言葉も耳にするようになりました。エシカル=倫理的な消費者として、環境を破壊したり労働者を搾取している企業の商品は選ばない行動様式のことです。

社会全体がエシカルな方向になれば、企業のあり方も変えられるでしょう。一人ひとりが「自分ごと」として行動すれば、それが大きな力になって未来を良い方向に切り拓けると信じています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?