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世界は海底ケーブルで繋がっている


海底ケーブルとは?

海底ケーブルとは、海底に敷設された電力用または通信用の伝送路のことです。ここでは、通信用の海底ケーブルについて説明します。通信用の海底ケーブルは、世界中の国や地域を結んで、インターネットや電話などのデータを高速にやり取りするために使われています。2021年現在、世界には447本の海底ケーブルが張り巡らされており、その長さは地球30周分にもなります。

海底ケーブルの歴史

1850年

海底ケーブルの歴史は古く、1850年にイギリスとフランスを結ぶ最初の海底電信ケーブルが敷設されました。その後、大西洋や太平洋などを横断する海底電信ケーブルが次々と開通し、世界各地で国際通信が可能になりました。しかし、電信ケーブルは信号の損失が大きく、長距離の通信には中継器が必要でした。中継器は電力を供給するために別のケーブルも必要でした。

1956年

1956年には、最初の海底電話ケーブルがアメリカとイギリスを結びました。このケーブルは同軸ケーブルと呼ばれるタイプで、電気信号を伝送するために金属の芯線と外装を使っていました。同軸ケーブルは電信ケーブルよりも高品質な通信ができましたが、まだ中継器が必要でした。

1980年代から1990年代

1980年代から1990年代にかけて、光ファイバーケーブルが登場しました。光ファイバーケーブルは、光信号を伝送するために細いガラス繊維を使っています。光ファイバーケーブルは同軸ケーブルよりも大容量で高速な通信ができます。また、光ファイバー増幅器という装置を使って、光信号を電気信号に変えることなく増幅することができます。これにより、中継器や電力供給用のケーブルが不要になりました。

現在では、光ファイバーケーブルが国際通信の主流となっています。光ファイバーケーブルはインターネットやビデオ会議などの多様なサービスに対応できます。また、海底ケーブルはリング状に構成されており、一部が切断されても別の経路で通信ができるようになっています。

海底ケーブルの敷設と補修

海底ケーブルの敷設と補修は、海底ケーブル敷設船という特殊な船が行います。海底ケーブル敷設船は、海底の地形や水深を調べながら、海底ケーブルを船内の巻き取り装置から海底に沈めていきます。海底ケーブルは、沿岸部では水深が浅く、漁船やアンカーなどの影響を受けやすいため、鋼鉄線などで補強されています。深海部では、水深が深く、外部の影響を受けにくいため、軽量で柔らかい素材で作られています。

海底ケーブルは、地震や津波、サメや漁具などによって切断されることがあります。切断された場合は、海底ケーブル敷設船が現場に向かって、切断箇所を探し出して修理します。修理の方法は、切断されたケーブルを船上に引き上げて、新しいケーブルと接続して再び沈めるというものです。

まとめ

海底ケーブルは、世界中の国や地域を結んで、インターネットや電話などのデータを高速にやり取りするために使われている通信用の伝送路です。海底ケーブルは電信ケーブルから始まり、同軸ケーブルや光ファイバーケーブルへと進化してきました。海底ケーブルは特殊な船で敷設や補修されており、海底の環境に合わせて構造や材質が変わります。海底ケーブルは国際通信に欠かせない生活インフラであり、私たちの日常生活にも大きく貢献しています。

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