ポップアップで、もう1枚

実は、これにプラス、
もう1枚売れました。

イベントの終了間際。
売上状況の確認のため
主催者が私の所に来たので、
「スカーフ1枚売れました!」と
明るい感じで報告した所、
一瞬「えっ??」と真顔になったのですが、
(↑これ、見逃しませんでした。)
商品を見て
「このスカーフかわいいわね」と、
ディスプレイにあるスカーフを1枚、
買ってくれました。

その時に参加費の
30ドルを払ったのですが、
買って下さったスカーフは
30ドルちょっと。
結局のところ、
オーナーさんがさりげなく
参加費を負担してくれたのと
同じ事だったのでした。

その時は、
恥ずかしいのと情けないのとで
一刻も早く、
その場を立ち去りたい気分でした。
参加費を払った後は、
まるで何事も無かったかのように
余裕の顔で片づけて、
逃げるように帰りました。

いま思い出してみると、
オーナーさんはきっと、
私の売上だけが
大幅に低かったのを分かっており、
途中も色々と配慮して
下さっていたのだと思います。
何度かおしゃべりしに来てくれたり、
フードやドリンクを差し入れてくれたり。

その時は惨めな自分を直視できず、
主催者の心くばりを有難く受け取るより、
何も問題はないような態度を取って
表面的には強がっていた、
本当に情けない私でした。
(本当は内心、売れなくて
ヒヤヒヤしていたのに。)

こんな感じで、その年は、
寒い夜空に1人で夜店を出したところ、
売れたのはスカーフ1枚だったという、
身も心も懐までも寒くなる、
痛い経験で締めくくられました。

(ちなみにですが、
周りの人達は小判ザックザク!
売れていました・・・。)

その日の帰り道は、
来た時と比べて全然軽くなってない
スーツケースをゴロゴロひいて、
どんより下向き加減で、
優雅にUberで帰るのではなく、
路線バスを乗り継いで、
1人トボトボ帰りました。

tobotobo_aruku_漬物石

スーツケースは軽くなってないどころか、
来た時より重くなっていたかもしれません。