【読書記録】2023年12月

新年明けましておめでとうございます。
2023年12月の読書記録です。



1冊目:アンドレイ・クルコフ『ペンギンの憂鬱』

あらすじ(単行本そで部分より引用)

恋人に去られた孤独なヴィクトルは、憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、そのうちまだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの「追悼記事」をあらかじめ書いておく仕事を頼まれ、やがてその大物たちが次々に死んでいく。舞台はソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。ヴィクトルの身辺にも不穏な影がちらつく。そしてペンギンの運命は……。欧米各国で翻訳され絶大な賞賛と人気を得た、不条理で物語に満ちた長編小説。

こちらの単行本は発行されたのが2004年9月30日です。
2023年12月現在、キエフはキーウと表記されますが、ここで感想を書く際には本書本文に基づきキエフと書かせていただきます。ご了承ください。

この物語は掴みどころのない不穏さに満ちています。「敵はどこだ?」と当たりを見回したくなる感じです。

ヴィクトルが飼っているペンギンのミーシャと警官のセルゲイ、2人と1羽で湖に釣りに出掛けるあたりまでが微笑ましく読めたかなあ……
人間のミーシャが娘のソーニャをヴィクトルに預けたあとは、穏やかな日も全てイミテーションのように思える不穏さだった。

最後、自分について書かれた追悼文を読んで、何が起こっていたのか大枠が明らかになるのが良かった。
ウクライナから脱出する手段も好きな展開だったな。


2冊目:稲田豊史『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレーーコンテンツ消費の現在形』

あらすじ(新書そで部分より引用)

なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのかーー。なんのために?それで作品を味わったと言えるのか?著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという事実に突き当たる。一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか?いまや映像や出版コンテンツはどのように受容されているのか?あまりに巨大すぎる消費社会の実態をあぶり出す意欲作。

Twitter(現X)で見掛けて読みたいな、と思っていた本。

まず本の題名にギョッとして、映画を早送りで観るなんて勿体ない……と思ったのだけど、内容は映画に限らずドラマやアニメ、YouTubeなど映像作品全般について網羅していました。

映画やドラマ、アニメなどストーリーのあるものについては早送りすることはありませんが、YouTuberの動画などは1.5倍速くらいで視聴してしまうことがあるので、私も作者が指摘する該当者だな、と思いました。


おわりに

2023年12月は2冊の読了でした。
全然捗らなかったなあ。

前回の投稿で年間目標は60冊、って書いたけど、2023年1月の投稿を見直したら目標70冊掲げてた。……達成ならず、残念!!

2024年は年間目標70冊目指します。
まあ、これ書いてる時点でまだ1冊しか読んでないんですけども……

今年もゆるゆるとよろしくお願いいたします。

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