星らかん

道すがらeditorのそこはかとない日常沙汰。編集情景をツラツラ描いています。http…

星らかん

道すがらeditorのそこはかとない日常沙汰。編集情景をツラツラ描いています。http://solecolornet.com/

最近の記事

雑誌と書籍における編集者の違い

雑誌と書籍の本としての性質の違いは、編集現場の取り組み姿勢や進行管理にも違いが生じる。また編集者に要求される能力や資質も異なる。 タウン情報誌のような雑誌の場合、編集担当者はまず複数のライターやカメラマンへの作業依頼の交渉、取材先のアポイント、取材時のアテンド/フォローなどを行う。 次に出来上がった原稿や画像をチェックし、指示書と一緒にデザイナーへ渡して誌面デザイン(初校)をアップする。その後、クライアントへチェックを依頼する。 この一連の作業を進める上で取材件数が相当

    • 取材アポの取得率と店舗の地域性

      限定した地域にある飲食店を集約したグルメ情報誌を制作することがある。地域内にある和食レストラン、洋食店、ラーメン店、寿司店、カフェ、居酒屋・・・という店舗情報をまとめて紹介するものである。 リストアップされた各店舗に連絡してアポ取り作業を行うのだが、アポが取りやすい地域と取りにくい地域がある。ここで言う地域とは、山の手や下町、新興住宅街、オフィス近郊などを意味する。どの地域の店舗も取材依頼の電話をかけると、途中で話が煩わしい・面倒くさいという理由から即NGの反応もあれば、い

      • ご当地取材・・・役所は頼りになる

        ある地域に限定して観光スポットを紹介するタウン情報誌で海沿いの街を取材することがあった。 公園・ビーチ・アミューズメント施設・ミュージアム・漁港市場などに、電話をかけてヒアリングし写真を借用するものだ。 公的な観光スポットは民間の指定管理者が運営を委託されているケースが多く、広報担当がいて取材にも対応してくれる。 ただし、管理所在や担当者がはっきりせずに、話が進まないスポットもある。 そんな場合、役所へ連絡すると意外(?)に話は早いのである。 役所の代表番号に

        • 実直な取材アポは、後でアドバンテージになる

          雑誌や情報誌の取材記事において、制作者側(ライターや編集者)と取材対象者側(店舗)とが直接やり取りする作業には、アポ取り、取材/執筆、そして校正という3つがある。 どの作業も大切だが、取材記事の着手から出来上がりまでのトータルを効率的に進めるにはアポ取りが最も重要だと感じる。 アポ取りは相手にとってファーストコンタクトなので、最初は半信半疑で身構えられてしまい信用されるまでに時間がかかる。気を遣う作業だが、その成果は後々の仕事に影響を及ぼすことになる。 アポ取りに特

        雑誌と書籍における編集者の違い

          FAX校正は注意すべし!

          PCやメールはかなり普及しているが、まだ電話やFAXでしか連絡できない店舗がある。例えば、老夫婦でやっているお店、IT業界から離れた業種の店舗などである。なぜか喫茶店もPCやメールを使用していない店舗が少なくない。 喫茶店の紹介特集をする雑誌の取材をしたとき、約60軒の店舗と取材や校正をFAXでやり取りすることになった。そもそもFAXを使うのは誰でも億劫に感じるわけで、喫茶店の店主も同じだ。 校正戻しの締切が近づいているので何度か頼んで、ようやく各店舗からFAXが送られ

          FAX校正は注意すべし!

          Webライティングの編集のあり方

          雑誌や書籍などの出版社の編集とは異なるWebライティングの編集のあり方について触れてみる。 Webライティングを発注するのは、Webメディアを運営しているマーケティング会社やその仕事を請け負うプロダクションからが主である。 Webメディアは紙メディアとビジネスモデルや収益源が異なるので、執筆や編集する際の観点や作業プロセス、原稿(コンテンツ)の完成形も異なる。 両者の違いはいくつかあるが、執筆する現場サイドから見た大きな差異は原稿構成をマーケティング軸をベースに展開し、タ

          Webライティングの編集のあり方

          企画作業は報酬にならない

          雑誌の企画作業は依頼されてもほぼ辞退することにしている。 その答は簡単で労力の割に報酬にならないからである。 通常、出版社は売れる雑誌の企画立案、質の高いコンテンツ制作、予算管理、プロモーションという活動を通じて販売部数を上げて収益につなげる事業をしている。 雑誌における企画は重要な作業なので社内の企画会議で決めるのが普通であるが、何らかの事情で企画を外部に依頼するケースがある。 企画を立案する際は、出版業界や消費者におけるトレンドやマーケットなどを調査・分析した上で

          企画作業は報酬にならない

          企画書は1枚に収める

          情報誌の企画で、あるテーマに沿って全国レベルで店舗、施設、観光地をリストアップして電話取材をする仕事がある。各店舗に電話をかけて取材や写真借用を依頼する作業である。店舗へ電話をかけてみると首都圏の場合は割と話が進みやすいが、地方の場合はうまくいかないケースもある。 地方の店舗にとっては突然聞き慣れない言葉が飛び込んでくるので、なかなか話が先に進まずに、結局、警戒心を持たれてしまい話が頓挫することもある。 このような場合は用件だけにとどめて、その後ペラの企画書を送付してお

          企画書は1枚に収める