相手から影響を受けることが、人に影響を与える力の源になる
70代の母と一緒に本を読むようになって、母と自分の関係が、これまでで一番よくなりました。
それと同時に、いくつか気づきがあったので、それをシェアします。
二人で最初に一緒に読んだ本は、『7つの習慣』でした。
この本です。
超分厚いので、母は最初「やってられっか!」と抵抗しました。
いくら退職して時間あるからって、こんな本、音読で一緒に読んで、どれくらい時間かかると思ってんだ!と。
自己啓発系とか、「宗教やん」と思う、「ふつうの」日本人の感性を持っている母なので、「うさんくさい」という気持ちが先に立っていたようで、それは読み始めてしばらくは変わりませんでした。
この本の中に、サンドラ(著者の妻)が、友人からの頼まれごとを断れず、別の友人に、自分に代わって引き受けてもらえるよう電話するという、その筋(どの筋だ)では有名なエピソードがあります。
自分の人生の中で、「重要なこと」を優先するということを描いたエピソードなのですが、まぁ、誰が読んでも、「そのとおりや~~~~」「ほんま、それ~~~!!」となるエピソード。
ネタばれはいくないので、どういう話なのかは、実際に読んでほしいんですが、
このあたりを読みはじめる頃になって、ようやく、閉じていた心を、母のほうから開きはじめてくれまして。
で、母が「この内容ええなぁ~」と言ってくれたとき、こう返したんです。
「この本、ええやろ? これ読み終わったら、次は、母ちゃんがこないだ褒めてた『嫌われる勇気』を一緒に読もうや」
私がこう言った瞬間、母の気持ちが一気に「氷解」したことが感じられました。
私の何かが、以前とは変わっていることを、認めてくれた瞬間なんじゃなかったかと思います。
人に真に影響を与えたいなどという気持ちは、おこがましいものです。
「私は人に影響を与えられる人間だ」「いい影響を与えてやろう」みたいな心根は、相手に伝わって、見透かされます。
相手から影響を受けることを、こちらが「受け入れる」とき、相手もはじめて心を開いてくれます。
「わたしは人から影響されることを、怖がっていないか?」
(人に影響を与えることばかり考えてしまう、その背景に、臆病さは隠れていないか?)
人に影響を与えること、ばかりを考えている人は、一度振り返ってみてほしいです。
人に心を開くというのは、人から影響を与えられる勇気を持つ、ということです。
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