アゼリア

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「本を読む時間が無い!」という方にも、本の内容を用いて人生を豊かにする話を投稿していきます。 「本で得た知識をどう生活に活かしていくか」を自分なりにアプローチして配信しています。本の紹介も添えながらレビューしていきますので、ぜひともフォローよろしくお願いします!

最近の記事

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?⑦

「答えは必ず現場にある」2012年までの数年間、少ない資金でゲストを呼び込むために尽力してきた森岡さんでしたが、アイデアは尽きるどころか、数年間の苦境をなんとか乗り越えてきたため体力も奪われてしまいます。莫大なお金を投資しているハリーポッターエリアが完成する2014年までのあと一年を生き延びるために、厳しい条件下でアイデアを絞り出さなければいけない状況でした。 ある日、パーク内を歩きながらUSJが誇る高性能ジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」をふと眺めなが

    • USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?⑥

      数学は本当に人生に役立たないのか。学校で習う数学なんて社会に出ても何も役に立たないと言っている大人は、「私はロジカルに頭を使って生きていない」と自己紹介しているようなもの。 数学以上に何か問題を解決する上で役立つものは学校には無いといいます。端的に言うと、数学が実社会で役に立つのは、電卓でできるような計算そのもではなく、論理的な思考力の方にあるのです。 例えばある遊園地で「集客数が減少している」という問題に直面したとします。ここでの問題は集客数が減っているという結果そのも

      • USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?⑤

        何か新しいアイデアが欲しい時、皆さんは何が大切であると思いますか? USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)で多くの事業に取り組んできた当時のマーケティング専門担当である森岡さんは「盗み」が大切だと言います。どういうことでしょうか。 マーケティングなどに携わる際、何か大きな成果を出したいとなると大抵の場合新しいものを生み出そうとしますが、実際は既存のものをリノベーションして新しい価値を創り出すことで充分であるパターンの方が多かったりします。 『日本人は何でも自分でゼロか

        • USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?④

          USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)はかつて ”大人が楽しむためのハリウッドテーマパーク” として支持されてきました。 そうなるといつのまにかある問題が浮かび上がってきます。それはディズニーにはあって、USJには無かったものです。それは ”子供” のターゲット層 他のテーマパーク産業と比べても、子供連れファミリーの集客が明らかに低いことが発見されます。この層が増えれば1~2割もの売上が伸びることは明らかでした。俗にいう「金の卵」です。 しかしテーマパークであるに

        USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?⑦

          USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?③

          "戦略が全てじゃない" 前回の投稿では、2011年に開業10周年記念を迎えるUSJが、震災などによって苦境に陥ってしまった際の大逆転エピソードを紹介しました。 当時のマーケティング担当であった盛岡毅さんによる著書『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』 (2014)を参考に、今回の投稿では物事を考える上で戦略が全てではないということをエピソードと共に紹介したいと思います。 USJと大人気ゲームブランド "モンスターハンター" のコラボ 2011年、盛

          USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?③

          USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?②

          USJについてみなさんはどういったイメージをもっていますか?今では数えきれない程のキャラクターやストーリーを持ったテーマパークですが、元々は「ハリウッド映画」をコンセプトとして開業していたのです。それなのにもかかわらず「ハローキティ」や「スヌーピー」といったキャラクターも導入されていったため、「ハリウッド映画」におけるコアなファン達から冷めた目で見られ、実際に離れていってしまったゲストも少なくなかったそうです。 しかしこのUSJのコンセプトを大々的に変える前、当時のマーケテ

          USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?②

          USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?①

          2001年に「ハリウッド映画のテーマパーク」としてスタートしたUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)。開業当初は年間1000万人を超えるゲスト数でしたが、その後は800万人、700万人と落ち込んでいき一度経営危機にまで陥ってしまいます。今回からはそんなUSJを舞台に、当時のマーケティング担当であった筆者が体験したエピソードを紹介していこうと思います。 ( 森岡 毅(2014)『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』 ) 「観光客数が減り続けているのはな

          USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?①

          これからの「正義」の話をしよう⑥

          統一教会や創価学会の存在によって「政治」と「宗教」の在り方について考える機会も多くなりました。それに関連して「政治」と「宗教」は切り離すべきだという意見に対しては皆さんはどう考えるでしょうか。この投稿を読むと必ずしもそうとは言えないということが分かってきます。 「政治」と「宗教」 かつてアメリカの大統領であったジョン・F・ケネディは、就任当時カトリック教徒であったため多くの人から「カトリック教の価値観を押し付けてくるのではないか」と懸念されていました。しかしそういった不満を

          これからの「正義」の話をしよう⑥

          これからの「正義」の話をしよう⑤

          「結婚」ってなんのためにするの? 急に質問を投げかけてしまいましたが、決して結婚できずに病んでる訳ではないのでご安心ください。(笑) 今回の投稿では結婚の目的について改めて考え直し、そこから導ける「正義」に対する考え方について書こうと思います。 現在私達にとって結婚や恋愛の在り方は多種多様になってきました。"ゲイ" や "レズビアン"といった同性愛者も身近になり社会的にも受け入れやすくなってた一方で、結婚となるとまだ否定的に見られてしまうということも現状としてあります。

          これからの「正義」の話をしよう⑤

          これからの「正義」の話をしよう④

          「浮気は許せないor許せる」の問いで思いのほか意見が分かれるこの議論ですが、本書 マイケル・サンデル(2010)『これからの「正義」の話をしよう ーいまを生き延びるための哲学』 では違った視点でこの問いに対するアプローチがされています。 それは夫婦間以外で行われる性行為は、相手を物扱いしていること同然だという見方です。 別に全く愛情を抱いていないとは限らないという意見もあると思います。彼氏or彼女が別にいても、もしかしたら心のどこかで浮気相手に好意すら抱いているパターンも

          これからの「正義」の話をしよう④

          これからの「正義」の話をしよう③

          奴隷制度があった時代について皆さんはどういったことを想像しますか?そういった時代に自分が生まれなくてよかったと思いますか? これを読んでいる皆さん全員、自分の命や時間、お金をどのように使うかを自由に決めることができますよね。欲しい物を欲しい時に買えて、お腹が空いた時は食べたい物を買えます。これは奴隷とは真逆の人生だと思うでしょうが、案外そうとも言い切れないことがこの記事を読んでいく上でわかってきます。 義務と道徳 皆さんがもし億万長者だとして、お金をたくさん持っているの

          これからの「正義」の話をしよう③

          これからの「正義」の話をしよう②

          みなさんはこれからする提案について、いくらもらえたらOKできますか? 1. 前歯1本を抜く 2. 片足の小指を切断する 3. 15センチのミミズを食べる 4. 野良ネコを素手で絞め殺す 5. 都会とはかけ離れた農村で一生暮らす どれくらいもらえるならできると考えましたか?これは実際にとある社会心理学者によって行われた実験でしたが、対象者の回答結果はこうです。 1. 前歯一本・・・ 約60万円(もらえるならやる) 2. 足の小指・・・約800万円 3.

          これからの「正義」の話をしよう②

          これからの「正義」の話をしよう①

          お久しぶりです。もうすぐクリスマスですね。みなさんはどのように過ごすかもうお決まりですか?私はこの投稿をし続けるために読書に没頭するクリスマスシーズンになりそうです。(笑) さて、前回までの投稿では ロバート・B・チャルディー二(1991)『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか』 の本について紹介してきました。今回からまた新しい本に入っていきます。 皆さんは マイケル・サンデル(2010)『これからの「正義」の話をしよう ーいまを生き延びるための哲学』 を読んだことはあ

          これからの「正義」の話をしよう①

          影響力の武器⑥

          例えばあなたがとある電化製品を買いに店へ行った時、買いたいと思っていた最新モデルの商品が売り切れていたとします。それもその日たまたまセールキャンペーンが行われた日でいつもよりかなり安い値段で売られていたのに。そこで店員があなたに近づいてきます。 「このモデルがお気に召したようですが、ごもっともです。」 続けて 「本当に質の良い商品ですし、お値段は高めであるものの、うちでは下げれるだけ下げていました。」 そして最後に 「ただ申し訳ございませんが、ほんの二十分前に別のお客様が買っ

          影響力の武器⑥

          影響力の武器⑤

          スーパーなどに行けば必ず目にする「ショッピングカート」ですが、皆さんはこれがどのように生まれたのか考えたことはありますか? 前回の投稿では、私達には「考えるよりも早い判断」をしなければならない機会が多く、いかにその一瞬の判断を正しい方へ導くくことができるかが重要になってくると説明しました。 そしてそれだけでなく、こういった私達の自動的な反応を利用して簡単に騙すことができてしまうということについても触れました。具体的にどういうことなのか。今回のテーマである「ショッピングカー

          影響力の武器⑤

          影響力の武器④

          皆さんは「人」を見る上で外見を重視しますか?それとも中身を重視していますか?相手をどんな対象で見ているのかによって変わってくると思いますが、社会の中で「影響力」を持つためには中身よりも外見が重要であるという考え方もあります。 社会の中で「影響力」を持つとはいったいどういうことか。それは「権威」を持つことです。厳密にいえば、例え権威が一切無くても権威があるように見せかけることとも言えます。 私達はいとも簡単に周囲に影響されてしまうと前回の投稿で紹介しました。ではここでいう「

          影響力の武器④