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小さな庭の物語。~小太郎ちゃんが来る~

ママ
寒いよお。
冷たいよお。

ああ
そうね。梢の雨の玉が ぼうやの肩にころんって。。
冷たいねえ。

お友達のこんすけくん

このこんすけくんは 森山京さんというおばちゃんが書いておられる
子どもの本にでてくるんだ。勝手にぼうやはお友達とおもってるの。森山さん 許してね。だって ご本のなかの動物くんはみんなお友達だもん。

きつねの子(3) ぼくだけしってる 児童書 作: もりやま みやこ 絵: つちだ よしはる 出版社: あかね書房 あかね書房

小さな庭の小さないきものの親子です。
ムーミンほど大きくはないことだけは 確かです。
お家は 木の室。
今は 玄関を出ると金木犀の絨毯が ふわふわで 
ぼうやはそこで ひがな一日あそびます。
でも こんな雨の日は 室に入って おがくずと葉っぱで作った
お布団で休みます。おばちゃんが あったかいものを
敷いてくれました。とても 住み心地がいいのです。

時々 向こうのお山から きつねくんとかタヌキ君が
ひとの目を盗んでやってきます。遠いまちのキツネの
こんすけくんのお話など してくれます
今日は どんな一日だったのかな?

庭の花

ママ
ポストの方で ことんって 音したね。

そう?
見てくるね。♬もしかしたら こたちゃんかもしれないわ。
 そう言って ママは 木戸を開けてポストに行きました。
狭い庭ですが この親子には そうでもなくて なかなか
着きません。

ああ
やっと着いたわ、どれどれ。
あら!わ こたちゃんからだわ。


わ お手紙だ


はいけい ぼうや へ

今度お庭のお茶会に小太郎とリンコと一緒に行きます。
小太郎は大変な病気しちゃってね。でも大丈夫治ったから。後でママに聞いてね。
でね、おばちゃんからのお願いです。
小太郎とたくさん遊んでやって下さい。
小太郎はおうちの中が多いから、きっと喜びます。
今日はお庭に落ち葉がたくさんあったから、御手紙に木の葉を使いました。
お茶会を楽しみにしていますね
                     小太郎と鈴子の母さんより

ぼうや
見てごらんよ ほら!
ほんとにこたちゃんのおかあさんからよ。

ほんとだねえ。ママ ほんとねえ。
わあい!ぼく うれしくって 眠れないや。
ねこさんも呼ぼうねえ。喜ぶよね、きっと。

それから ぼうやは ぐるぐる回って わあ!
と言いながら 喜びました。
寝転がって お空が 大きくて 
また また ひとりで にやにや。
そうだよねえ。流行り病で 小さなこのこたちも
外に出られなかった。
お友達も 来ないし ぼうやは ひとりが多かったもんね。
それでも ママが いっぱいお話ししてくれたから
寂しくはなかったけど。

ぼうや、よかったね。
こたちゃん おかあさんに
聞いたんだけど お目目が見えなくなったことがあるって。

ええええ!ママ!大丈夫?かあさんのお顔も見えないの?

そうよ。でもね よくなったんだって。よかったねえ。

どうして?なんで なんで! 治ったの?お医者様?

うん、詳しく聞かなきゃわからないけど、お母さんが一緒に
寝たら 治ったんだって。。💦

ママ!

うん?

ママ。!
こたちゃん ここ(胸)のまんなかが なんか なみだで
池みたいになって それでこわくて 見えなくなったの?

どうかなあ。
そうかもしれないね。ぼうやは 少し おにいちゃんになったね。

えへへ

そうね、こたちゃんがきたら お祝いしようね。たのしみだね。
そうそう こんすけくんも来ないかな。お山のほうからね。

うん。そうだね。めじろおばさんにお願いする?

そうね。じゃあ あしたでも しようね。おじいちゃんちに
行ったときに めじろさんには お話しするわ。

うん。ぼくもおじいちゃんに会いたいな。

うん。。お天気が良かったら 行こうか。。

はい!

お利口だね。いい お返事。
じゃあ 今日は もう お休みしよか。
今日はピーターもおとなしくしてたってよ。
もうすぐ お芋ほりだからねえ。ふふ。

そうねえ。ママ お大根も 大きくなる?

なるよ。おじさんが 今度は玉ねぎ植えてあげるっていってたよ。

 ・・・ぼく 玉ねぎ きらい。。

わかったよ。じゃあ おさつとかぼちゃ。スープにしようね。

うん。。
ママ おやすみ。楽しみだなあ。こたちゃん いつくるかなあ。
お星さまあー-・
パパー--!
おやすみなさあい!

こうして また 夜がこの親子を包みます。
おばちゃんは あした会社がお休みだから きっとお芋の
お菓子を持ってきてくれる。
そうして きっと お話しをしながら 草むしり。。
お椅子を出して お話しするの。


ぼく 産まれて来てよかったよ。
いっぱい おもしろいこと するんだ。
こたちゃんとりんちゃんと。ママと。お空のパパと。

では おやすみなさい。また あした。
また変哲もない日常のお話しでした。ありがとうございます。




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