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 そっとあるもの あなたへ


それは 一年かけて やっと咲いたの。
蕾をつけたかと思ったら 日ごとにふくらんで
一気にね。
まるで はにかみながら そっと
誰も知らない夜に咲いたのかもしれない。 


花散らしの雨と風が 遠慮がちに過ぎてったね
薄紅色の花びらが 道に落ちてる。かたまってね。

寒いね
あなたにつぶやいたら 長い髪が そっと揺れて
こくんと頷いた

あの朝の旅だちからどれだけたったかな
少しだけ休んだら  また あなたのロードが
始まるんだ

今 あなたを見下ろすあのさくらも
散れば また 一年後を 夢見てそっとそこにいる

寒いね
あたらしい朝は どう?

うつむいたまま


あなたの空

ねえ
ここから見えるあの空は 紛れもなく
あなたのものだよ
なにを描いてもいい
なにを語ってもいい
ちゃんと聴いてくれる

寒いねとつぶやきながら
あの空に溶けていく そのこころ
わたしは いつまでもみていたいな


追記
今朝 この方の記事を読んで この詩を書きました。
そのひとの深い悲しみや辛さは 誰にも 本当には
分からないだろう。
そんな簡単なものじゃない。
でも
それでも 語り掛ければ ぬくもりが伝われば
そばに だれか いれば なんて考える。
やむにやまれぬ想いを この方は抱かれたのだろう。

わたしも 信じたい。
わたしは そっとそばにいたい。
ちいさな胸を痛めているあのこのそばに
ただ 黙って。。
そう
こんな思い あなたに 届くかな。


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