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【第21回】「デザインと革新」

第一線で活躍しているクリエイターをゲストに迎え、クリエイティブのヒントを探るトークセミナーシリーズ「CREATORS FILE」。


第17回 クリエイティブナイト
ゲスト:太刀川英輔氏(NOSIGNER代表)
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太刀川さんは、東京都発行の防災ブック「東京防災」やJR東日本グループの地域再発見プロジェクト「おやつTIMES」などソーシャルイノベーションデザインで注目を集めています。お客さまを巻き込みながら会場全体でデザインの可能性について考えるなど太刀川さんらしい、盛り上がる夜となりました。


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太刀川流アイスブレイク「チェックイン」からスタート!

太刀川:会場で隣り合わせになった人同士が数分間、自己紹介と今日聞きたいことをディスカッション。ここに集まった人たちは多分、同じものに興味を持っていると思うので、どんなことを聞きたいかを受け取ってからこの会をスタートさせたいと思います。その方が僕も期待に応えられる精度があがると思うので!

<お客さまからあがった本日のお題>
 「デザインの可能性(デザインとは何か?)」
 「領域を超えるためのコツ」
 「多様な人格」
 「時間とお金」
 「ブランディング論」

「デザインの可能性(デザインとは何か?)」

太刀川:みなさん、デザインの語源を知ってるでしょうか。
「designare」ラテン語で「記号化する」という意味です。つまりデザインは、形に関わる仕事なんですね。
でも、よいデザインって形の話かどうかはわからないですよね。形ってそもそも何でしょう?見えるものはすべて形ですが、すべての形には理由があります。
デザイナーの仕事というのは、形とその理由を往復しながら、より強い理由を持った形を導くことだと僕は考えています。正確に言うと、「理由」と繋がる。理由だけじゃなくて、理由の先にある「関係」と繋がる。

例えば、それによって人との関係が生まれるとか、人が感動するとか。見えないところで紐付いている理由が促す関係が大事だと思っているんです。
形は「理由の関係」のためにあるから、「よい関係性を導く」形を作ることがデザインだなと。
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形を通して関係をよくする=デザインがよい状態
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僕らがデザイナーとして成長するには2つ。
1つは形がうまくなること。これは技術の問題。もっと大事なのは、形や技術を何に使うのか?ということ
例えば都会において、黄色と黒のストライプはエマージェンシーの象徴なんですね、立ち入り禁止とか。それって形の記憶が現れていて、それを通して様々な関係を誘発するデザインなわけです。そんな発見を日々の中ですることができます。見つけたとき、なぜよいと思ったのかを考え直すことが大事ですね。


太刀川さんの考える、イノベーションとは?

太刀川:よいデザインにはイノベーションがいります。
イノベーションとは「新結合」のことです。「技術革新」と日本語訳されてしまいおかしなことになっていますが簡単に言うと、カレーうどん、みたいなものですね(笑)。カレーとうどん。新しいものが結びつくこと。結びつくのは形なんだけど、新しい関係性ができるわけです。

僕は、グラフィック、プロダクト、ブランディング、建築設計、といろいろなことをやっていますがこのいろいろを通して一体何がやりたいかというと、今の世の中、いろんなところに閉塞感があると思うんですね。このままいくと惰性的な未来になる。
それが欲しくないとすると、別の未来に向けていかなくちゃいけない。いきたい方へいくためにデザインを使う。横穴をあける、横櫛を通すということをデザインでやりたい。そういうことを、僕はソーシャルイノベーションと呼んでいます。

東日本大震災が起こったとき、すぐに「OLIVE」というウィキペディアのようなたくさんの人が投稿する情報データベースを作りました。とにかく実験して、形を作って、こういうことあるかもよ、と時代を挑発することができればそれはデザインだと思っています。
すごくメジャーなところにマイノリティを作っていく力がデザインにはある。形で示すことで、世の中に別の生き残り方がみえてくる。だからデザインは重要だと思っています。デザインをどう使うか、という意味ではクオリティをあげたいけれど、技術が上手い人は世の中いっぱいいますよね。
ただ、デザインを何に使うか、というところでは先鋭的でありたいです。僕がどれくらい社会に貢献できているかはわからないけど、デザインで一緒に波を作っている感覚です。

「領域を超えるためのコツ」

太刀川:これね、超えたいですよね!僕も常々超えたいと思っています。実は領域を超えるのはそんなに難しいことではなくて、絶対にやらなきゃいけないことをちゃんとやるってことが大事です。
例えば、和菓子屋さんなら菊練りできるようになる、とかそういうこと(笑)。デザイナーならフォトショ、イラレ使えなきゃだめ、って単純なことです。
領域を超えたい人が間違えちゃうことはね、いろいろ手をつけ始めてみちゃう。それはいいんだけど、どれもこれも平均点以上やることをデフォルトにしちゃっていたりする。それはあまり意味がありません。
僕はね、やりすぎる方法を知っているんです。

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