8号

趣味の話と自分語りをします

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最近の記事

フィルムカメラで撮ること

昨今、なんとなーくフィルムカメラが流行っているとかいないとかで、フィルムの値段も高騰しているのになんとまあ贅沢なことと思いながら、わたしも出がけにハードオフで見かけた状態のいいフィルム一眼を買って帰ってしまったり。とはいえなにかとお金がかかるし撮った写真を見るまでも面倒だしで、あまり使う機会はありません。 ですがわたしはもともと、1年ほど前にフィルムカメラから写真に入ったくちでして、その撮影体験のおもしろさや、カメラという機械そのものへの浪漫的な情動、出てくる画の美しさなど

    • 昨今の私事情について

      最近、ハードオフでGoPro HERO5 sessionを見つけて衝動買いしてしまいました、おねだん8800円也。 特に使用用途があったわけではないものの、せっかく買ったのであれば使わないと仕方がない。そういうわけですので、最近はPOVスナップ動画を撮っていたりします。 外付けマイクなんかなくって、風対策もしていないのでなにかと雑音が多い動画たちですが、作っているとなんとも言えない満足感がありまして。 最近はまずいつも通りに散歩するついでにスナップをする、そのさらについ

      • そこにいないわたしが撮る写真

        最近兄の機嫌がとても悪い。というかなんだか感じが悪い。わたしがなにかしたのだろうかと考えるも、何も思い当たる節がない。なんならわたしの方が兄に対して腹を立てているのだけれど、感情を優位にして合理性に欠くようでは、今まさに兄の機嫌に口出しをしている自分に示しがつかないので、平静を装っている。おかしな言い回しだけれど、努めて、面倒だな、とだけ感じている。 わたしは基本的に人間が嫌いなので、家族といえどもなるべく関わり合いにならないようにしているし、同時に人間が好きでもあるので、

        • 写真に枠をつけるとなぜ良いのか

          答えは単純です。かっこいいからです。 あと機材名も入っているとかっこいいですよね、文字が入るとかっこいいのです。 というだけではさすがにどうかなと思うのですが、結論としては件の通りで、ではなぜかっこよく見えるのかということを深堀していきたいなと思います。 まず枠について考えると、枠がつくことによって写真がある種の絵画的なものに見えて、作品性を持つからかっこいいのだろうと思っています。さらに言うと枠がつくことで「内」と「外」のようなものが明確になり、写真と鑑賞者との境界を明

        フィルムカメラで撮ること

          写真はまず正面を意識するだけでいいかもしれない

          正面ってなんでしょう。壁に対しての正面はきっと垂直面からの視点でしょうけれど、りんごの正面ってどこでしょう。構図とはそこに尽きると思います。 この写真の正面はりんごを洗う人の目線か第三者の目線かで別れると思います。わたしとしてはりんごを洗う側から撮りたかったのですが、りんごを洗うという大役を任せておいてカメラを構えるなど不敬でありますゆえ、第三者目線に徹した写真です。 これはわかりやすく正面ですね。水準器の水平垂直を意識して、目線の高さを地面から構図外の屋根までの中心に持

          写真はまず正面を意識するだけでいいかもしれない

          写真をいっぱい載せたいだけかもしれない日記

          機材を選ぶとき、わたしみたいな素人はその日の気分で選んでしまって良いわけですが、そのときの指標というのはただ単に機材スペックに依らない部分も大きく、せっかく写真を撮りに行くなら……という考え方が少しづつ無くなってきたような気がします。 カメラを初めてここ1年と数ヶ月、まるで押収品のようなカメラの量ですが、ここから少し減ったり増えたりして、今のメインカメラはニコンDf、もしくはオリンパスE-P7になっています。フルサイズとマイクロフォーサーズという現行ミラーレスの最大最小セン

          写真をいっぱい載せたいだけかもしれない日記

          個性にとらわれる写真趣味

          わたしの住む地方はそうそう雪が降ることなく、積もるなんて数年に1度程度だったのですけれど、昨年も、今年も、なんとなく降ってきた雪が予想外に積もり始めて、ああまた交通が混乱してしまうと悩んでいるところです。なにせそういう土地柄ですから、冬用タイヤを誰もが装着しているわけもなく、必ずどこかで事故が起こる。想像するだけで胃がキリキリしてきます。 写真を撮る者にとって、おそらく個性とは大事な言葉なのでしょう。わたしも時々、自分の写真にはどんな自分が反映されているだろうと考えることが

          個性にとらわれる写真趣味

          まるで意味があるようだ

          無い。 全く無い。 わたしは写真を消費しているのです。 数日前にも書いた気がしますが、撮ることに深い意味は無いのです。けれども撮ることに執着していて、寝ても覚めても写真のことを考えています。仕事終わりにどこへ行こうか、休みの日はどこへ行こうか、どのカメラを持ち出そうか。 同時に、どんな格好をしようかなとも考えています。軟派ものだと笑われるかもしれませんが、カメラストラップの色と服と、どう合わせようかも考えたりしているのです。それが楽しい日もあります。 子どもがもっともら

          まるで意味があるようだ

          わたしは素敵を選べない

          写真表現の技法にわたしの大好きなパンフォーカスというものがありますが、わたしがこれを多用する理由について少しお話を。 といっても、すごく単純なことで、わたしは景色の鑑賞者の目線から、その相対する空気感全てに対して好ましいと思っているからなのです。よく「キリトリセカイ」というハッシュタグを見ますが、わたしはキリトレナイオタクなのです。そこにある何かの美しさを写真に収めるということができず、いやここにあるもの全部ひっくるめてイケてるじゃんどうしようと思っているのですね。 写真

          わたしは素敵を選べない

          きっとあなたもそうであったように、わたしも美などわからない

          美という概念はどこか上品で、理解すればするだけ人間としての価値を高めてくれるような気がするもので、わたしも散々それについて考えたものです。こう言ってはなんですが、普通に生きていたら美を教わる機会はないように思えます。義務教育で習う美術という科目はあくまで学問、学術であり、つまり絵筆の握り方や工作ナイフの使い方なのであって、少なくともわたしの中学時代、美そのものの解釈は思春期に委ねられていました。 残念な事なのですが、わたしは思春期に美を思い出せません。大人としての感傷的な回

          きっとあなたもそうであったように、わたしも美などわからない

          無意味、乳酸、静かなギヤの音

          言わなくてもいいと思いますがトップ画像はゾルキーくんです、ライカではありません。とても安くてわりと頑丈なソ連製ライカコピーです。 わたしの写真に意味はありません。世界はこんなに綺麗なんだとか、それを切り取るとか、なんかそんな感じの綺麗な情動はありません。それがわたしにとって実のところややコンプレックスらしきものであり、趣味にしたってナンセンスにもほどがあると思うのです。 わたしは以前文学をやっていました。もちろんプロの作家などでなくただの手慰みです。ですが、作品には必ず意

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          パンフォーカスとモノクロ

          パンフォーカス撮影は不自然です。なぜなら全てにピントが合っている(ように見える)から。 人間の目は注視します。立体的に映像を捉えて、視界の中心にピントが合っていて、周辺は流れているのが普通です。ですがパンフォーカス撮影というのは手前から奥まで全てにピントが合っていて、人間の目では実現しえない画を出します。わたしはその、どこに目をやっても何かが見えるざわつき加減が好きです。 ただ鑑賞者の目からすれば結局、その画のどこを注視するかということになりますので、そのざわつきっぷりを

          パンフォーカスとモノクロ

          フジのコンデジ、XQ2の画質を落としている話

          早速私的なお話で申し訳ないのですが、わたしは安いデジカメがあると手を伸ばすという悪いくせがあります。最近もなぜかドラッグストアに売っているケンコートキナーの謎デジカメを買いそうになっていまして、まあ調べてみるとなかなかやばい代物だったので踏みとどまっているのですが、ハードオフなんかで見つけた古い一眼レフなんかはその場の判断で買って帰ってしまったりしています。最近だとニコンのD50、600万画素CCDデジタル一眼レフを買って帰ってしまったり。 無論言うまでもなく無駄な買い物で

          フジのコンデジ、XQ2の画質を落としている話

          X-Pro1 OVFの作法

          写真は今回の話にこれっぽちも無関係でかわいいエゴマ氏です。なんならX-Pro1で撮った写真ですらないです。オリンパスのE-420という古い一眼レフで撮った写真ですので本当にかわいいだけです。 先だってX-Pro1のOVFはいいぞという話をそれらしく書きましたが、観念的な話が主だったので実際のところアレをどう扱うという話を、MFレンズを前提に具体的に書いておきたいな思います。 ピント合わせについて 先の記事に書きました通り、OVFでの厳密なピント合わせは不可能に近いです。

          X-Pro1 OVFの作法

          X-Pro1と非合理の合理性

          我が家のジャンガリアンハムスター、エゴマ氏は昼も夜もほとんど寝て過ごして、給餌の気配を感じ取ったときか、おやつをねだるときだけのそのそと巣穴から這い出てくる。その姿を見て情けないやらなんやら、可愛らしいのだけれどだらしがないように見えて仕方がないのだけれど、しかし生命とは生存を第一としていたずらにエネルギーを消耗せず、また可能な限り蓄えておくべきなのだろう。生活が保証されたときに取れる究極の合理性とは、寝て過ごすことのように思える。 しかしわたしたちはそうしない。生きてい

          X-Pro1と非合理の合理性