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ライブに「予習」は必要か?

この記事を読んでいる皆様は、ライブに足を運ぶ前に「予習」をしているだろうか? 予習とは、事前にライブに行くアーティストの映像やSNS上のファンのコミュニティでシンガロングする曲、コール、ペンライトの振り方、お決まりのコール&レスポンスなどの情報を得て、ライブ当日に備えることである。 その目的としてはライブ当日の演出をより楽しむことにあるのだが、この予習について私が以前から疑問に思っていることがある。 ライブ前の「予習」とは果たして本当に必要なものなのだろうか? 私がボカロ

    • ボカロ通史⑤ 第二次ボカロブーム〜ボカコレの登場

      新世代のボカロ曲〜ボカロと社会 この世代のボカロPでまず特筆すべきは、すりぃ氏だろう。1分のショートバージョンを先行して投稿し、その後フルを投稿し楽曲の中毒性を高めるというそれまでにないスタイルを打ち出し話題となった。このスタイルを真似るボカロPは多くなかったものの、この時期からボカロ曲は2〜3分程度の短い楽曲が主流になっていく。 Kanaria氏も短い楽曲でヒットを連発したボカロPの1人だ。エレクトロかつビート感を打ち出した音楽性は多くのフォロワーを産み、これを模倣するボ

      • ボカロ通史④ 名ばかりの「衰退期」からの再加速

        洗練されたボカロ曲〜ポップスの台頭 プロジェクト系が衰退した2013〜2014年頃を境に、ボカロの音楽性は変化していった。 高速かつ複雑な密度の高い楽曲は姿を消し、よりJ-POPに接近したものになった。 日本国外では、海外在住のCrusher-P氏とCircus-P氏がタッグを組みCIRCRUSH名義で発表された「ECHO」は全編英語詞のボカロ曲としては最大のヒットを記録したほか、中華人民共和国の動画サイト「BiliBili」では日本のボカロ曲の他に、中国語VOCALOID

        • ボカロ通史③ 「全盛期」〜マスメディアとの対峙

          今回は長いので、目次をご活用ください。 メルトショック後のボカロ〜VOCAROCK メルトショック以降ボカロ界が大きく変わったのは周知の事実だが、ここからボカロは「全盛期」と呼ばれる群雄割拠の時代に突入する。 この頃になると鏡音リン・レンや巡音ルカなどが登場し、クリプトン以外からも「Megpoid(通称GUMI)」(インターネット社)、「IA -ARIA ON THE PLANETS-(通称IA)」(1st PLACE)などのVOCALOID製品が発表され、ボカロの「声」

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        • ボカロ通史
          6本

        記事

          ボカロ通史② 初音ミク登場〜ニコニコ動画との関係性

          初音ミクとニコニコ動画の登場 "アニメ調のキャラクター" "ミュージシャンのクローンではないオリジナルの存在"これらを昇華したのが「初音ミク」と書いたが、それほどまでに初音ミクの登場は画期的かつ衝撃的なものだったということは、その大ヒット具合を見れば誰の目にも明らかであろう。 声優・藤田咲氏の声をサンプリングしたそのソフトは1週間で1000本を売り上げるという、バーチャルインストゥルメントとしては空前絶後の大ヒットを記録した。 歌うソフトという画期的な用途、キャラクターとし

          ボカロ通史② 初音ミク登場〜ニコニコ動画との関係性

          ボカロ通史① 「初音ミク」誕生前夜

          ここから製品名およびその技術の名前を「VOCALOID」、音楽ジャンルとしての呼称を「ボカロ」として使い分ける。 皆さんご存知の通りVOCALOIDとはヤマハが開発した音声合成技術であり、その歴史は2000年のDAYSYプロジェクトにまで遡る。DAYSYプロジェクトはヤマハとポンペウ・ファブラ大学内のMusic Technology Groupによって研究が開始され、2003年にVOCALOIDと名前を変えて同年のNAMM Show(世界最大の楽器ショー)にて発表されたのち

          ボカロ通史① 「初音ミク」誕生前夜

          ボカロ通史まえがき

          はじめまして。ボカロPをしているカトリーヌと申します。 先月、YouTubeでの活動で有名なみのミュージック(以下、みの氏)が執筆した「にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史」を購入し、読了した。 書籍の帯にも「縄文楽器から初音ミクまで」と書かれていたように、我々がいる音楽ジャンルとしてのボカロについても記述があった。 大雑把に内容を記すと、2007年に初音ミクが登場し、ryo氏による「メルト」の発表を皮切りにインターネット上で発展したのち、今ではボカロP出身のアー

          ボカロ通史まえがき