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千年鯨の旅日記in函館-2

0.前回のあらすじ


1.自転車をレンタルしてみた

 2日目になった。
 謎のラップ音にビビッていたがいつの間にか寝ていたらしい。
 起きたのは朝の4時。
 母が起きたので私も自然に起こされた。

 母曰く、年を取ったせいなのか早起きになったそう。
 この時間ではまだ私は寝ているんだぞとグダグダ言いたい気持ちを抑えながら寝ぼけたまま過ごした。
 朝食を食べた後に二日目に泊まる予定のホテルに移動。
 荷物を預けた後に、赤レンガ倉庫にある案内所に向かって自転車を借りた。
 この自転車のレンタルが地獄の旅の始まりになることを私たちはまだ知らない。

2.山のほうはすごい坂道だらけ

 電車でぶらぶらするか、自転車でぶらぶらするか悩んだが自転車に乗って健康的に過ごすことにした。
 さて、走り出したのはいいのだが風が強すぎる。
 緑の島というところに行ったのだが風が強すぎたため、撤退した。
 その後は海の方にいったり、外国人墓地を目指したりとひたすら走る。

 せっかく上の方まで登ったからロシア領事館のところをみようとした。
 しかし、そこに行くまでの坂道が容赦ない。
 傾斜は何度くらいなんだろうと思うくらい急な坂。
 自転車をこぐのは限界でひたすら自転車を押しながら進む。

 おいおい、ロシア領事館のもっと上に神社あるのかよ。
 あの神社までいくのきついだろう。
 もう、なにもかもきつすぎて明日は筋肉痛になるかもしれない。
 あらゆることを考えながらロシア領事館に到着。
 しかし、内部を見学できずに外から眺めるだけだった。

3.公会堂から見た景色

 函館には中心的な建物がある。
 それは公会堂。
 社交場みたいなところで、過去には芥川龍之介が演説をしていたらしい。
 ここで見学をしていたが、1階には明治時代の服を着て写真を撮影できるコーナーがあった。

 そこにはたくさんの修学旅行生がいた。
 みんなやりたがるよね。
 いいよね。
 修学旅行で貴重な体験、できてよかったねと学生さんたちを暖かく見守った。

 昼食を近くの喫茶店で食べた後、教会をブラブラ。
 たくさん教会があったり、洋館が並んでいたりするのを見て異国情緒の風景を楽しめた。
 函館を探索していると不思議な気持ちになる。
 私たちは異世界にいるのだろうかと。
 地元とは違う風景に私の脳は錯覚していった。

4.立待岬から碧血碑へ

 最後に回ったのは心霊スポットとして噂されている二つ。
 これは事前に知っていた。
 しかし、行きたいところだったんだよね。
 自然たっぷりな風景だったから。

 結局母には碧血碑だけ心霊スポットだと明かした。
 早く言えと叱られたが仕方ない。
 元々母が強くいきたいと望んだところだ。
 反対しても結局いくことになったのだから。

 教会から立待岬に行く途中の遊園地を発見。
 どこかで見たことがある風景だなと思ったら、モヤモヤさまぁ~ずで見たところだった。
 確かアナウンサーは福田アナだったと思う。
 大好きな番組の聖地巡礼ができてうれしかった。

 立待岬までの道のりは過酷。
 長い坂道、そして墓場の間をかけていく。
 後ろからやってくる車を確認しながらなんとかたどり着く。
 立待岬は心霊スポットだが、2時間サスペンスの聖地でもある。

 自然の険しさと雄大さを楽しめるところだ。
 たしかにここから転落したら危ないだろうなあと思うところはあれど、柵があるので安全。
 怖いというよりは、自然って素晴らしいと感動した。

 問題は碧血碑。
 案内図では幕府脱走軍の墓と書かれている場所だ。
 そこから坂道を登ったりくだったりの繰り返しでばてた。
 疲れた、私は自転車を押して歩いていくぜと言いながらなんとか到着。

 階段があるところまで自転車で進み、その後は徒歩で移動。
 人気のない場所、木々が生い茂って何かと圧迫を感じる。
 私はそこで人としての大事な心を失いかけた。
 墓を写真で撮ろうとしたのだ。

 母の注意のおかげでなんとか良心を取り戻し、近くにあったこの墓に関係する人物の紹介文を見る。
 昔は幕府脱走軍は賊軍として扱われていたため、慰霊はだめと言われていたらしい。
 そこに異を唱えた人物が中心に弔ったそうだ。

 なんか怖いわと言い出した母親に実はとこの場所の噂を明かす。
 早く言えと叱られながら、その場を後にした。
 心霊スポットに訪れたからプラマイゼロにしようと近くの神社に参拝。
 これで心が落ちついた。

5.ガラナとやきとり弁当

 今回の旅では珍しく、夜は落ち着いたものだった。
 いつもなら食欲旺盛で何もかも食べようぜと私と母は躍起になるのだが、今回は共に小食だった。
 たくさん食べたのは朝食ぐらい。

 せっかく函館だし、泊まったホテルの近くに函館の名物のコンビニ、ハセガワストアがあることから晩御飯を買うことにした。
 私たちが食べたのはハセガワストアの名物のやきとり弁当。
 この弁当、やきとりと言われているが使っている肉は豚肉だ。

 なんとも不思議な感じがするのだが、味は最高。
 私は鶏肉の脂身がすごく苦手で、やきとりはつくねしか食べられない。
 しかし、このハセガワストアのやきとり弁当は脂身なんてあまり気にせずに完食できた。
 これだったら安心して食べられる。

 私がお供にしたのはガラナだ。
 北海道ではガラナが有名らしいという話を聞いてさっそく飲んでみる。
 コーラとは違う甘さに舌が刺激された。
 なんというかフルーティーでちょっとした酸味を楽しめる甘さ。
 南国の気分を味わえちゃう、不思議な飲み物だった。

 就寝は夜の20時。
 サイクリングで体力を消耗していたこともあって、私たちはいつもより早く寝ることにする。
 明日は最終日、どんな出会いがあるのだろうか。
 それは明日の私たち次第!

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