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コートのボタン

パチンっ!

音がした!

そして、私は勢いよく道路という地面へと

転がり落ちた!

私はコートを支えているボタン!

私によってコートの主は寒さを感じない!

私はコートの主である人間に寒さを感じさせる

事がない!という私の仕事にほこりを持っていた。

ただ、私が今、地面へと転がり落ちる3日くらい

前くらいだが、私を支えている糸が

少しゆるんでいる!そんな感じはしていた。

それでも、私の主は私を使い続けた。

そして、主が主の母親と呼ばれるものに主が

『おつかい』という命令を受け、私が着られ

『おつかい』の途中で私はコートより外れ

地面へと落ちたのである!

私は、主が私にすぐ気づいてくれる!

私の主であるなら私の事も大切にしてくれている!

そう思った!

しかし、主は私が落ちたことに気付きもせず、

私を置いて、足早へと過ぎ去ってしまった。

私は、仕方がない!

私には人間と違って、足がない!

それなら、ここに転がり、ずっと待つしかない!

そう覚悟を決めて待つ事にした。

主も私がいなかったら寒いので私をすぐに探しに

来るだろう!

そう思った!

そう思ってから、もう、1日が過ぎた。

昼に落とされた、私は夜という時間、

朝という時間を体験し、また、

昼を今体験している。

主と共に過ごした時は感じなかったが、

地面へ落とされてから感じた世界は不思議だった!

まず、私が落ちているのが、人間には分かっている

はずなのに、誰も私に視線を合わせる事がない!

そして、私が存在しているのに、車や自転車

オートバイという機械にまたがり、一瞬で

過ぎ去っていく!

そんな光景を見続けて、もう、

一月もの時間が経過した!

私の存在に気付かず、私は主にも見捨てられた。

そう思うと、なんか悲しみがにじみだし


てきた。

そんな時、私に気づき、話かけてきたものがいた!

犬だ!

その犬も人間に飼われている犬ではなく、

野良犬と呼ばれる人間に飼われず1人で

生きている犬である!

私は久しぶりに声をかけられ嬉しくなった!

犬も私にこう言った!

『私も、もともとは人間に飼われていたが

突然、車という機械に乗らされ、

知らない地に置いていかれた!』

そう言った。

私は犬がとてもその時は寂しく辛い状況なのと

どうして良いか分からない不安にかられた

だろう!と言った。

犬は『寂しく、怖かった!』

そう答えた。

そして、犬は私に質問した。

『あなたは、これからどうしたいのか?』

と!

私はコートのボタンとして主に会いたい!

そう答えた!

犬は私を口にくわえ、私の主の家まで案内

してくれた。

私がそこで見たものは、私がボタンとして存在

していたコートを着ている主だった。

しかし、私が風を防いでいたボタンの場所には

私の代わりに私以外のボタンがついていた!

私は、咄嗟とっさに全てを理解した。

私がボタンとしていたコートのボタン。

私の代わりはいないから迎えにきてくれる!

そう思っていたのは幻想。

私しか風は防げない!

私しか、出来ないボタンの仕事!

そう思っていた仕事!

それは他のボタンでも簡単にできる仕事なのか!

そう考えた瞬間、私は悲しくなった!

しかし、それと同時に解放されたような気持ち

にもなった。

私は、私以外出来ない事というものがないわけ

だから、私は何にでもなれて、自由に過ごして

良い!

そう思った。

そんな私の想いを知ってか知らずか、

犬は私にこう質問した。

『ボタンはこれからどうしたい?』

私はこう答えた!

『私が見てこなかった世界を、犬と一緒に

過ごしてみたい!』

犬は分かった!

そう言って私を口にくわえて私たちは旅に出た。

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