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【読書記録】2023年12月3日〜12月9日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 いよいよ12月も中旬。
 毎年この時期に発表される読書メーターの年間ランキング。
 今年は読者の投稿によってランキングが決定するとか。
 発表は12月13日(金)の正午。
 今年はどんな本がランクインしているのか。
 自分はどちらかというと流行とは無関係に読む本を選んでいるので、毎年このランキングを見てから、その年に流行った本に手をつけるという感じです。
 ということで、一応読書メーター年間ランキング特設ページのリンクを貼っておきます。

気になる方はチェックしてみてください。

 では、流行とは無関係な今週に出会った本たちをご紹介。

【2023年12月3日〜12月9日に出会った本たち】

⚪️ 完黙
 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎

著者 相場英雄

【内容紹介】
 東京・新宿中央公園で地場スーパーの会長・草野重二が他殺死体となって発見された。手がかりは、現場に残された「8」と思われるサインのみ。一方、大和新聞東北総局遊軍記者の宮沢賢一郎は、青森への出向を命じられる。直後、五所川原市内のパネル工場で殺人事件が発生。宮沢は東京の草野重二殺害事件と五所川原の事件が、「津軽のスローハンド」と呼ばれた津軽三味線伝説の名手・佐藤流海により繋がっていることに気づく。警察の捜査力を上回るほどの取材力を持つ新聞記者の活躍を描く「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎」シリーズ第三弾。

裏表紙より

【感想】
 シリーズ第3弾。
 福島、山形ときて場所は青森。
 テーマは道路行政、高齢者問題ときて派遣労働者の雇用問題。
 犯人の動機と真相を知った時、思わずため息が出ました。とにかく切ない、そして虚しい。
 「ちょっとしたボタンの掛け違え」まさにこの言葉がぴったりの事件でした。自分も何度ボタンを掛け違えただろうか。それを考えるとまたため息が…。
 そうそうこのシリーズのお楽しみの一つがご当地麺料理。今回気になったのが「天中華」。どんな料理かと思ったら、ラーメンの上にドーンと海鮮かき揚げが乗っているんだとか。これはぜひ食べてみたい。

⚪️誤認
 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎

著者 相場英雄

【内容紹介】
 大和新聞東北総局遊軍記者の宮沢は、秋田の乳頭温泉で正月休みをとっていた。そこに秋田支局に向かえと電話が入る。大晦日に東京・西麻布で起きた殺人事件の被害者が秋田出身で、記事を書けと言うのだ。同じ頃、警視庁のキャリア警察官が秋田の名所、五社堂で死体となって発見された。ふたつの事件の謎に、宮沢が迫る。

裏表紙より

【感想】
 シリーズ第4弾は秋田編。
 まずはグルメ。日本そばの出汁つゆに中華麺を入れて天かすをのせた「たぬ中」は、なんか自分でも作れそう。
 事件部分は東京で起きた金融ヤクザの殺人事件と、秋田で起きたキャリア警察官の謎の死の共通点を探っていく物語で、犯人は中盤で想像がつくものの、物語中で幾度も語られる「『あの人に限って』が一番怪しい」という言葉が意味するものはとても重い。
 エピローグはこれまたつらいというか、大人の狡さみたいな感じが読んでいてなんかモヤモヤします。
 本文中に登場した本〝ナマハゲ・その面と習俗〟はぜひ一度見てみたいけど価格がねぇ…。

⚪️追尾
 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎

著者 相場英雄

【内容紹介】
 岩手県雫石高原を目指していた大手進学塾・首都圏ゼミナールの強化合宿バスがハイジャックされた。人質は、難関中学合格を目指す小学五年生三十名。犯人は身代金十億円を要求する。車内には停職中の警視庁捜査二課管理官、田名部昭治も同乗していた。大和新聞東北総局遊軍記者宮沢賢一郎は、犯人グループが金融取引の専門知識を悪用して身代金奪取を企てていることに気づく。警視庁捜査一課特殊犯捜査係(SIT)をも翻弄する身代金受け渡しスキームを宮沢と田名部は阻止することができるのか。バスは東北自動車道を北上、タイムリミットが刻一刻と迫る。

裏表紙より

【感想】
 シリーズ第5弾。今度の舞台は岩手。
 とにかくこれまでで一番の緊迫感。
 事件は大手進学塾の強化合宿に参加した小学5年生30人を乗せたバスをハイジャックしての身代金要求。
 各セクションごとに細かく時間が記載されているので、読んでいるこちらの緊張感も否応なく高まります。
 今までの話と一味違うのは、これまでアクティブに動いていた田名部刑事が人質としてバス内に拘束されて、記者の宮沢がそのバスを追跡する展開のため、二人ともこれまでのような活躍の場が少なく、その代わりと言ってはなんですが、宮沢さんの奥さんや、〝ナンバー〟シリーズの真藤さんの活躍が堪能できます。

⚪️偽計
 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎

著者 相場英雄

【内容紹介】
 杜の都・仙台。大和新聞東北総局に、遊軍記者・宮沢が敬愛する先輩記者にして編集局次長の村田が訪ねてくる。経理局長の不審な行動を聞かされ、宮沢は調査を申し出る。一方、警視庁捜査二課の管理官・田名部に、ある情報がもたらされる。怪しい投資ファンドの顧客に大和新聞がなっていて、70億円もの損失を出したというのだ。そんな中、宮城県石巻で殺人事件が起きる。被害者は渦中の人物、大和新聞の経理局長だった。東京ー仙台ー石巻を結ぶ殺人ライン。宮沢は真相に辿り着くことができるのか。

裏表紙より

【感想】
 シリーズ第6弾にして完結編。
 最後の舞台は宮城県。
 気になる麺料理は麺自体にイワシを練り込んだ「いわし麺」。いったいどんな味なんだろう。
 事件は新聞記者が関与する金融事件とそれに絡む殺人事件。そしてこの事件を外側から包み込むのが9.11アメリカ同時多発テロ事件。
 今回も警視庁捜査2課の田名部そして大和新聞の記者・宮沢がそれぞれ、時には共闘して事件の真相を明らかにしていきます。
 犯人が明かされた時、そしてその記事を書かなければならなくなった宮沢の心境は察するに余りあります。

⚪️世界がもし100人の村だったら 総集編

著者 池田香代子

【内容紹介】
 “世界の教科書”「100人の村」総集編は、最新データに基づく「100人の村」第1巻の“数字”改訂版、さらに世界の食糧危機を訴えた“たべもの編”、医療・教育の急務を説く“子ども編”の本編、そして原典となった「1000人の村」を収録。シリーズ4巻のエッセンスが圧縮された本書は、9.11の予見の書であり、未来に向けても読み継がれる現代の民話のポケット判。

裏表紙より

【感想】
 絵本「世界がもし100人の村だったら」本編と食べもの編、子ども編、そして最新のデータによる現状報告の4冊をまとめて文庫化した本。
 興味はあったものの今まで手に取る機会を逃していました。
 一読して自分は世界のことを何も知らないのだということを思い知らされました。
 いつも不平不満を並べている私だけれど、世界の中で自分はかなり恵まれているということ。そして食べもの編にある、日本の食料自給率の低さと食べ残しの多さ。これは酷い。
 セーフトレード商品も知って入るけれど、あえて手に取ることはせず…。
 まずは意識して生活するところからはじめよう。

⚪️新解さんの読み方

著者 夏石鈴子(鈴木マキコ)

【内容紹介】
 新解さんとは、『新明解国語辞典』(三省堂刊)の愛称です。何ごとも独自の視点で説く孤高の新解さんは、例えば、凡人ー自らを高める努力を怠ったり功名心を持ち合わせなかったりして、他に対する影響力が皆無のまま一生を終える人。と力一杯説明します。新解さんは人間臭い、読んで楽しい辞書なのです。新解さんを敬愛し、その存在感を世に広めた鈴木マキコこと夏石鈴子が、新解さんに徹底的に迫り、新解さんの魅力を伝道します。

裏表紙より

【感想】
 本家〝新解さんの謎〟を読んだのは約6年前。まさかその続編的な本が出ていたとは。
 この本が刊行されたのは新明解国語辞典の第5版が刊行された頃で、語釈や用例の変化だけではなく、4版と5版の違いについてかなり詳しく書かれています。
 新解さんが面白いのは既に折り紙つきですが、そこに容赦なくツッコミを入れる著者の新解さん愛を強く感じます。
 因みに本書を読みながらスマホに入れている「大辞◯」を引いてみたら、なんか、こう…普通でした。
 どうやら第6版を解説した〝新解さんリターンズ〟という本もあるらしいので探してみよう。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか?
 先週末から読み始めた相葉秀雄さんの「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎」シリーズ全6冊。
 シリーズタイトルはなんだか2時間ドラマのようですが、これがなかなか。
 旅とグルメにプラスされるのが男女の愛憎劇ではなくて、私の大好物の社会派ミステリーだからなのか、先が気になってグイグイ読んでしまいました。
 シリーズは第6作の「偽計」で完結していますが、外伝的な作品で東日本大震災の復興を題材にした物語〝共震〟もGETしてあるので早速読みます。

 そしてそして、来週はいよいよ…。

最後に
 読書っていいよね。


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