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SBG株主になるまでの紆余曲折⑤「SBG株ついに購入」

いつも大変お世話になっております。ベルモットです。

今回は、第5話。私が社会に出てから、ソフトバンクグループ株購入までの軌跡を綴ります。

話はややオーバーラップしますが、携帯キャリアをソフトバンクに変えてから間もなく、世界をひっくり返す出来事が起こります。

iPhone誕生

2007年、かの有名なアップル創業者、スティーブ・ジョブズが、あの製品を世の中に発表します。

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携帯電話市場は当時、折りたたみケータイが全盛の時代から、少しずつ画面が大きくなり、スライド式の携帯電話など、徐々に液晶画面の大きな端末が登場していましたが、マイナーチェンジと言うイメージが抜けず、あえて機種変更をするまでも無いと思うようになっていました。市場は機種変更に飽き始めていたと思います。

それがしかし、iPhoneが登場したことで、携帯電話、音楽プレーヤー、そして、パソコンと同等(かそれ以上)の性能を持つコンピュータという3つの要素を、1つの形にし消費者の手のひらサイズにしてしまったことは、私の中では衝撃以外の何者でもありませんでした。

このiPhone、日本ではソフトバンクモバイルが他の大手キャリアに先駆けて日本市場で販売する契約を結んでいたため、ソッコーで機種変更に行きました。この辺りからソフトバンクと言う企業への関心がより強くなりました。

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この、iPhoneを手にしてからは、文字通り、いつでもどこでもインターネットにアクセスして、様々情報に触れ、美しい動画、YouTube、そして何より、無数のアプリケーションを簡単に、そして安くダウンロードでき、自分好みにカスタマイズができるようになりました。

しかし、時はちょうど、サブプライムローン問題やリーマンショック前後。この時点では、資金もなく、株式投資をしようと思える気持ちももてず、ただただ、最終消費者としての日々を過ごしていました。それでも行動は起こさねばと思い、この方の存在にたどり着きます。

ウォーレン・バフェット

私がiPhoneを手にしたのが2008年8月頃でしたが、その数ヶ月後、ニューヨークタイムズ紙に、バフェットのこんな記事が掲載されます。

"Buy American. I am.(アメリカを買おうぜ、私は買う)"

"株を買う理由は極めて簡潔だ。市場が欲深くなる時は警戒し、恐怖心が蔓延したときは投資のチャンスである"

"多くの健全な企業の先行きを心配するのは意味がない。これらの企業の業績も一時的には落ちるのは当然だが、向こう5~20年以内には史上最高利益を上げる"

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恥ずかしながら、この記事を初めてみたときは、「ついに頭のおかしくなったじーさんの記事が有名紙に載るような世の中になっちゃったか...」と思っていました。

ですが、その後の彼ならびに彼の会社"バークシャー・ハサウェイ"の快進撃は言うまでもありません。

色んな書籍を読みました。バフェットの書籍を教科書に、あの伝説の名著「懸命なる投資家」からバリュー株投資の真髄を学び、EPS、BPS、PER、ROE、フリーキャッシュフロー、MOAT、ネットネット株、安全域という概念、ブランド企業の収益性の特徴など、学生時代に学んだ会計の知識を、1つ1つ、証券投資に生きる形に当てはめていきました。

なぜコカ・コーラやアメリカン・エキスプレスを、過去のあのタイミングで買ったのか、なぜ買ったら数十年握るのか、なぜリーマンショック真っ只中で"買い"を選択できたのか、一気に理由がわかり、感動しました。

社会に出てからは、こんど彼が株を買うタイミングに合わせて、株を買おうと決めました。

そんなことをしているうちに、ついにあの動画に出会います。

ソフトバンク新30年ビジョン

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事を成すとはなにか、これからの未来はどうなっていくのか、ソフトバンクが創業初日から一切、"情報革命"という信念を曲げていないこと、2040年に時価総額200兆円を目指していること、等々、今までケータイ会社というイメージでしたが、そうじゃないんだということを知りました。

しかし、当時の時価総額が確か2~3兆円でしたから、200兆円なんて、さすがに無理だろと、半信半疑でした。

でも、過去を遡れば、ブロードバンドを日本に広め、弱小ボーダフォンから不利な電波でドコモやKDDIと勝負し、なんだかんだで900MHz帯(通称プラチナバンド)を手に入れ、国内3位までのしあがったのは凄いし、確かにホラを実現させてる人だよなと感じました。

ベルモット新30年ビジョン

2010年、私が大学4年の22歳だった時。孫さんに感化されて、私もこれからの30年計画を作りました。

①30代で、年収500万を越え(達成済)、柱になる銘柄を持つ(達成済)、愛する人と結婚し(達成済)、2人子供を授かる

②40代で、年収1,000万を越える、純資産数千万にする

②2040年、純資産1億円を突破する

③還暦で、純資産2.5億円を突破する

④晩年、数十億円規模の純資産を保有し、暖炉のある立派な家に住み、火に暖まりながらリクライニング椅子に腰掛け、本を読んでいる最中に眠り、誰かにベージュの膝掛けをかけてもらい、死ぬ。

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勢い余って30年ビジョンどころか、死に際までのビジョンまで明確に作りました。最後、変ですよね。最後だけは、12歳くらいからイメージ変わってません。

そして、前の記事でお話した通り、翌2011年に試験から撤退し、社会に出ます。

AIに代替されない仕事を選ぶ

私は、今もこれからも、たぶんサラリーマンです。詳しくは話せませんが、非常に地味な仕事をしています。

簿記や税理士の科目も部分的に合格してましたし、受験撤退時点で23歳。当時、第2新卒扱いとして大手企業の経理関係、税理士事務所のオファーや、もともとネットビジネスを少しかじっていたこともあり、ITベンチャーからも話がありましたが、もう死ぬほど勉強しても叶わなかったので、学歴や保有資格を全て捨てて、学歴不要、資格不要な全く畑違いの業種へ飛び込みました。

iPhone登場をきっかけとして、様々なITサービスが誰でもできるようになりました。アプリケーションなども比較的簡単にリリースできるようになり、ミクシィやFacebookなどのソーシャルメディアも浸透し始めて、個人の影響力がどんどん大きくなってきているし、パソコンやスマホがあれば、マネタイズ自体も個人で全てチャネルを構築できるのを身に染みて感じていたため、大手企業に入らなくてもチャンスはあると感じていました。

しかも、2011年当時から、AI技術の話題があり、今後、人間の仕事はAIに代替されていく流れも感じていました。もう今までの価値観はあまり意味がないのではないかとも思い始めていました。

だったら周りの人と真逆の発想で、金融は趣味の世界でやり、その世界とは対極をなすような産業の中小企業で、決してなくなりそうもない仕事をやってみよう、尚且つ安定的な所得が手に入りそうな競争力のある会社を選ぼうと思ったのです。

職種は営業職。2020年現在で9年目になります。中途採用だったため初年度の給料は少なかったですが、なんだかんだで30年ビジョンの目標を達成するくらいの収入にはなりました。中小企業で、AIに代替される余地がなく、同業他社に比べて競争力があり、財務諸表を見ても健全性は抜群。作戦成功です。

激務、ストレス、浪費…貯金がたまらない

入社後、新規開設の営業所にいきなり配属され、新規開拓担当として営業職をしていました。入社当時は全社最低成績の営業所、最低成績のエリア担当でした。前任担当からエリアを引き継いだ最初の仕事が、クレームに対する謝罪と挨拶回りだったのは、今でも印象に残っています笑

中途職歴なしでそんなことさせる会社って、今考えれば、結構無茶苦茶なところありました汗。入社して以来5年間は、新しい人が入ってきても、上司以外、先輩も後輩もみんな辞めてしまい、一番大変な時は上司と私の2人で営業を回していた時期もあります。

でも、そこにいた上司は営業力があり、新卒3年目で所長に抜擢された人でもあったため、厳しく、風当たり強い人でしたが、とりあえずついていけばどうにかなるかなと感じていました。

出口の見えない状態の中、もう何度辞めようかと思ったくらいの日々で、人間関係も、仕事も、プライベートも、何もかもうまく行かなかったですね。こんな所にいて意味があるのかと、何度も自問自答しました。1日15時間、朝から晩まで働き詰めで、ストレスは酷く、稼いだお金は酒、タバコ、浪費に使ってしまう有様で、更にはメンタル面もやれれてしまい、病院通いの日々で医療費が膨大にかかり....貯金は溜まりませんでした。

ようやく4年後、後輩が仕事に定着してくれ、徐々に人員が増えて営業所の運営が安定し始めます。それが2016年くらい。同時に、社内的な関係作りについても上司と意見をぶつけ合い、その後も新入社員が定着して人員が増え、今では全社で最も成績の良い営業所になりました。

不思議なもので、仕事がうまく回りだすと、色々な事が順調に進むようになります。2016年くらいからようやく貯金というものを始めて、学生時代に忘れかけていた、30年ビジョンに、もう一度向き合うことにしました。

バリュー株Apple株購入

生活習慣というものは恐ろしいもので、いざ節約生活を始めようと思っても、なかなかすぐに動けないものです。少しずつ無駄な支出を見直し、ようやくできた軍資金が200万。最初の購入銘柄はアップル株でした。

2016年当時、アップルは、2007年以降、iPhone端末のマーケットシェアが爆発的に伸び、リーマンショックから猛烈に売り上げを伸ばし続けて、株価も伸び続けてきましたが、徐々にその伸び率が鈍化してきました。おまけにジョブズが逝去してから、ティム・クックに代表を引き継いだこともあり、市場の評価は賛否両論分かれていました。革新的な製品を生み出すことは少なくなり、どちらかというと、既存製品のマイナーチェンジ感が否めなかったんです。

元々市場の評価はグロース株としての認識でしたから、期待が落ち込んでいたのです。しかし、ティム・クックは凄かった。株主への還元を高めたんです。

2012年くらいから配当を開始し、そこからは毎年2桁レベルで増配を繰り返すとともに、自社株買いも10兆円規模のプログラムを発表するなど、異次元の株主還元を打ち出しました。グロース株から、バリュー株への進化を遂げたように思えました。

そして、2016年5月頃、ついにあの人が動きます。ウォーレン・バフェットです。アップルを兆円単位で爆買いしたんです。当時、後継者として名高い、テッド・ウィシュラーとトッド・コームズが、1000億円規模の試し買いをしていた情報を知っていた後でしたし、当時のFANG銘柄の中で、唯一、決算書から判断できるファンダメンタルの強さ、割安さも認識していたため、私に迷いはありませんでした。

200万円のほとんどをアップル株にぶち込んで、その後2018年くらいに売却し、確か倍くらいになったと記憶しています。

ただ今の今までホールドできなかったのは、あくまでバフェットが買った銘柄であって、自分で選んだ銘柄ではなかったからと思います。自分でファンダメンタルズを調べた部分もありましたが、覚悟が足りなかったと思います。

その後、調子に乗って大失敗

ビギナーズラックに気を良くし、いろいろ試してみようと思い、今度は日本市場の小型株に手を出します。マザーズ市場のゲーム株でした。当時、AKB関連銘柄が話題になっていて、アイドルについてよく知らないのに、話題性に乗って借金をし、色々な銘柄を物色しました。

2回は成功し、良いタイミングで利益を確定させましたが、3発目で終わりました。証券口座の残高は半分くらいになりました。本当に死にかけました。ここで、金輪際、信用とゲーム株には手を出さないようにしようと心に誓いました。それが2017年。

SBG株、ついに購入

財務会計知識を活かす、イナゴ投資はしない、信用取引はしない、買ったら売らないための1名柄を徹底的に調べる姿勢など、今までの失敗を反省し、1つ1つを改める作業を始めました。その時、真っ先に思い浮かんだのが、学生時代に散々調べたソフトバンクグループ株でした。

実は、同社については、それまで株式購入を何度か検討し、借金をして購入し、株主総会に出席できる時もあったものの、当時は株式分割前で1単元の金額が高く、なかなか手が出るものではなく、すぐに売ったりしてました。しかし社会に出てからも、2013年のスプリント買収、2016年のARM買収、ソフトバンクビジョンファンド創設など、ひたすら追いかけていました。

ARMもすごい、ビジョンファンドもすごい、でも正直、スプリントだけは本当に心残りで、ベライゾンやAT&Tに比べると競争力はなく、Tーモバイルとの合併も白紙になったりと、世界進出の階段を踏み外しそうな勢いでした。ここだけが投資判断のネックだったんです。

そして、ついにこんな記事が出ます。

米司法省、合併承認のニュースを見て、買い。

各州の反対訴訟問題はまだ残っていたものの、ついにスプリントとT-Mobileも合併に関して、司法省が承認したのです。ここで買いを決めました。本当に胸を撫で下ろしました。

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元々、批判的ニュースの的外れさは学生時代からわかっていたのですが、スプリントに関しては、本当に重荷になっていたと思います。でもそれが外れました。もう迷いはありません。過去を振り返れば、孫さん、そしてソフトバンクグループは、私の懸念点を時間差で全て払拭してきた唯一の企業と言っても過言ではありません。あとは今までよりも更に知識研鑽、過去の情報をアップデートするのみです。

2020年現在、そしてこれから…

最初に断言しておきます。私は、SBG株だけは売りません。

これからどんなに含み益・含み損を抱えたとしても、売りません。個人投資家としてどんなに遠回りになろうとも、売りません。それはこの企業がこの先、とんでもない快進撃を見せるストーリーが想像できるということもそうですが、個人投資家として過去の失敗を繰り返さない為にも自分に課した”掟”のような物です。

 ソフトバンクグループ株をお持ちのフォロワーさんも、徐々に増えてきまして交流ができるのはとても光栄です。私よりも桁違いにベットしている方もゴロゴロいます。ただ1つ言わせてください。この銘柄を握り続ける意思だけは、おそらく誰にも負けません。

2020年現在、マーケットは極めて不安定かつ不自然な相場展開をしています。私は6月12日時点ではSBG株含み益は出ていますが、今後どうなるかわかりません。自社株買いは、決まっている分で7000億円残っており、更に1.5兆円控えています。それでも、直近の株価はどのように動くかはわかりません。

しかし、そんな小さなことは、私にとってはどうでもいい話です。誰に影響されるわけでもなく、自分で選んだ最初の銘柄です。10年かけて調べて考えて悩んでやっと決断した自分の選択がどうだったのか、検証結果は20年後がちょうどいいと思っています。

あとがき

最後までお読みいただき、ありがとうございます。Twitterから考えると全5話。ほんの触り程度ですが、私のこれまでの経緯をざっくりお話しさせていただきました。

これからちょくちょく、決算書を軸とした、SBG分析を展開していこうと考えています。色々なコンテンツがあると思いますが、違った切り口から話が展開できれば幸いです。よろしくお願いします。







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