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ムダなもの多すぎてない? (4)まとめ/不破静六

最初5回の連載と考えていたら、目測を誤って今回の4回目で最終回となった。本記事ではこれまでの3回の内容をまとめる。


1. 逆境の克服

資本主義の豊かさの夢に依存することなく、逆境の中で瞑想などの思想的な努力を通じて危機管理能力を養い、困難に立ち向かう勇気を育てたい。
物質的な豊かさが幸せの全てではないと分かっており、精神的な充実がより重要だと感じているからだ。

そして、お金がないという現実を直視し、それを不便と見るのではなく、知恵と創造の糧へと変えることで、現在と真剣に向き合い、やがて人生の風向きを変える力を得たい。不自由を受け入れ、それを乗り越えることで、より強く、柔軟な心を持った人間になれる。

要は、資本に依存せず、現実の逆境を知恵と創造で乗り越え、内省を通じて危機管理と困難への挑戦力を育むことで、自分の人生の風向きを変える歩みを志す。内面の充実が、最終的に外の世界にも良い影響を与えるという確信を持つべきだ。

2. 内省的浄化

物質的な豊かさに依存せずに、敢えて困難や不便な道を歩むような、人間性に根付いた確固たる哲学的修練が求められると感じている。簡単な道を選ぶのではなく、逆境を意図的に選び、そこから学びと成長を得ることが、真の豊かさに繋がる。

生の苦悩や社会の矛盾に直面しながらも、それらを超越したときに初めて、人は内なる純粋さを取り戻す。社会の表面的な価値観に惑わされず、自分自身と向き合い、本質を見極める力を養うことが大切だ。要するに、生の苦悩や社会の矛盾を乗り越える哲学的修練を通じて、人は内なる純粋さを取り戻すのである。自分を見失うことなく、困難を受け入れ、それを超えることで、真の自己とつながることができる。

3. 恋愛消費社会の秘訣

洒落っ気やケレン味に溢れた自然体の精神を保ち続けることで、恋愛消費社会をサッパリと生きられるというのは、表面的な魅力に惑わされず、自分自身の本質を把握し続ける姿勢からくる。恋愛や消費においても、本質的な価値を見極め、内面の充実を大切にすることで、安易な消費行動や表面的な関係に流されずに済む。

また、贈与の濃い世界においては、市場が小さな交換の場として機能し、閉じた社会の密度を薄める役割を果たす。人と人との間に贈り物としての価値が交換されることで、互いの関係が強化される一方で、市場における自由な交換が社会に新たな動きをもたらす。

つまり、市場が新鮮な風を吹き込み、社会の風通しを良くする一方で、自らは洒落っ気やケレン味を持ち続けることが、恋愛消費社会を軽やかに生きる秘訣であると言えるだろう。社会における物々交換の価値を認識しながらも、自分自身のスタイルを持つことが重要であり、そこには内省と思想的な効力が不可欠である。

4. 権威への挑戦

性交渉や恋愛を介した人間関係は泥沼化しやすく、金銭が絡むと更に複雑になるため、俯瞰的な自己認識と、粋な別れ方が求められるのだ。恋愛関係が終わる時、感情的になりがちだが、自分を見失わず、洗練された振る舞いができれば、人間関係を清潔に保つことができる。
また、一見強固に映る社会の権威に対抗するには、根本的な人間臭さがとても重要である。社会の圧力や期待に流されることなく、自分の感情や価値観に忠実であることが、自己の独自性を保つ上で欠かせない。

つまり、社会の権威に挑むためには、混沌とした人間関係や金銭の絡み合いの中での俯瞰的自己認識と洗練された対処が、根本的な人間臭さを通じて重要であるということだ。自分自身の根底にある人間性を理解し、それに基づいて行動することで、社会の複雑な権威や関係性にも臆することなく立ち向かえるのである。

5. 直感と環境保全

技術的進歩と経済的発展を求める中で、ただ単に数値の上昇に目を奪われるだけではなく、土と作物の健康を守りつつ、お金を賢く循環させる知恵が、自然の恵みを最大限に活かす鍵である。技術が進んでも、自然との調和を見失ってはならない。持続可能な農業や循環型経済が、将来世代にも恵みを残す。さらに、無駄をそぎ落としつつ、勘やひらめきといった一見不合理とも思える要素を取り入れた経済哲学が、豊かな未来への道を照らす光となるだろう。直感的な洞察も重視し、バランスの取れた経済成長を目指すことが、人間らしい豊かな暮らしには不可欠だからである。

つまり、技術と経済の発展を追求する過程において、直感にも耳を傾ける経済哲学と、自然と共存する知恵が結びつき、それが豊かな未来を築く鍵となる。進歩と発展を追い求めるだけでなく、その根底には人間と自然の共生があり、そこから新たな価値が生まれるのだ。

6. 持続可能な知恵

社会に生きる私たちは、余計なものを削ぎ落とし、本当に大切なものだけを見極めて生きることが肝要である。物質的な豊かさを追求するばかりでなく、精神的な充実や内面の平穏を大切にすることが、結局はより良い生き方を提供する。

光のごとく摩擦を避け、世代間の知恵と結びつきを尊重することで、バランスある社会を築き持続可能な未来へ進むべきである。争いを避け、お互いの経験や知恵を尊重し合うことで、さまざまな世代が共生しやすい社会が築かれる。持続可能な未来とは、単に環境問題だけでなく、人々の関係性の在り方にも目を向ける必要があるのだ。

糞掃衣

そして、光のような柔軟性と世代の知恵の融合が持続可能な社会を築く鍵だと考えると、着古しのリメイク服はギスギスした浮世の汚泥を避けて生きるための光学迷彩とも言える。

このように、新しいものを常に求めるのではなく、古いものに新しい価値を見出し、再活用することで、物質的な消費を減らし、心の豊かさを育むことができる。それは、社会や環境に優しいだけでなく、自身の生活を豊かにする知恵でもあるのだ。

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