2020/1/31

二子玉川の本屋博に遊びに行って、同行者の友人はわたしが手にとる本をみてたびたびフームと唸った。いま沢木耕太郎の『深夜特急』を読み進めていて、旅行にさほど興味はないのに旅行記を。あと伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』の影響で、ごはんにさほど興味はないのに食に関するエッセイ。そしていくつかタイトルに聞き覚えのある洋書を物色した。友人はガーデニングの本なんかをパラパラとみていた気がする。本屋のひとたちが気さく。

寒空。駅からすこし離れ、ようやく空席をみつけた珈琲屋でその子はカフェ・オ・レ、わたしは洋梨のジュース。「読書」はたしかに共通の趣味なのだけど、共通して読んでいるのは三浦しをんぐらいのものだった。お気に入りの作家の名を教えてもらいながら、お返しにできるのは太宰や坂口安吾の話ばかりで申し訳ない。わたしは文字どおり中2のときに不良だったから彼らの作品に出会ったしいまでも読めるわけで、あなたも好きだと思う、とおすすめしてくれた作品たちと等価交換ではない気がした。

おもえば趣味と性格、ましてや相性が相関するのって経験則としてあるけれど、根拠はなんだろう?あるいは文体も思想もぜんぜん違う本たちを好むことって、共通項っていえる?認知特性のタイプが近くて意志の疎通がしやすいということなのか。趣味がピッタリと合うひとに出会ったら、むしろ仲良くなれない可能性だってある。ドッペルゲンガーに3回遭遇すると死ぬっていうし。

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