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オモムロニ#5 「やりたいこと」の正体のひとつ

「やりたいこと」っていうのは、シンプルなようで、でも、つかみどころのないお化けみたいなものだと思う。

自分が本当にやりたいことって何だろうって、考えて悩んだことは誰しもあるんじゃないだろうか。
これは下手をすると長い旅路になってしまう。
真剣になればなるほど、道は険しくなり、つきつめて納得したゴールに行き着いた人なんているのだろうかと思ってしまう。
やりたいこと探しは、自己啓発でひとつの市場を作っているんじゃないのか。
以前に僕もその市場形成に貢献したこともあった(笑)

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かつて、僕が最初に就職した会社は、ITベンダーであった。
その時はITバブルなんて言葉もあって、実態は別として、少し華やかな香りやお金の匂いが漂っていた。
そんなこともあって、僕は「やりたいこと」として、その業種を選び、ずいぶん勝手な妄想で将来のキャリアプランを描いたりしてした。

仕事は大変そうだけど、自分ならなんとかなるだろうという根拠のない自信をもって入社したのだが、配属先は僕が「やりたいこと」とは全くちがう新規チャレンジ事業の部署だった。

結局、そこに3年いた後に、自分が行きたかった部署に異動になったのだけれど、実際に行ってみると、そこは「やりたいこと」どころか、僕にとっては地獄のようで、すぐに「いきたくないところ」になってしまった。

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今、うちには3歳と1歳の娘がいるのだけれど、家族が寝付いているほどに遅い帰りになってしまったときは、子供二人が気持ちよく遊んだ現場と、妻の奮闘の痕跡が満載の部屋になっていることもある。

それを、「今日も元気よく遊んだのね」と快く受けって、家のことができなかった罪悪感も手伝って、「よし!5分片付けしよう」とキッチンタイマーを入れて片付ける時がある。

だいたい僕ももう寝たいと思っている時間なので、短期勝負だ。
できるだけ効果の大きいものから片付けていき、できるところまで進めようと頑張る。

やばい!あと1分だ!
あとはこれさえ片付ければ!
と思っているところで、だいたいタイマーは鳴る。

この時の僕の感情は、「くそー!もう少しで片付くのに!あと1分やりたい!」といった感じで、この感覚は割とホンモノな気がする。

内側から来ているような感じがして、あなどれない感覚なのだ。

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つまりは、「やりたいことは、やっていることからしか出てこないんじゃないか?」ということなのだと思う。
これをやっているから、次これをやりたい!は素直な感覚だし、そこに嘘やごまかしはない。
もっといいのは、そこに理屈がいらなくて、頭で考える必要がないことだ。

だから、ちょっとでもやりたいことがあったら、難しく考える前に、まずは5分でいいからやってみるのが楽しくなる秘訣だ。
それで面白かったら、また5分。それで楽しかったら、翌日も。
雪だるまが転がして大きくしていくように、やりたいことも少しずつ育てていくのはわくわくする。

考えるよりも、探すよりも、ほんのちょっとやってみること。

自分の中に発生した、やってみたいと感じたこと、少しでも気になったことを日々丁寧にひろってあげる。こんなこと意味ないとか、自分の歳でこんなこととか、そんなつまならいことは忘れてみる。

そんな感じで、たくさんのたくさんのちょっぴりをやってみて、楽しいと感じたことだけを、もうちょっぴりやってみる。

そんな繰り返しが、お化けみたいな「やりたいこと」の正体を実態にしていくひとつの方法なんじゃないかと思う。

それに思ったよりも、意外と早く雪だるまは大きくなるものです。


読んでくださり、ありがとうございます。今日も楽しく過ごしましょう。
それでもやっぱり、やりたいこと探しは素敵だと思います。

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