見出し画像

weekly arekore... ①

1週間の出来事あれこれとか、留学先での課題との奮闘痕跡を書き残そうと思い、ウィークリーレポートを始めよう。毎日ちょっとずつ記録していって週末に投稿する作戦。今学期とっている各スタジオ授業の説明はまた今度まとめる!

semester2 # week4

風邪を拗らせたのか、文字通り全くの声を失った状態で日曜、月曜と過ごしたweek4の幕開けだった。学期が始まった1月15日から割とエンジン全開で課題に取り組み、徹夜など度々重ねていたからか、免疫がへばってしまっている。篭りがちな制作課題だけど、せっかく留学に来ているので友人との時間も大切にしたく、週末のうち1日は遊ぶぜ!のマインドでいる。どっちも大事なものなら、無理してでも全部抱きしめたほうがいい。選択と集中なんて言葉、わたしはいらないサ、といつも破綻ギリギリを攻めちゃう。とはいえ、わ〜〜〜風邪により体力が削がれていて課題に手が回らなくなっているよ〜〜〜、そろそろ賢く安定性ある生活できるようになりたいところ。(一生言ってる)


Monday Studio: Furniture Design


奇跡が起きて、今週の課題の締切は延期された。家具をみにフィールドトリップ(?)へ行くことになったからだ。体調でへばってたのでだいぶ救われた。Grafunkt とXtraというデザイナーズ家具のリテーラー in Singaporeに足を運び、椅子のデザイン史をさらっと舐めたときに知った100年前〜現代に至るまでの名作たちの実物をいくつか見つけて座ってきた。

Xtra


片手で数えられるほどのブランドとしか組んでいないGrafunktのストアには、日本ブランドが2つあって驚いた。maruniから、深澤直人さんのヒロシマチェアがいろんなバージョンで立ち並んでいた。これがヒロシマチェアですと認識して触れたのは今回が初めてで、シンガポールで日本のもの見て学んで感動しているのウケるねとクラスメイトに茶化される。背もたれの木の厚みと丸みを一つとっても、なんとも言えない愛着が湧くカタチがそこにあって、不思議だった。重力に素直なカタチとでも説明できようか、上の方は薄く軽やかなつくりになっているが下になぞっていくと、ふっくらと重みのある木の重厚感が感じられる。なんとも言えない愛らしくぷっくりした木の椅子に、とたんに故郷に戻ってきたかと錯覚させられるぐらいの安心感を覚えた。木材のフィニッシングのなめらかさや肌触りなどを、触れてなぞって比べていると、日本のものづくりってやっぱり繊細だなと思った。

hiroshima chair

次の課題は、ほぼ何もない空間に主に椅子を配置することで、その空間に機能や意味をつくりだすというものだ。家具単体ではなく、空間、そして人の行動までをデザイン対象として捉える練習です



Thursday Studio: Materials


“What makes brick a brick?” という3週間課題のファイナル共有会が木曜日にある。火水の進捗と実際に行った発表について記録しておく。

煉瓦の再解釈と素材の探究をテーマとする本課題でわたしは、ユルい煉瓦をつくろうとしている。和紙とかガーゼとか、柔らかくてうすくて半透明なマテリアルを使ってみたかった。建材として、空間を明確に強固に隔てるもの、自然環境から生環境をきりとるもの、という従来の煉瓦像の反対をゆき、空間を曖昧に仕切るものをデザインしたい。マテリアルの半透明性に加えて、構造としてどのように抜け感をつくるか、1モジュールの形は何がいいかなどを実験した。

1モジュールが集合体になってやっと煉瓦として成り立つので、純粋に数を量産する必要があってとても時間がかかった。プロトタイプとはいえ汚すぎるものはプレゼンできないので、3DPしたジョイントで均一なキューブをつくるなどの細かい試行錯誤が多かった。

ファイナル共有時点でのまとめ要点はこんな感じ。

https://miro.com/app/board/uXjVN4K9Opo=/?share_link_id=287770796821
みんなの作品

とにかく手動かして実験的に素材や構造を試そう!というスタジオなので、もうすこし攻めた方向性の開拓や汚くてもいいから実験的に勢いつけてやることに時間使えたらよかったなと振り返って思う。完成度を見苦しくないところまで持っていこうとする収束的な頭で50%ぐらいの時間を過ごしてしまった。いい感じに見えるけど、面白くないな〜自分。と他の生徒の、ダーティープロトタイプながらもラディカルなアイデアをみて、悔しく思った。アウトプットに美しさがないのなら無の方がましだ!と結構極端な思想でいつも制作しちゃうので、細部に凝るけど瞬発力が不足がちな気がする。ダサいのつくっちゃうぐらいならしんだほうがマシだぜーーという根底にある過激思想を、OFFにもできるようにしないと…

面白かったクラスメイトの紙束れんがの作品を見て、紙への偏愛的な何かを自分の中に感じた。この作品は、溜まってた封筒のゴミを半分に追って製本して本の形を1モジュールとしてつくり、それらを互い違いに噛ませることでジョイントになり繋がっていくというアイデア。soft -> hard -> softと、素材の性質を変幻自在に変えられる紙の束って面白い。面(2D)の積層が固(3D)を構成しているから、十分な摩擦によって噛ませている紙の束はしっかり結束される。ジョイントなしのジョイン方法だった。どうでもいいけど個人的に紙の匂いとか味がめっちゃ好きだし、面白さも見えたので今後もっと掘り下げて扱ってみたいマテリアルだなと思った。


Woodcraft


Cherry とBeechの木材オーダーに手こずりすぎてる。いっそローカルの東南アジアの木たちに変えてみようか。
これから木の板を削ってつくる箱とスツールについて、どんなデザインにするかの検討を行った。デザインよりも木を加工する技術を学ぶ授業なので、ベースのデザインは配られる。それを改変する形でつくりすすめていく。

スケッチを持って講師に相談に行くと、マイターや噛み合わせについての設計など、もっと細かく考えなきゃいけなかったことに気づいた。平らな木をちょっと加工して組み合わせてものをつくるわけだから、細部の加工や組み立て後の設計をミスると、一気に完成度が下がる。木工芸をもっと観察して、表現方法と背後の技術のストックを蓄えねば、いい設計できないな。

まずは自分が使う木をゲットしにいかないと… 頑張ります

読み進めてるor読んだ本:
Droog Designの動向と思想を追いたくて図書館にあった2冊を借りてきて読み進めている。英語が難しくって大変だあ、となっている。



日々のあれこれ:
「下手さは千差万別」っていうPodcastで聴いたフレーズが結構どっしりと心に残った。英語を学んでいる人が、上達の過程を記録して、全然流暢に話せない下手さ具合の不可逆性みたいなものを愛でているというお話だった。「上達することは型をなぞる、人と同じことをできるようになること、下手であるのはそこにしかいない自分に出会うこと。そこには、固有なものが宿っている」というようなことを言っていて、すごい腑に落ちた。

https://open.spotify.com/episode/3vkMa4yni8yXPLWlKFfuaf?si=480faeaf58aa43c0

毎日友人と英語で会話してる今の留学生活をふりかえっても、自分のbroken englishは嬉しい弱さかもしれないと捉えしてみる。英語が第一言語の人からしたら、わたしの英語は圧倒的に下手さにまみれているし、「こいつ何言ってんの?」みたいな冷たい視線を浴びせられることも相手によってはある。けれど本当に想いを伝えたい友人らは、未完成なそのわたしでも好いて一緒にいてくれているわけだし、特に同じく英語という言語を開拓途中の留学生との会話は非常にユニークで面白い。鍋を一緒につくっていた時、沸騰した鍋に投下した牛肉が浮いている様子を、the beef swimming なんて表したりしていて吹き出した。限られた手持ち語彙をどう組み合わせて表現をするかという、制限の中に生まれる創造性みたいなものが日々フレッシュで挑戦的でいいなって。

新年快乐

チャイニーズニューイヤーな週末だった。餃子食べすぎてパンパンな週末。中国人ルームメイトの実家で紅白みたいな番組見たり、ひたすら食べたり、書道したり… 今年の書き初めは、「浪漫をそえて -wandering around- 」にした。

心から素敵な人間たちだと思える留学生友人らで、誕生日だった人を祝ったり新年を祝ったり… 二日連続で朝日が見える頃まで過ごした。ギターウクレレで歌うのきもちい。無理して起きていたので治りかけだった風邪がまたぶり返してきて、馬鹿野郎だなあと思う。

濃すぎる1週間でした。次の週もワークハードプレイハードで進んでいこう〜〜


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?