おたんじょうび

今日はわたしの誕生日。

無事に、21歳になりました。正直なところ、わたしが21年も生きてきたことに自分のことながらとても驚く。そんなに生きられた事実が信じられない。

これまで生きてきた中での思い出せるだけの記憶を思い起こしてみたら、わたしそれなりに生きてきたなぁと思った。
何も出来ていないって常々思うけれど、それでもやっぱり、生きていたなぁとは思う。

わたしは、幸せの中で、息をして、どくどくしながら、月を見てきた。

愛されて、愛されて、たくさん愛されて、生きてきた。いっぱい甘えて、生きてきた。一人で頑張ってみようと、足掻いてあがいて、生きてみた。これでいい、これがいい、これでいい、試行錯誤して、生きてみた。苦しい、悲しい、寂しい、大丈夫、自分を守って、生き耐えた。すき、好き、愛おしい、人を愛して、生きていた。

色々な感情を知って、色々な感情を見て、色々な感情を愛でて、色々な感情を背負って、色々な感情を恨んで、色々な感情を紡いで、色々な感情を殺して、色々な感情を集めて、色々な感情に涙を流した。

自分を塞いで、自分の心を広げて、いつでも自分の心にいるわたしを、どんなものからも守ってきた。

二十歳までに、色々なことが起こった。わたしの人生、そこでもう終わっていてもおかしくないぐらい、さまざまなことを経験した。だから、わたしの中では一つの人生が終わったような気持ちになっていた。だから、21歳を迎えて、すごく変な気持ちになってしまう。まだ続くということに、不思議を抱かずにはいられない。

生きれば生きるほど、愛情が深い人間になった。
生きれば生きるほど、孤独を愛するようになった。
生きれば生きるほど、別れの重みに慣れていった。
生きれば生きるほど、思いを扱うことが下手になった。
生きれば生きるほど、涙の味を気に留めなくなった。
生きれば生きるほど、自分の世界に自分を閉じ込めるようになっていった。

ぐるぐる、と、想いを巡らせては、想いの向かう先が見えなくて、分からなくて、見失って、わたしは立ち止まって、動けなくなって、この繰り返しがすごく増えてきた。

わたしの中では明るい声がして、夢が飛び交って、もしそれを全て形にすることができたなら、どんなに華やかでアグレッシブで美しい世界になるのかと、たまに思ったりする。

想像して、想像して、膨らんで、プチッと割れて、消えていく。消えてもまた、声がして、飛び交って、繰り返す。わたしは想いを繰り返す才能があるみたい。その効果音は、ズキッて音です。

21歳、誕生日に明るいことを言わなければならないわけではないと思うけれど、わたしの名前には「明」が入っているから、明るいことも言ってみます。

そいでは、わたくしは21歳のうちに、夢で描く空と星と月の空間で、必ず写真におさめて、文章を残し、おめかしして、「これがいい」と言葉にすることを誓います。

そして、愛してやまないかわいいまま、マリア様のように、温かくて優しくて美しくて眩しいまま、わたしを産んでくれてありがとう。わたしは、21歳になりました。ままの娘であることが、わたしの人生において、一番の誇りです。ままと出会えたこと、ままと地球で生きられたこと、ままの娘でいられたこと、この全てをわたしのお守りとして、何とかもう少し生きていきます。

21歳、お誕生日おめでとう、生き下手な自分へ

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