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#5 かがみの孤城

第一印象は「チープなファンタジー」
でも、辻村深月がそれで終わるわけがない

不登校の主人公がある日鏡の中に引き込まれる
そこには7人の男女と“オオカミさま”
鍵を見つけて部屋を開ければなんでも願いが叶う
しかし、ここでの記憶は消えてしまう


辻村深月を読み尽くした人間なら
途中で違和感を覚えるだろう
彼女のトリックを分かった気になる
しかし、そんな想像はあっさり越えられる
読了後残るのは「辻村深月を読んだ」という満足感だった

“オオカミさま”はきっと、
彼らのことをよく知っていて、
全く知らなかったのだろう、と思う
“オオカミさま”の正体が分かるとき
暖かいものを感じずにはいられなくなる
「善処する」のあと結局どうなったのか
明確には分からない
でもきっと、そんなことはどうでもいい


ただ、確かにあの「時」があって
それぞれがどこかで出会えていたらと願う





















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