SNSで人生は圧縮される

SNS大好きな僕ですが、最近あることをぼんやり考えています。それはSNSを利用してると人生が圧縮されるということです。

みんな無意識のうちに発信してる

SNSは基本的にみなさんあまり考えずにつぶやいたり書き込みますよね。腹減った〜 とか 眠い とか 授業だるい とか。これって考えずにつぶやくので、無意識の情報なんですよね。SNSができる前ってブログとかで文章書いてたんですけど、ブログって30分とか場合によっては数時間かけて書いたりするので、いろんな情報を考えながら書くんですよね。これって完全に意識して書いてるってことです。

でも、SNS時代ではみんな基本的に考えずに発信するんですね。ほとんどの人は思いついたことを5秒ぐらいでツイートする。なので色んな人たちの無意識がSNSにドバーッと溢れてるのが現在ですね。

 

年配の方とか、憧れの人の無意識に触れること

 

 SNSが面白いのは、若い人たちだけではなく年配の人とか、憧れの人たちの無意識もたくさん溢れていることだと思うのです。それって、今までの若者たちがあんまり触れることなかった情報なんですね。例えば、家のじいちゃんがぼんやり考えてることに触れるなんてあんまりないし、有名人のつぶやきを常時追いかけることなんて今までありえなかったわけです。特に有名人の発言は、ある程度編集され、メディアを通じて出てくるものでしたし。だけれども、今まで触れることのなかった人生の先輩たちのぼんやりとした考えまで溢れている時代なんですね。

 

人生の攻略本と化したSNS

加えて感じるのは、twitterでもFacebookでもいろんな人たちのいろんな格言がブワーっと氾濫していることが、より人生を圧縮するのかなぁということです。SNSは壮大な攻略本とでもいうべきでしょうか。Suchmos的に言えば名言ばっか聞き飽きたよって感じですね。

 人生の先取り

心理学の話でジャネーの法則というのがあります。

ジャネーの法則(ジャネーのほうそく)は、19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書[1]において紹介された[2]法則。主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象を心理学的に説明した。簡単に言えば生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)。例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになる。

ジャネーの法則 - Wikipedia

20歳で人生の半分が過ぎる!みたいな話ですね。

よくある理由として、小さい頃は何を見ても新鮮に感じるけど、歳をとるにつれて新鮮味がなくなり人生がマンネリ化するからビューンと人生が過ぎていく、みたいなやつです。 

 で、この法則にさっきまでの話、格言とかライフハックとかって人生における新鮮味を削っていると思うんですね。ここ進研ゼミでやった問題だ!的な、答え合わせに終始するというか。自分の人生をなんとなく先取りしちゃうイメージでしょうか。先取りすると答えがわかっているのだから、当然未来に対して新鮮味は薄れる。そしたら当然人生は短く感じるという感じです。

未来が予想できるから、期待しない

人生が短くなるかどうかとはちょっと外れますが…。

若者の8割以上が生活に満足

現在の若者って不幸なイメージがある中、調査では8割が現状の生活に満足しているというデータがあります。なんだか実態とイメージがねじれていて、おかしいと思える現象ですよね。

 

古市憲寿さんの「絶望の国の幸福な若者たち」という本の中でこのねじれを説明している一節があります。

 将来の可能性が残されている人や、これからの人生に「希望」がある人にとって、「今は不幸だ」と言っても自分を全否定したことにはならないからだ。逆に言えば、もはや自分がこれ以上は幸せになると思えない時、人は「今の生活が幸せだ」と答えるしかない。つまり。人はもはや将来に希望を描けない時に「今は幸せだ」「今の生活が満足だ」と回答するというのだ。

絶望の国の幸福な若者たち p133 古市憲寿

 今日よりも明日はよくならないと思う時、人は今が幸せと答える。ひるがえって繋げてみると、これからの人生で起こることがなんとなく見えている時代では、人生は圧縮されて感じられるのではないかなぁとも思います。

 (カメラで例えるなら、望遠レンズで撮影した時の圧縮効果、が人生にも起こり得るという感じでしょうか。)

 

 

どんどん圧縮して、好きなことをする時代

人生における最適解みたいなものがSNS上に年齢関係なくアップロードされみんなそれらを自分の中にインストールする時代というか、最適解を前提とし、人生を圧縮しきった上で何をやるかが問われる時代なんだなぁと思わされます。 

受動的な、歳を重ねるごとにやってくる新鮮味だけを受け取る人の人生はどんどん圧縮され、能動的に、自分から新鮮味を求め、発掘していく人の人生はどんどん密なものになっていくなのかもですね。

 

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