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five realities 〜統合〜 (17) 最終回

パートナーシップとは… グリコのキャラメル

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    • five realities 〜統合〜 (16)

      恥ずかしいの 女神の言葉が蘇る それでも書かなくてはならないのだろう 本は全く読まない 映画も全く観ない 恐怖映画や残虐なシーンは 絶対に見ることが出来ない 感情に共鳴してしまうから ひとりになってから アメーバブログを書くようになり 店をオープンしてからは インスタグラムを書いてきた 学校もまともに行ってない 私が持ちうるスキルは これだけ 頼りは古(いにしえ)の記憶 ゆっくり進めていく 書きたくない時には 何日もほったらかしになっしまう それでも どの

      • five realities 〜統合〜 (15)

        女神の集いで 挨拶もそぞろに引き上げてきた私は 次の休日に もう一度カフェに出向いた オーナーの女神は タロットカードを操る 彼女が差し出すカードをきり めくっていく もう一度シャッフルしたカードを 彼女がきり めくっていく 私と同じカードが出る 彼女も回路を繋ぐことができる カードが示す言葉を読み取り 私に目を向ける 彼女の目の色が変わり 私を見つめているにも関わらず 遠くを見つめる様な瞳をする  内省 そしておもむろに  恥ずかしいの 彼女が発した言葉

        • five realities 〜統合〜 (14)

          人は出会うべくして出会う 意味のない出会いはなく 最高のタイミングで出会う 必然の法則 誰も知る人がいないこの地で お店を始め ご来店くださるお客様やご近所さん 日常生活での出会いや交流 出会ってくれた人が 繋げてくれる出会い どんどん拡がっていく世界 自宅から車で片道四十分の場所にある カフェでの集いに参加した そこには二人の女神が待っていた 多種の占い カウンセリング 回路を繋いでのヒーリング 急に別の要件が入り 三十分しか滞在できない それでもここに

        five realities 〜統合〜 (17) 最終回

          five realities 〜統合〜 (13)

          母との共同生活 全く寄り付かなくなった弟妹 コロナ禍で自由に移動も出来ないけれど 休日には周辺をドライブして回る 一年中花が咲き誇り 海に山 自然の幸を堪能し 綺麗をたくさん見る 昔を思い返しては 忘れかけていた思い出を 呼び覚まし 母と娘 互いに癒しを与えあい浄化していく この地には この地の時間があって この地の年齢があるのよ 笑いながら教えてくれたお客様 ゆっくりと流れる時間 実年齢より5歳も若い申告 ここでは 少しでも遅れると お詫びのアナウン

          five realities 〜統合〜 (13)

          five realities 〜統合〜 (12)

          深夜までのハードワーク 元々お酒が大好きで 部屋に戻り晩酌をすることが唯一の やすらぎだった 飲まない日は 車を走らす 深夜に三時間四時間と平気で走る 高速で走る車 背景が後部に過ぎていく 瞑想時間 こんなに近くにいるのに 会えない彼 まだ努力が足りないの 私は間違っていたの 慕情と背徳 壊れていく そんな中での覚醒 綺麗に着飾った花魁 逞しい男に抱かれ 歓喜の声を上げる女 一コマずつリアルに蘇る フラッシュバック 輪廻転生 前世からの因縁に出会

          five realities 〜統合〜 (12)

          five realities 〜統合〜 (11)

          この地は有数の別荘地で 観光をなりわいにしている 緊急事態宣言 第二波 観光客の収益が望めない今 地元のお客様で賑わっていた 店は好評だった 連日満席で深夜まで仕込みに追われていた 元々装飾に興味がなく なにも無い方が清掃も楽 飲食店としては 最低限の装飾しかない 殺風景だと お客様が油絵を持ち込んだ 海に漂う二艘の船 背景にはワールドセンタービル 2001年に崩壊した ツインタワーが描かれていた 絵画を飾りしばらくすると オープン当初から ご来店いただいてい

          five realities 〜統合〜 (11)

          five realities 〜統合〜 (10)

          予定より三ヶ月遅れで オープンの目途がたち お店が完成していく そんななか 下請け会社の浦社長から好意を示された 一回り以上も年上だが 奥様を亡くし 子供たちも独立して なんの障害もない相手 法外な工事代金の要求 依頼していたのとは違うと伝えるが 大丈夫 予備費という項目もある見積書 工事完了後には 全く説明のないまま 見積書の金額が請求された 内訳を出してください どんな手段を使ってでも 私を手に入れようとする浦社長に 内訳が出せる訳がない 二ヶ月の時間が過

          five realities 〜統合〜 (10)

          five realities 〜統合〜 (9)

          雨の日の散策以来 少しだけだが心に余裕が出来た それでも頭と身体はクタクタで 変に力が入った肩はカチカチになっている 教習所から合宿所まで3キロ 送迎バスから見える整体院の看板 予約時間に向かう 古いマンションの一室 スリッパを履き 畳張りの治療室に通された 三方が障子 大きな窓からは心地よい風が吹き込んでいる 大きな水晶があちらこちらに置かれ アジアンテイストの雑貨が置かれている 治療師は気功で治療をする ベッドにうつ伏せになり タオルを掛けられた ブツブツと

          five realities 〜統合〜 (9)

          five realities 〜統合〜 (8)

          2020年  全世界を新型コロナウイルスが襲う テレビも新聞も見ない そんな私でも世の中が混沌とした時を 迎えていることはわかった ただ人より不安や恐怖からは遠い所で 生きていたように感じる 全てがクローズした世界 私がやるべき事も滞り 再会する目途が立たない もう地元に留まる必要はなくなった 予定より一年早いけど 彼の住む町に行こう 初めて出逢ってから 三年の月日が経っていた その間 一度も会う事はなかった ただ何時でも心に彼がいる 何をしていても彼を感じる

          five realities 〜統合〜 (8)

          five realities 〜統合〜 (7)

          孤独と寄り添えるようになったら 可笑しくなくても 笑うことを心掛けた 私ってこんなにコロコロ 声を上げて笑うんだ そう気づいた時には 見るもの 感じるもの 全てが楽しくなっていた 誰にも染まらない 誰も関与させない いつからだろう 黒色の服を好んで着ていた 下着までが黒 黒以外は似合わない そう思い込んでいた 白 ピンク 黄色 グリーン クローゼットの中が 色とりどりに華やいでいく 我慢をやめ 犠牲をやめた 望むこと 欲しているものを 与えられる限り 与える

          five realities 〜統合〜 (7)

          five realities 〜統合〜 (6)

          夫には告げず霊媒師の元へ行った    私のこれからはどうなりますか その時の私には この言葉しか出てこなかった 彼女は目を逸らしたまま  これからは必要がなくなった  ご縁は切れるでしょう  あなたの思うままの人生になります きっと 彼女の言葉を聞かなくても 心は決まっていた 何を言われようが 私の意思は決まっていた ただ背中を押してくれる 何かが欲しかった 数か月のち家族が揃う場で 家を出ると宣言をした あと二年  この地でやるべき事を片づけ 彼がいる町で暮

          five realities 〜統合〜 (6)

          five realities 〜統合〜 (5)

          休日 孫を連れ白亜の家で過ごし 帰路に向かう途中で立ち寄った ドラックストアの駐車場 その頃 自分の変化を如実に感じていた私は このままでは全てを無くすと 無意識化で感じていた 彼から閉じよう そんな私に聞こえてきた  綺麗だ 誰にも聞こえていない 彼の声が私の心に響く 夫が運転する助手席で眺める風景が 新緑からアスファルトと コンクリートの建物に変わっていく 帰路の二時間半 火照る身体と 経験したことがない子宮の疼き 怖くてしょうがなかった 動き出した 運

          five realities 〜統合〜 (5)

          five realities 〜統合〜 (4)

          その頃 心と身体に変調をきたしていた 気持ちが高ぶり急に涙を流したり 時間に追われているのに 短い時間でも横になり眠るようになっていた 眠っている間は全身が脈立ち  目覚めた時には心臓が壊れてしまう程の 動悸を感じていた 家族には生きてきた過程で起きる 女性特有の症状だと片づけられ 誰にも分ってもらえないと苛立つ 何時も 何かを探していた 何かを求めていた 根拠のない魂の欲求 最初は何も感じなかった ただ 瞳がとても綺麗な人だと思った 町が秋の装いをみせる時期に

          five realities 〜統合〜 (4)

          five realities 〜統合〜 (3)

          2017年秋 来春には結婚30周年を迎える 若くして結婚した私たちは 結婚式も新婚旅行もせず 夫婦として過ごしてきた これを機にセカンドハウスの購入を提案した 最初は渋っていた夫も 子供や孫と過ごせる場所ということで 承諾した 物件探し 久しぶりに 夫婦で過ごす楽しい時間 候補地は子供の頃から 家族や親せきと旅行に行き 結婚してからも家族と毎年訪れていた地 そして 緑の中に立つ白亜の家に出会った あっという間に話は進んでいく その頃の私達は 大きな物事に挑む時には

          five realities 〜統合〜 (3)

          five realities 〜統合〜 (2)

          夫も順調に回復し 程なくして起業 仕事も順調に進み 都内に家を手に入れた 子供達を満たせるだけの 夫婦も満たされるだけの 生活が送れるようになっていった 家族が増えれば負担も増える 私たち家族のこと 夫の家族のこと 実家のこと もともと人に頼る事が苦手で 他者の手を煩わすくらいなら 私がやってしまおう 無理だと思うことも やってみれば何とかなる そういう生き方を学んだ 結婚生活で随分と男性性を培っていった 色々なコミュニティーで 必要とされるようになっていく そ

          five realities 〜統合〜 (2)