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「何を食べるか」より「どう食べるか」〜vol.3〜

みなさん、こんにちは!薬剤師のmeiです。

前回の記事では、

咀嚼を疎かにすると消化に負担がかかり、本来小腸で吸収されるはずの栄養素が吸収されずに体外に排泄されてしまう。

というお話をしました。

今回は、小腸で吸収されなかった食べ物の大腸に対する影響についてお話していきます!

大腸の働き

まずは大腸の働きについてみてみましょう。

胃や小腸の消化酵素で分解された食べ物は、小腸から栄養素として吸収されます。
そして、小腸で吸収されなかったもの(以後残渣と呼びます)は大腸へと運ばれます。

大腸には腸内細菌が存在し、それらによって残渣はさらに分解されます。

そして徐々に残渣から水分が吸収され、便となって直腸へと運ばれ、肛門から体外へ排出されます。

では、咀嚼を疎かにすると大腸にどのような影響が出るのでしょうか。

咀嚼の大腸に対する影響

大腸では、小腸で消化・吸収されなかったものが残渣として運ばれます。

もし、咀嚼を疎かにして未消化の残渣が大腸に運ばれるとどうなるでしょうか。

残渣は本来、大腸に存在する腸内細菌(善玉菌)によって分解され、乳酸や酢酸といった体にとって有益な物質を産生します。
しかし、未消化物は分解に時間がかかり、大腸内に長く滞留します。
これによって未消化物は腸管内で腐敗し、それが腸内細菌の中で悪玉菌のエサとなり、悪玉菌が増殖します。
すると、増殖した悪玉菌が体にとって有害な物質を産生するようになるのです。

例えば、お肉。

お肉は50回以上しっかり咀嚼したとしても、消化に約12〜24時間ほどかかるといわれています。

腸管内に滞留する時間が長ければ長いほどお肉は腐敗し、それをエサとして増殖した悪玉菌によってガスや有害物質が産生されます。

また、お肉の脂肪は人間の体温では固まってしまうため、腸管壁に固体となった脂肪がこびりつき、残渣の運搬を妨げてしまうのです。

これらによって腸管内にはガスが充満し、腐敗した残渣や運搬を妨げられた便が蓄積します。
腸管内で発生した有害物質は、血液に乗って全身に運ばれます

その結果、腹部膨満感や便秘、冷え、倦怠感、イライラ、肌荒れなどの全身の不調に繋がるのです。

お肉を例に挙げましたが、お米や野菜であっても咀嚼を疎かにすることで未消化のまま大腸に到達する可能性が高くなります。

そしてそれらをエサに悪玉菌が増殖し、先ほど挙げたような不調に繋がるのです。

いつでもどこでも食べ物が手に入る弊害

咀嚼を疎かにすることで、腸の中での食べ物や便の滞留時間が長くなります。

それに追い討ちをかけるように、私たちは好きな時間に好きな物を食べ続け、腸の中はギュウギュウの満員電車状態に。

そんな環境で人が仕事をするとストレスを感じるように、腸も中が窮屈すぎて仕事にならないのです。

腸はうまく働くことができず、それによってさらに食べ物や便が腸に滞留し続ける‥これでは不調が重くなる一方ですよね。

どれだけ体にいいものを食べたとしても、便として出すべきものをしっかりと出せていなければ、体にとっては負担にしかならないのです。

咀嚼で自分の身体を労る

これまで数回にわたって、咀嚼についてお話してきました。

身体のことを想い、食べ物にこだわる人はたくさんいらっしゃると思います。

でも、その中で食べ方にこだわる人はどのくらいいるでしょうか。

食べ方、特に咀嚼の身体に対する影響は、みなさんが想像する以上のものだと思います。

たかが咀嚼、されど咀嚼。

食べ物にこだわっているのに、胃腸をブラック運営させていては本末転倒です。

自分の見えないところで、胃腸は毎日働いてくれています。

それを少しでもホワイト運営にさせてあげることで、自分自身が今悩んでいる不調が軽減されるかもしれません。

自分の身体の声を聞く、傾聴ならぬ傾腸してあげることが、自分を労ることに繋がるかもしれません。

まずは次の食事で咀嚼を意識してみる。

そして、食事をしたあとの身体の状態を観察してみる。

それだけで、
いつもよりも体が楽に感じる。
いつも食べている量を食べ切れなかった。
食後の眠気がいつもより軽かった。

そんな風に体の変化に気付くことができるかもしれません。

それが、不調を改善するための第一歩です!

食事は生きるために不可欠。
だから、毎日食べるという行為を繰り返しています。

だからこそ、食べ方を疎かにしない。

騙されたと思って、家族みんなで楽しく咀嚼してみましょう!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました𓂃𓈒𓏸


mei 𓅪

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