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インフルエンザってなあに?

みなさん、こんにちは!
薬剤師のめいベジです🌿

みなさんのまわりで、インフルエンザは流行っていませんか🤒?

もし、インフルエンザにかかったら。

そんなときのために、インフルエンザについてまとめました!

この記事のまとめ

まずは今回の記事のまとめから。

✔︎インフルエンザは全身症状が急激に起こり、それに引き続いて呼吸器症状が起こるのが特徴
✔︎インフルエンザ治療薬はインフルエンザを治す薬ではない
✔︎インフルエンザの本当の治療薬は自分の免疫力

では、詳しくみていきましょう!

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。
インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3つのタイプがあり、A型とB型がヒトに感染して症状を引き起こします。

インフルエンザは、まず初めに38℃以上の発熱や全身倦怠感、関節痛などの全身症状が急速に先行して起こります。
その後、咳や鼻水といった呼吸器症状が現れるのが特徴です。

インフルエンザ治療薬について

インフルエンザ治療薬の種類

インフルエンザの治療には、主に抗ウイルス薬が使用されます。

インフルエンザに使用される主な抗ウイルス薬は以下の4種類。

✔︎タミフル®︎(カプセル、ドライシロップ剤)
✔︎リレンザ®︎(吸入剤)
✔︎イナビル®︎(吸入剤)
✔︎ラピアクタ®︎(点滴)

どのお薬も効果やそのメカニズムは同じですが、お薬の剤形や使用法が異なります。

みなさんが目にしたことのあるお薬といえば、リレンザ®︎やイナビル®︎といった吸入剤でしょうか。

薬局に行くとその場で吸入することになりますよね。
(薬剤師が吸入剤をセットしてその場で患者さんに吸入していただくので、インフルエンザの患者数が多いと、あれ結構大変なんです。笑)

あとは熱や咳、鼻水といった症状に対して、解熱剤や咳止めなどを処方してもらう感じだと思います。

お薬を飲めばすぐに治る?

お薬を飲んだからといって、インフルエンザがすぐに治るわけではありません。

インフルエンザ治療に使用される抗ウイルス薬は、感染症状の緩和や罹病期間の短縮に寄与できるものの、即効性があるわけではありません。

インフルエンザ治療薬はあくまで感染拡大を防ぐものなのです。

お薬の作用メカニズム

インフルエンザ治療薬の作用メカニズムは、簡単に言うとインフルエンザウイルスがこれ以上体内で増えないようにすること。

詳しく説明すると、
①インフルエンザウイルスはヒトに感染すると、ヒトの細胞に入り込む
②インフルエンザウイルスはヒトの細胞内で自身の遺伝子やタンパク質を増産する
③増殖したウイルスがヒトの細胞から放出し、他の細胞への感染が広がる

インフルエンザウイルスはひとりで増えるということができないので、ヒトの細胞機能を利用して増えていくのです。

そして、インフルエンザ治療薬はインフルエンザウイルスがヒトの細胞から放出するのを抑える作用をもちます。

つまり、ヒトに感染したあとウイルスは増殖してしまうけれど、そのあと感染細胞から他の細胞へとウイルスが広がるのを抑制するのです。

感染した細胞の行方

では、インフルエンザウイルスに感染してしまった細胞はどうなるのでしょうか。

感染した細胞は、その細胞自身が「私はウイルスに感染しました!」と手を挙げます。
すると、それを見つけた免疫細胞が感染細胞を破壊し、体から感染細胞を排除します。

また、ヒトの体内に放出されたインフルエンザウイルスは免疫細胞によって直に攻撃を受け、体から排除されます。

このように免疫細胞が活性化することで体内で炎症反応が起こり、発熱や筋肉痛、咳といったインフルエンザの症状が出てくるのです。

つまり、これらの症状が出るのは体内で免疫細胞がウイルスと戦っているからなのです。

インフルエンザ治療薬を使用するタイミング

インフルエンザ治療薬は症状が出てから48時間以内に投与することとされていますが、これはインフルエンザウイルスの増殖ピークが症状が出てから48時間以内に起こるためなのです。

つまり、48時間以降に薬を使ったとしても、インフルエンザウイルスの増殖ピークは過ぎているため、48時間以内に投与した場合と比較して薬の効果は落ちてしまうのです。

インフルエンザ治療薬=インフルエンザを治すものではない

インフルエンザ治療薬はあくまで感染拡大を防ぐものであり、インフルエンザそのものを治す薬ではありません。

インフルエンザ治療薬の作用メカニズムは、増殖したウイルスの感染細胞からの放出抑制。

つまり、インフルエンザウイルスそのものをやっつけるものではないのです。

では、インフルエンザウイルスをやっつけるのは誰なのか?

それは、ヒトの体に存在する免疫細胞なのです。

インフルエンザを治すのは自分自身

結局、インフルエンザを治すことができるのはお薬でもなく自分の体なのです。

もちろん、お薬でインフルエンザウイルスの放出を抑えることでウイルスに感染する細胞の数が減り、インフルエンザの症状が軽く済んだり治癒までの期間が短くなることはあると思います。

ですが、薬を使っても使わなくても最終的にウイルスをやっつけるのは自分の体なのです。

だからこそ、日頃から免疫を整えておくことが大切になるのです。

インフルエンザにかかったら

もし今インフルエンザにかかってしまったら。

症状が軽度な場合であってもとにかく休みましょう

体を休めることで体を治すことにエネルギーが費やされ、治りも早くなるでしょう。

食事をとるなら消化のよいものを。
うどんよりもお粥の方がいいですね。
お粥ってすぐに飲み込みたくなりますが、その気持ちをぐっと堪えて、とにかく50回は咀嚼して食べるようにしましょう。

熱が高い場合はこまめに水分補給をして。
それ以外はとにかく寝ましょう

熱や咳などの症状に対して、解熱剤や咳止めを使いたいと思う方もいるかもしれません。

ですが、それらの症状は体の免疫細胞がウイルスと戦ってくれている証拠です。

体温が37.5℃だと体が菌やウイルスに強い状態、38℃だと免疫力が高まり白血球が病気と戦ってくれる状態だと言われています。

平熱が36℃を下回っている方だと、38℃の発熱でも頭がふらふらして早く解熱剤を使いたいと思うかもしれません。

本当に辛い状態でも解熱剤を使うなとは言いませんが、安易に熱を下げると体がウイルスと戦える環境でなくなり、ウイルスを排除しきれず症状が長引く可能性が考えられます。

もちろん解熱剤を使えば熱は下がるし、咳止めを使えば咳は治ります。
ただ、これを治ったと捉えるのは間違いだということを知っておいてほしいと思います。

それを知った上で、ご自身やお子さんの様子をみながら、お薬に頼るときは頼って、上手にお薬と付き合っていけるといいなと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


めいベジ🍀

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