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修士卒業後の進路について

いきなり、とてつもなく難しい質問が来てしまいました(笑)。とはいえ、早速ご質問いただきありがとうございます。

この方はおそらく、私のプロフィールを読んでくださったのだと思います。

まずはじめに謝罪させていただきたいのですが、こちらのnoteに書いたように、私は修士課程を卒業後、“一旦は就職する” という選択をとることにしました。本当に紛らわしくて、申し訳ございません(泣)。

この前提を踏まえたうえで質問に回答すると、私が博士課程に進みたいと思ったきっかけは、大学の先生になりたいと思ったからです。理由はいろいろありますが、それはまた別のnoteに書こうと思います。なので仮に博士に進学する場合、その後の人生設計は「研究者になる」ということになります。

しかしご存じの方も多いと思いますが、大学院重点化が行われ、大学進学率が高まり、なおかつ少子化が進む今の時代に、文系で大学のポストをとることは非常に厳しく茨の道であり、何百人に一人という倍率だと聞きます。この厳しさについては、私もよく存じ上げています。

なぜなら、それはそれはもうめちゃくちゃ調べたからです。「どれだけなりたいと切望しても、大学の先生にだけはなれないかもしれない」という事実に悩みすぎて、ぶっちゃけ知恵袋やQuoraで質問したこともあります(笑)。

研究者として大学に残ることの厳しさを著した著書として有名なのは、水月昭道さんの本で、シリーズで何冊か出版されています。私も自分の本気度を測るために、こちらの『高学歴ワーキングプア』を一度読んでみました(笑)。

また、博士号取得者の就職難易度を如実に説明するものに、「博士が100人いる村」というのがあります。

博士は今年16000人くらい産まれました。
100人のうち、68人は就職します。ただし、14人は任期付き(1年以上)の非正規雇用職員(ポスドクなど)です。
100人のうち、5人は1年未満の雇用・短時間勤務の研究員など一時的な仕事をします。
100人のうち、19人は進学も就職もしていません(無給の研究員など)。
100人のうち、8人は分かりませんでした(国内外大学院進学、臨床研修医、不詳・死亡)

このように、実際のデータに基づいた博士号取得者の就職難易度が、創作童話として表現されており、非常にインパクトがあります。そして上記は文理の全分野を合わせた数字ですが、特に分野別(下図)でみると、人文系や社会科学系の正規職の割合の低さには絶望します…。

つまり、文系で博士課程に進学する =人生を棒に振る or 人生を賭ける選択である、といっても過言ではないでしょう。
たとえ博士号を取得できたとしても、研究者としてのポストには就けず、非正規雇用としてしか就職できず、結局フリーターになってしまいました、という未来は全然あり得ます。いやむしろその方が、大いにあり得るのです。

以上を踏まえて、これだけのリスクを取っても、果たして私は博士に進みたいのか。
「進学したい」という気持ちと「卒業した後どうなるかわからない」という不安の中で葛藤し、本当に考えても考えても出ない結論が、「文系で博士課程に進むのかどうか」という問題なのです。

ここできっと考えるべきは、学力として「進めるかどうか」ではありません。本当に進みたかったら、進めるように努力するのみです。
ここで考えるべきは、心理的に「進みたいかどうか」、そして可能性ではなく、経済的に「進めるかどうか」の二点だと私は思います。

つまり、“学力と経済力がある人”こそ、「博士課程に進む」という選択に適した人だといえます。

まず心理的には、私はやはり博士課程に進んでみたいです。大学院に入学するまでは、そして今現在ももしかすると研究の「け」の字もわかっていない私ですが、実際大学院での研究は楽しいし、もっとやってみたいという気持ちはきっと強いです。

しかし学力と経済力に関しては、正直私はない方だと思います。博士に進学するには、どちらもきっと十分でないレベルです。
先に書いたように、学力については努力するのみです。極論、本当にやりたいことのためなら、どんな努力も苦にならないはずと思います。しかし経済力については、やはり社会で働きつつ、お金を貯める時間が必要です。

そこで私は散々迷った挙句、“一旦は就職する” という選択をしました(これもまた変わる可能性があり、あくまで今現在の結論ですが)。


多くの人は口を揃えて、「人生は計画的に」といいます。20代のうちに結婚しようとか、新卒カードは大事にしようとか、老後のために2000万必要だとか、社会通念上の“おきて”って、いくつか存在するように思います。

しかしそうやって横並びに足を進めることが、必ずしも正しいのでしょうか?
「たしかに多くの人はそういうけれど、じゃあ私の考えはどうなの?」と、必ず“How I think” を問うことが、きっと何より大切だと私は思います。

もしかすると博士を卒業した後、たとえフリーターになったとしても、「博士課程に進学する」というやりたいことを達成できたなら、私はそれで納得できるかもしれません。
あるいは逆に、博士にストレートでは進学せず就職の道を選んだとして、その先で研究することより惹かれる仕事に出会える可能性だって大いにあります。

つまり、「人生は計画的に」といいますが、「計画的にいかないのが人生」ともいえるのではないでしょうか。ということをここに書く、そんな私の弱みは「計画性がないこと」です(笑)(マイナビの自己分析結果に基づく)。

だけど計画性のない私が私らしく、計画性のない選択をしながら七転び八起きする人生もまた、きっと良い人生なのではないでしょうか。

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