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飲み会から自炊へ

はじめに


カナダに引っ越した。

バンクーバーという西の端の街にいて、いわゆる「カナダっぽい」寒さではないのでマイナス20度とかにはならない。でも冬は一生雨が降ってるのと、あと日本よりは寒い。体感東京より3-5度低いくらい。でも北海道よりはあったかいね。

さて、飲み会で1万文字書いてしまうほど飲み会フリークであった私だが、最近は自炊をしている。シンプルに外食が高いのと、外食しても$10-20くらいじゃあまりうまいもんに巡り会えないという外部要因が大きい。

高いことは予想してたが、あんまし$10-20の価格帯で美味しいものに巡り会えてない。物価を加味しても、日本ならすき家吉野家てんや俺塩サイゼ等で巡り会える胃袋を満たしてくれるものがない。レビューの高めのピザやとかケバブ屋も行ってみたが、あんまりパっとしない。もちろんまだ何十店舗もいってるわけではないので、わからないが、どうやら「ローカル体験」を口実にしてもあんまりコスパがよくなさそうである。なので自炊をしている。

日本を出る前の2ヶ月は月30回飲み会していた。そこから月30回のペースで自炊なので、飲み会から自炊へ、自分の中では「狩りから稲作へ」みたいな、縄文人もびっくりなパラダイムシフトである(大げさ)。

稲作(イメージ)

料理の暗黙知がつらい


学生時代に一人暮らしを始め、初めて関西で暮らすことになったのでまずたこ焼き器を買って、タコパはびっくりするくらいした(海外にも広めたいジャパニーズカルチャーである)。あと鍋パもめっちゃした。それ以外はだいたいすき家の三種のチーズ牛丼を食っていた。

社会人になってからも、ほぼ外食だった。料理というものに初めて向き合うきっかけになったのは、私の人生を変えた家電と言っても過言ではないホットクックとの出会い、そしてコロナである。

料理をほぼやってきてない人間からすると、料理の暗黙知がとてもつらい。

料理がうまいというラベルが付く人でなくとも、実家で、または一人暮らしでそれなりにやってきた人には暗黙知があると思う。基本的に料理はある程度汎用的な器具を揃えて、レシピに従えば70点以上のものはできると思っている。IKEAの家具組み立てと一緒で、基本ガイダンスに従えばアウトプットは出るはずだ。

そこで立ちはだかるのが暗黙知である。「(塩コショウ)少々」「きつね色」「(分量外)」みたいなものが出てくると、レシピをぶん投げる(比喩)。少々は1gなのか2.5gなのかはっきりしてほしいし、きつね色はもう少し客観的に評価が可能な表現または大量の画像を添付してほしい。分量外、に関しては普通にレシピの中に記載してほしい(なぜ新たなセグメントを作る?)。つくれぽに喜ぶのもいいが、そこの校正にもちゃんとリソースを使ってほしい。

その救世主が、ホットクックだった。ホットクックは炊飯器のおかず版みたいなもので指定された分量の材料を投入し、一定時間待てば期待された料理が生成(?)される。めっちゃうまいものができるかはさておき、70点以上のものが生成される。ここがポイントである。

たまにやる気を出して料理をしたとき(子供がやってみる、みたいなのに近いと思う)、上記で述べた暗黙知の他に、その後の継続性を阻むのは再現性の低さである。不慣れなので、うまくいくこともあれば、なんか分量や火加減が微妙でなんとも言えない感じになることもある。もちろん親・家族・友人は「う、うまいよ」と言うと思うのだが、微妙なことは自分が一番わかる。その気遣いも含めてつらくなる。なので継続性が下がる。

コロナという外圧の中ホットクックという相棒を得たことで、料理(といえるのがわからないが)というか、食べ物を生成するスキルは得た。次なる課題は食材利用の最適化だった。

(私は1.6Lを使ってます)

質より量、バンバンつくる


相方は日々勉学に追われているので、昼(弁当)と夜x平日5日を担当している。

なるべく安く良い食材を調達し、そして調達してきたものをあまりだめにしたり余らせることなく利用し、そして70点以上の料理を生成していくことは簡単ではない。世の中の人ほんとすげェって思っている。

前章で書いたように、食材を揃えて70点のものは作れる。最近はホットクックだけでなくフライパンも使うようになってきた。稲作の中で、トラクターなくても鍬でいけるぜ!という全能感を感じている。

問題は、点では70点のものを作れるけどそれが線として繋がらないということである。事実、以前コロナの時に調理していた際(平均して2-3日に1回とか?)は、その瞬間は見たレシピに沿ったものを買って料理できるが、必ず何かしら食材が余って、捨ててしまうということが起きていたように思う(スマン)。今は、平日は5日、かつ昼と夜なので線続きでやらざるを得ない状況にある。物価も高いし、そして幸いスーパーは近いが毎日いくのも面倒なので、3日分くらいは献立考えてまとめて買い物にいくようにしている。

まだはじめて数週間なので、なんとなく思いついて食べたいと思ったものをリストアップして、そこから余りそうなものを元にググるなりChatGPTに突っ込んでアイデアもらうので、ネタはなんとかなっている。全然イメージと違うことも多々あるので70点も取れてないこともあるのだが、まずは質より量と割り切ってバンバン作るようにしている。


バンバンつくります

もっと最適化したい


特にあまり考えずにやっていても、慣れで得られるものはあると思う。仕入れ(買い物)はシンプルで、1回に2-3個のスーパーや八百屋を回ると、だいたいのものの相場とどこが安いということがわかってくる(普通に2-3x違ったりする)ので、その辺は最適化が進んでくる感じがある(それぞれの具材の質まではまだよくワカラン)。

また、料理の工程に関しても、回数を重ねていくと、この野菜は固くて切りにくいなとか、小さくすれば味が強すぎなくてなじむな、とかなんか肌感がついてくる感覚はある。この辺が上記で書いた暗黙知なんだなァという意味では、前進している感じがある。

ただ、今はこのサイクルが回っているが、またなんか忙しくなって時間が取れなくなってきたりするとすぐ失われそうなので、暗黙知とせずになるべく整理して参照できるようにしたらなァと思う。この辺はやりながら考えたい。

良い本あったら教えてください。

おわりに


とくになにか新発見をしたわけではなく、バンバン作り、食べ、そして軽く振り返るということをしている。物価が高いのは全然嬉しいことではないのだが、日本にいた時は、そもそも1人分作るの微妙だな、というのもあるし、てかオリジン弁当の390円の幕の内うまくない?という世界だったので、環境というか、外圧による個人の行動への影響はやはり大きいのだなと思う。

試行錯誤の一例 ↑理想 ↓現実 (悪魔感は勝ってるのでは?)

質より量、質より量、質より量。

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