Tortoise の『TNT』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は Tortoise の『TNT』を聴いてみた編をお届けします。

ジャジーな生演奏と冷たい打ち込みが密やかに共存し、ミニマルな繰り返しに誘われる酩酊感。

言葉はいらない、独創性に富んだ究極のインストアルバム。

ぜひ読んでみて、聴いてみて下さい!

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1.TNT

ドラムがお洒落な準備運動。…いや!準備運動にしてはシンバルやスネアの音がお洒落すぎる。ギターが静かに現れて、不思議な音たち(ホーンやシークエンサーらしい)その後に次いでガッチリとしたベース、様々な音が混ざり合い展開してく。こういう仲間が増えていくスタイル…高まる!!!身体中を蠢きながら音たちが駆け巡る。何か楽しくてワクワクするようなことが始まる予感しかしない。

2.Swung from the Gutters

音楽は鳴り止まない(繋がって始まって興奮している人)!!怪しげだけど暖かだ…。0:43〜好き、熱帯雨林。1:04〜ドッキリでした〜みたいな「ジャーン」音が度々突然鳴ってびっくりする。楽しい。弦の音が気持ち良い。3:10〜ベースの低音がめっちゃ格好いい、音の生命力が凄い。セクシーだなぁ。

3.Ten-Day Interval

都市伝説の特集番組で流れていそうなシリアスでミステリアスなメロディ。木琴みたいなポコポコした音可愛いけど不思議なオーラ。ここに入るマラカスの勇気凄い。段々と荘厳な雰囲気になっていくけど、マラカスはマラカス。バグったゲームの世界へ突入。

4.I Set My Face to the Hillside

バグったゲームの世界から遊ぶ子供たちの声。平和。スペインの街にいつの間に来たっけ…?カウボーイとか出てきそうだし、フラメンコ踊り出しそうでもある。ラテン。スペインの街並みと子供部屋みたいな可愛らしさの共存。

5.The Equator

ものすごく微かに聞こえる子供の声が繋いで始まる。一音一音の体積がデカい感じがする。キメキメ。1:09〜爆音でかけて踊りたくなるビート。凄く原始的で野生的。細胞にビシビシ訴えかけてくる。弦の音が良い!!

6.A Simple Way to Go Faster Than Light That Does Not Work

良い繋ぎ…そしてタイトルがとても長い…!スケボーとかしそうなストリートファッションの少年たちが歩いている薄暗い夜道。繰り返される複雑だけどミニマルなビート。

7.The Suspension Bridge at Iguazú Falls

珍しく普通に始まった!ジャズみがある。柔らかな煌めきのある音たち、大人の余裕を感じで格好いい…バーでワイングラス揺らしてる。1:25〜突然深い深い海に沈む。リトルマーメイドの世界。海の仲間たちと泳いでる(当の内山はカナヅチ)。カランコロンな音が可愛らしい。

8.Four-Day Interval

一回音がなれば、脳内で長く反響する。何事もないように、かといって作業のように感じさせない慎重な繰り返し。ずっとブロックがコロコロ正確に転がっていくイメージ。究極のミニマリズム。「繰り返す」という好き勝手をやっていて、とにかく楽しそうなのが伝わる。

9.In Sarah, Mencken, Christ, and Beethoven There Where Women and Men

またまたタイトルが長い…!どの曲も根底に優雅さがあってとても心地よい。そこそこダンサブル。3:20〜時々ダイナミックな思い切ったことをするから気が抜けない!逆再生みたいな音面白い。4:44〜DJのスクラッチみたいな音で別世界に飛んだ…!広大な宇宙。

10.Almost Always Is Nearly Enough

広大な宇宙空間は伸ばされていく。久しぶりに聞こえる人の声のようなもの。これまでの曲に比べ攻撃力が高い!突然!Aphex TwinとかSquarepusherとか、電子音で殴ってくる系の人たちを思い出した。突如バッキバキなの面白い…緩急も凄い…どうやったらこんな音楽作れるの…?

11.Jetty

激しいターンは続く。電子音でさっきは大きめに振りかぶって殴られる感じだったけど、今回は高速ビンタみたいな感じ。2:19〜気持ち良い…!現実味のなさ。全てぼやぼやにしてくれる。最後までほどよい暴力が続く。どうやって音が噛み合っているのかわからない…変態(好き)!

12.Everglade

もう殴るのはやめたみたい。幻想的な音の揺れ… サイケデリック…!1:27〜めちゃくちゃ好きな音のなぞり方をしているギターとベース。ゆっくりと進んでいく。あっという間に終わってしまった…

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↑ジャケットにはドラムのジョン・ハーンドンの落書きが使用されている。

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Tortoise は、1990年に結成されたアメリカのポスト・ロックバンド。『TNT』で、「ポスト・ロック」という音楽も世界的に認知されるようになっていく。バンド名のTortoiseは、陸ガメを意味しているという。

●ポストロック:ロックの一種で、リズムや和音、音色、コード進行などに従来のロックには見られない特徴を持つ。アンビエント、ジャズ、エレクトロニカ、実験音楽など多様なジャンルの特色も持ちあわせている。


生と人工の音が溶け合って、ミニマルに繰り返してはいるけど変則的で読めなくて…リラックスもできるけどしっかり高まりもあって…!面白い化学反応の数々でした。

気持ちよく繋がり続けるアルバム構成、興奮しちゃうからほどほどにしてほしい(もっとやってください)…!

絶妙な統一感の無さもワクワクでした。

その当時革新的な新技術だった、ハードディスク・レコーディングで行われた本作は、電子機材による音楽制作方法への新たな道を拓き、衝撃を与えたとか…!

ポストロック、まだまだ尻尾が掴めないので深掘りしがいがあります…高まるぜ…

次回は Explosions in the Sky の『The Earth Is Not a Cold Dead Place』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに…!

最後まで読んでくださり、有難う御座いました。

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