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デッサンをするときに○○ってもいいんだ

 初めて受講したデッサン教室。最後に全員でそれぞれの作品を眺めながら今日の総括をする時間があった。その日のお題は『水を入れたプラスチックカップ』。描いている時から「もしや?」とは思っていたが、遠くから眺めると、やはり、私のコップはとても縦に伸びていた。「先生、これ、どうしたらよかったんですかねぇ?」。質問してみると、先生は一般的にコップは縦長になりやすい、とフォローしてくれた上で、とっても明快に答えてくれた。「一番わかりやすいのは、測ればいいんです、定規とかで」。ほんまやぁ〜。ものすごく薄くて透明な、でも、しっかりとした強度のある優秀な素材でできた鱗が目から落ちた。測ってもいいのである。いつからついた思い込みなのかわからない。けれど、デッサンするときは定規を持ち出してはいけないのかと思っていた。誰も気にしていない。測ればいいのである。そうか、手元に定規がないのであれば、片目を瞑って鉛筆をかざし、大体の比率を取るのだ。だからこそ、実際に見たことがあるのかさえ分からないけれど、あのぼんやりと頭の片隅にあるポーズになるのである。知らず知らず「〜でなければならない」と思っていることはまだまだありそうだ。

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