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読書感想文:塩野七生著『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷−塩野七生ルネサンス著作集3−』

 チェーザレ・ボルジア、『ルネサンスの女たち』の第2章ルクレツィア・ボルジアの兄にあたるこの人の肖像画を見たとき、あ、これはきっと塩野さんが惚れた人じゃないだろうか?と思ったのであった。これまで読んできて、惚れた人を書く塩野さんの文章が私はいつも大好きだった。そんなことで、今回も読みたい!と、であれば前巻である『ルネサンスの女たち−塩野七生ルネサンス著作集2–』も一緒にと借りてきたのだった。前作で取り上げられた4人のうち、3人が再登場する今回の作品は当時を整理していく上でも面白い内容だった。15世紀から16世紀にかけて日本でも室町から戦国そして天下統一へと時代が動き出していたときに、動機はどのようなものであったにせよ、行動としては同じように小国が群雄割拠していたイタリアの制覇を考えていた人物がいたんだなぁ。時代の大きな流れが星の動きと共にあったのかしらん、とふと考えてしまうほどであった。前作と同じように今回も末章にメイキングが収録されている。そこでの今作に至る経緯や文体に関しても1人にやけながら読んだ楽しい時間だった。

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