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難しかった題名付け

 アートクラスに通い始めて4ヶ月くらいが経った頃、結局その絵の完成までにはさらに2ヶ月を要したが、作製していた油絵に、ある程度色がのってき始めていた。先生から「題名はどうするのか」と言う話があり、きっと、何が最終的に表現したいのか、と言う問いかけだったように思う。これが難しかった。日が暮れていくセーヌ川沿いを歩いているときに撮影した写真を元に描いた風景画。写真を撮った理由はセーヌ川にかかる橋の橋脚が幾重にも重なって見えるのが面白かったことと、友人と帰路についていそうな人たちや川辺に座って話し合っている人々、ベビーカーを押しながら道に出るために坂を上がって行こうとしている人、紅葉しているプラタナスの木と共に写真を撮ろうとしている人々、一点に川面を見つめているカモメなどに惹かれて撮った。空が赤く染まり出して全体は紫色になり、色が刻々と変化しているとき、早く帰ろうかな、親しい友達ともう少し話していようかな、家に帰ったら何を食べようかな、どんな魚が泳いでいるかな、などいろんな思いが交錯しながらもゆっくりとした時間が流れているような風景。「暮れなずむってどうかな」と一瞬思ったがなんだか恥ずかしくて「”夕焼けのセーヌ川”でどうですかね」と先生に言ったら「”夕焼け”って感じじゃないんじゃない?”暮れなずむ”って感じなんじゃない?」と決定打が出た。一瞬思った”恥ずかしい”の感情に少しずつ慣れて行く2024年にしたい。

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