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いつもと違う餃子の皮と友人

 白菜の甘さに気づいた今回の餃子作りでは、いつもと違うことがあった。餃子の皮の大きさだ。いつもは大判を選ぶ。餃子がうまく焼けないのは、『星の王子様』を読み終えられたことがないのと同じくらい、私にとっては「どうしてもできないこと」のひとつだ。餃子がうまく焼けないので、一人暮らしの場合、焼く餃子の数は出来るだけ少なく、満足感が多いほが良い、という理由でいつも餃子の皮は大判だった。大判がなかったこともあり、私にとっては仕上がりが少し心配ないつもより小さめの餃子を作ることになった。しかし、焼き出してから何も心配はないことがわかった。友人は餃子焼きの名人だった。鉄板がどんな温度であっても、初めに敷く油の量が毎回違っても、水の分量が少し多かったか?と思っても、最後には完璧に仕上げた。そんな名人によって美味しく焼き上げられた餃子はいつもの大判とは違って小さいために一口で食べられた。一口で簡単に食べられる餃子は、いつもよりパクパクと箸が進んだ。新しい餃子の美味しさに気づいた時だった。

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