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◆松岡和子訳『コリオレイナス シェイクスピア全集』ちくま文庫

こんにちは。

内容に触れるのでネタバレを含みます。


シェイクスピア作品15作目。
『コリオレイナス』。

この何かわからないカタカナはきっと人名だ!
と思って読み始めましたが、第1場の終盤まで出て来ず、ハラハラしました。
どこか独特な楽しみ方を見つけた、シェイクスピア月間23日目です。

何度か書いていますが、長くローマ人の物語を読んできたので、執政官や護民官という言葉と再開できたことに少し嬉しさを覚えながら、こんなにもセリフばかりで(脚本なので当たり前なのですが)進んでいく、共和制ローマのドラマが新鮮でした。

主人公のコリオレイナスと母の関係に、「母の言葉の影響が大きいな」と思っていたら、解説の場面でもそのことに触れられており、それに対するコリオレイナスの評価の仕方にも人それぞれに違う想いが起こるのだなと思え、面白かったです。

物語のとしては、序盤と中盤は戦闘、戦場シーンがあり、ロマンスなのどの要素の少なさが印象的でした。

また、それぞれの心の移り変わり、特に市民の意見が情勢に合わせて180度変わる場面が何度か出てきますが、その自然さに、現実社会の風刺として趣深く感じ、大衆の意見の一部を作る自分の立場を省みるきっかけにもなるな、と思いました。



最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
良い午後をお過ごし下さい。

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