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シネ・ヌーヴォの歴史⑥

これまでの歩み

1997年のオープン以来、数回の改装工事を行いました。オープン直後に35ミリ映写機が不調となり新規購入、また1999年には地下水があふれ、その改修のため休館して工事、2005年には座席の全面リニューアル工事、あわせて女子トイレの洋式化を実施。また2006年には2階に「シネ・ヌーヴォX」をオープン。30席のミニスペースながら「未知なる映画との出会い」を旗印に、ジャンルにとらわれず、より多様な作品を上映してまいりました。

シネ・ヌーヴォX


また、映画をフィルムからデジタルへ移行させるとハリウッドが発表した2008年以来、世界中の映画館で激震が走りました。高額なデジタル映写機の導入がなければ新作は上映できないというのです。当館も融資などを活用し、2010年にデジタル映写機を購入。より観やすく、多様な映画を上映していくための改修でしたが、経常的な赤字体質の中、これらの費用は融資のほか、その都度、株券の増資を行い、どうにかまかなってくることができました。それまで、度重なる増資で資金を得て、その都度、生き延びてこられたのですが、しかし、株主の負担が増えるとともに増資も限界になってきました。
デジタル映写機導入から10年、映写機の耐用年数が過ぎ、部品の供給も終わり、さらに新しい映写機が必要となり、2022年秋にデジタル映写機買い替え工事を行ったところです。

手前がデジタル映写機、奥が35mmフィルム映写機


1997年のオープンからこの2023年で26周年を迎えました。山あれば谷ありと言うより、谷また谷の26年間でした。皆さまにご支持いただいている特集上映も、たくさんの作品を上映することから費用がかさみ利益は出ず、良くてトントン。経費削減のために作品を減らせば、という声もありますが、できるだけ1本でも多く上映したいという思いから、きわきわのところで作品の数々を選んでいます。またロードショー作品は赤字続きで、どうにか上映し続けてこられたのが実情です。

特集上映を多くした結果、映写技師残酷物語の実態があります。重いフィルムを狭い階段から運び上げ、一本一本フィルムを点検・編集し、映写・音響チェックなどの調整を行う毎日です。この映写技師の負担は非常に大きいのですが、経常的な赤字からスタッフを削減せざるをえず、少ないスタッフが支えてくれた26年間とも言えます。昨年の映写機工事の際には、同時に全自動映写システムを導入しました。フィルムの場合は変わらず映写技師の手が必要ですが、デジタル作品の場合、かなり負担が軽減され、少しでも映写環境が良くなるよう改善に取り組んでいます。


一方、これまでにシネ・ヌーヴォにお越しいただいたゲストの皆さまは数百人にのぼります。シネ・ヌーヴォのロビーの壁には、もう書き込むスペースがないほど、来館された映画関係者の署名があります。この26年で、すでに亡くなった映画人も多く、その署名の数々は、映画人から託された私たちへの貴重な財産でもあり、それらの人々との交流の上に今日があるのだと、映画館を存続させる意義を、いま改めて感じています。当館にお越しになった際は、ぜひサインの数々をご覧になってください。あの監督、あの俳優たちのサインを発見してみてください。
 
次回シネ・ヌーヴォの歴史⑥は「シネ・ヌーヴォ20周年プロジェクト」です。


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