見出し画像

「2021秋コラボ 陶芸家小川綾:出会い」

陶芸家の手を見たことはありますか。

幼い頃、母が私の手を見て、言った。

「まだ苦労を知らない手だね。」

そう言った母の手は、仕事や家事に明け暮れ、指の節が目立っていた。
でも、苦労というよりは安心のある手だった。

打ち合わせの日、彼女がろくろの上で回る土のかたまりに指を添えているのを見ながら、そんな昔のできごとを思い出していた。

彼女、陶芸家小川綾さんの指は、思ったよりもふっくらと豊かな雰囲気を携えていた。

思ったより…。
いや、彼女の指を想像したことはなかったように思う。

ただ、一般的に、作家や職人と言われる人たちの手や指は、もっと角ばっているのかと思っていただけだ。

彼女のことを知ったのは、2020年春。

緊急事態宣言が始まった頃だったから、彼女のことを知ったとて、彼女の作品のある場所を訪れることもできず、時は過ぎた。

https://ayaogawa.net

そして、秋になった頃。

私は、やっと、彼女の個展に足を運ぶことができた。

住宅地にある一軒家で行われた個展では、彼女の代名詞とも言える小さな花器とマグカップが並んでいた。

その片隅に小さな青い丸皿があった。

皿を手に取り、テーブルに置くと、すぐさま、食べ物を盛った情景が頭に浮かんできた。

しかも、食べ物が、まるで金貨のように光っているから驚いた。

皿に盛られた食べ物を引き立たせるしとやかさ。

釉薬のかかり具合も絶妙で、洗練されているけれど時を感じさせる。

まるで、新月から三日月を経て、満月へと変化する月のように…。

うっとりしてしまった私は、この皿に『月と金貨』と名付けて、大切に連れ帰り、食器棚にしまった。

そして、彼女は、作品を手にした人に感情を持たせ、残像を植えつける作品を作られる陶芸家なのだと思った。

>>「2021秋コラボ 陶芸家小川綾:コラボ珈琲カップに込めた思い」につづく。

+++++

この度、ご縁をいただき、陶芸家小川綾さんにオリジナル珈琲カップを作っていただくことになりました。

小川さんと打ち合わせを重ね、少しずつ、形となった珈琲カップ。

こちらでは、小川さんとの出会いから珈琲カップができあがるまでをお届けしたいと思います。

+++++

11月、陶芸家小川綾さんが主催されるグループ展の一角でポップアップショップ&ワークショップを開催いたします。
----------
グループ展 11.10(水)-11.16(火)代々木上原
Art&Craft Exhibition[Here,There and Everyday]
《うつわインテリア》北欧・ドイツ・日本
ここ、そこで ほがらかな日々を

会場 hako gallery 
東京都渋谷区西原3-1-4
入場無料
12:00-19:00(最終日 17:00閉場)
----------

珈琲豆の入った袋の口を開き、豆の香りをかぐ。

珈琲豆をミルで挽く感触を確かめる。

珈琲粉に湯を注ぎ、水分を蓄える様子を見る。

珈琲を口にして、味わう。

あっ、そういえば…。
ふと心に思い浮かんだ情景。

それを言葉にしてみませんか。

そして、言葉を繋ぎあわせて、あらわになった思いを名前にして、珈琲に名付けてみましょう。

ワークショップで飲む珈琲は名前のない珈琲。

あなたが名前をつけることで完成するあなただけの珈琲です。

https://coffeekururu.stores.jp/?category_id=60d5c3ad91260a0c181d1358

ワークショップでは、陶芸家小川綾さんが珈琲くるるのために作ってくださったコラボ珈琲カップで11月の名前のない珈琲をお召し上がりいただけます。 

名前のない珈琲とともにコラボ珈琲カップの使用感もお楽しみください。

※コラボ珈琲カップは、会期中同時開催いたしますポップアップショップにてお買い求めいただけます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?