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【読書記録】お金のむこうに人がいる//田内学


お金のむこうに人がいる//田内学


2023年やりたいことリストに、『月に1冊 本を読む』『その感想を書く』と掲げています。
今月は、元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門『お金のむこうに人がいる』を読了。

こんにちは。
23designworksの一ノ瀬ふみです。

こちらの1冊、実は、最初にページを開いたのはちょっと前なんですよね。。。物語ではないので引き込まれていく、とか、夢中になる、といった類のものではないので、少々の間、積ん読本状態になっていました。が、何事もわりと順序立ててやるタイプのわたしは、この本を横に置いておいて違う本を読み始めることができず、こちらが今月の1冊となりました。

経済について、なんて、わたしには難しそう。
けれど、まわりにいる経営者の方々とお話しをするとき、経済、というのはひとつのキーワード。知ったかぶりしてお話しを合わせていればやり過ごせるのかもしれませんが、自分なりの考えを持てないのはよくないな、と思っていました。
そんなときに、twitterでフォローさせていただいている編集者の方が紹介されたのが、この『お金のむこうに人がいる』、でした。(わたしの情報源だいたいtwitter説)

経済、なんて難しそう、と思っても、ゴールドマン・サックスは知ってるし、”元”ゴールドマン・サックスなんて言われたら興味持っちゃうし。
いつも通り、読みたいと思ったとき、すぐにAmazonでポチってしまいました。(書店での偶然の出会いも大好物なのですが)


一気に読み終えての感想。
とてもわかりやすく、とても勉強になりました。
そして、この春高校2年生になるムスメにも、ぜひ読んでほしいと思いました。

我が家は、弱小庶民でありシングルマザーであるわたしが(けっこう)がんばって働いて家計を支えています。5年間、薄給で必死に働き、国や都からのお手当や、年金生活になる前の母からは援助もあり、なんとか今までやってきました。

5年前に転職し、手取りのお給与は倍になりました。
そして、引かれるものが増え、お手当の対象ではなくなり、母は年金でつましく暮らすようになりました。
がんばって働いて給与がちょっと増えた結果、保険料や税金が上がり、お手当の対象でなくなり、わたしの生活は、結果的に以前と変わりがありません。がんばってもがんばってもしんどい。

まだまだわたしのがんばりが足りないんだな、とためいきをつくばかり。

でも、以前、タバコを咥えながらお酒の配達をするトラックの運転手さん、人生の大先輩に言われた、
「お前な、金がない金がないって思ってたらそういう顔になるぞ。」という言葉を思い出しては、表情がさもしくなってしまうのはいやだな、と思ってきました。

ムスメはまだ、高校生。
この先まだまだ、お金はかかります。
自分の将来…老後のことなんてどうでもいいけど、ムスメはそれなりに育てたい。
不安しかない。
そんな状況ですが、この本を読んで、わたしは「お金」に囚われていないか、自分を顧みることができました。


「誰が働いて、誰が幸せになるのか」というあたりまえのことを考えるだけで、経済はシンプルで直感的になる。
専門家たちが「経済のため」と言っていても、誰のためにもなっていないと感じたら、疑ったほうがいい。彼らの専門用語が理解不能でも、あなたの直感のほうがきっと正しい。経済は本来、易しい話だ。そして、優しい話であるはずなのだから。

【お金のむこうに人がいる】田内学著より抜粋


経済の本、といっても、難しい専門用語や意味のわからないカタカナ言葉はでてきません。
金融について、とてもわかりやすい例えで教えてくれました。

ものの価値(効用)と、価格は別物。
わたしたちは、ものの価値(効用)を測定することができないから、価格というモノサシでみている。
高いからいいものとは限らないし、高いから美味しいとも限らない。
ものの価値と価格はイコールではありません。

わたし自身、自分のデザインの仕事の対価をいただくために価格設定していますが、これからは考え方が少し変わりそうです。
【わたしがデザインに費やした時間】ではなく、【そのデザインによってクライアントさんにもたらされる効用】に価値がある、んですよね。
ここでの効用は、ベネフィット=クライアントさんが商品から得られる恩恵(プラスの効果)にあたるかな。自分の仕事に対しても背筋が伸びます。

世界のこと、国のこと、大きくひろい経済のことは、自分ごととして考えにくいことだけど、国も、世界も、わたしたちはその経済の一部。それを考えることと知ることは、とても学びになりました。
おすすめの一冊。



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