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提灯殺しのガード 高輪橋架道橋

「提灯殺しのガード」という通称があったことは後から知った。道路の制限高は1・5メートルで、屋根に掲げられたタクシーの表示灯「提灯」が天井にあたり、壊れたことが由来だそうな。
JR山手線新駅開設に伴う一帯の再開発によって通行止めになったみたい。その前に見納めとして訪れておこうと思いつつ、昨今のコロナ渦の影響で敵うことはなかった。残念。都営地下鉄泉岳寺駅に近い高輪橋架道橋

初めて遭遇したときの衝撃は今でも忘れない。
し、思い返すだけで興奮が蘇る。

このあたりは当時からいつも整備か開発のための工事っぽいことをしていて都心とは思えぬ謎なつくりをしているエリアだった。嫌いじゃないけどね。どんな風に変わっていくのかな〜と思いながら、手応えの予感めいたものを感じつつ歩を進めていたら出会ったんだった。
ここに。
なに、ここ、通っていいの?許可なく?普通の通路なの?業者向け?VIP専用?と興奮と困惑をよそに、普段の通勤路ですが、と淡々と歩いていく会社員風。生活の一部です、と自転車で駆け抜ける主婦さん風。
通っていいんだ。

暗い、見通し悪い、ちょっと不気味、そして低い。
本当に低い。
天井が。

そして何より

かっこいいいいいいいぞおおおおおおおおおおおお

圧倒的な廃墟感、渋い、ダンディ。そりゃそうだ。
だってあなたは明治のおかた。先祖は水路だったというじゃありませんか。

真っ暗だったけどいてもたってもいられない。
とりあえずシャッタースピードをギリギリまで落として
はい一枚。

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何度も行ったり来たり止まったり前後左右、陶酔しながら通り抜ける。(こういうマニアが結構いるらしく普段使いの利用者には特段珍しい光景でもないようで全く怪しまれるような空気はなし、だったと思いこんでいる)高輪地区と港南地区の自在の往来を堪能させていただきました。

ほんとに素敵。さすがに崩れ落ちるほどの気配はないけど危ういほどのなんともいえぬ存在感。一発であなたの虜になりました。

ああ、もう一度通りたかったですよ、あなたの中を。

完全に潰されたり、解体するようなことはないみたいだけどなんらかの変化を遂げるようですね。また絶対に会いにゆきますから。

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