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2018年6月の記事一覧
『ゴッドレス』優れた脚本家=優れた演出家とは限らない
by 輪津 直美
画家になるとか何とか言って、エンターテインメント業界からしばらく離れていたスティーブン・ソダーバーグが製作総指揮を務めるというので、このドラマに興味を持った。脚本監督は、「アウト・オブ・サイト」の脚本家スコット・フランクが務めるというので、間違いないだろうと思った。各批評サイトでの評価も高く、Rotten Tomatoesでも90%近い支持を得ているのなら、これはもう見るしか
『ハイ・ライフ』 みんなハイでご機嫌なら、世界は平和で居心地がよい
by キミシマフミタカ
南国の首都で暮らしていたときのこと。よく晴れた午後、ソファで寝転んでいると、よく友だちの友だちが、乾燥した葉っぱが詰まった靴箱を抱えて遊びにきた。ビールを飲みながら、葉っぱを回す。そんな日常、いま考えれば天国のような日々だった。
ラジオから流れる能天気な音楽が、キラキラした粒になって部屋の中を漂い、笑いがとまらなくなる。友だちとはテレパシーが通じたし(何語で会話していた
『ナルコス』シーズン1・2 度肝を抜くコロンビア麻薬王の生涯
by 輪津 直美
このドラマを1話で断念してはいけない。私は第1話を観てがっかりし、何か月も放置してしまったのを後悔している。
「ナルコス」は、コロンビアのコカイン密売組織「メデジン・カルテル」とそのトップ、パブロ・エスコバルを描いた実録ものである。
かつてコロンビアとは、極東の地にいる日本人にとっても「麻薬がはびこる怖い国」という認識があった。誘拐が横行し、左翼ゲリラが暗躍しているというイ
『アメリカン・ホラー・ストーリー 怪奇小屋』 ジェシカ・ラングの怪演を見よ!
by キミシマフミタカ
なにはともあれ、ジェシカ・ラングである。アメホラは、シーズンごとに設定を変え、同じレギュラー陣がまったく違うキャラクターを演じる。シーズン4は、「呪いの館」「精神病棟」「魔女団」に続く第4弾で、ジェシカ・ラングはフリーク・ショー(見世物小屋)の女主人を演じる。
戦前のドイツで活躍した歌手という設定だが、いまは落ちぶれ、過去の栄光を頼りに、フリークスたちをスカウトしては、
『イカロス』 フィクションみたいなドキュメンタリー
文責:輪津 直美
紋切型ではあるが、「事実は小説よりも奇なり」を地で行く話。
監督のブライアン・フォーゲルは、アマチュア自転車レースで自らのドーピングをどこまで隠せるか、という「スーパーサイズ・ミー」のような体験型ドキュメンタリーを作ろうとしていた。
最初は軽い気持ちで撮り始めただろう。このようなテーマ、20年くらい前だったら、日本のバラエティ番組で取り上げられてもおかしくなかったかもしれな