見出し画像

【双子妊娠記vol.1】全てはあの日から始まった


2年前の冬のある日。
私はソワソワしていた。

身体が変にほかほかして、
なんかだるい。ずっとだるい。
そしてびっくりするぐらい眠い。
何時間寝ても足りないぐらい眠い。

急に寒くなったから季節の変わり目で
風邪を引いてしまったのかもと思った。
だが、明らかにいつもと違う。
そして、この体調不良に心当たりがあった。
経験したことはないけれど、
間違いないと思った。自信があった。
おそらく、いや確実に、
私以外の存在が私の身体の中にいると。

検査薬を買ってトイレに駆けんだ。
すぐに見えた勝利の二本線。
夫に飛びついて喜んだ。
すぐに産婦人科をネット予約した。

「産むならここ」と決めていた産院があった。
高校生の頃、生理不順になったときに
お世話になってから通っていた産婦人科で
綺麗で広い個室で、ご飯がおいしくて、
おやつも美味しくて、マッサージもついてて、
ご飯が美味しくて、診察が丁寧で、
院長先生が優しくて、ご飯が美味しくて、
おやつも美味しくて、全部美味しくて、
とにかく絶対にここで産もうと決めていた。


そんなこんなで初診。

いた。小さな空間にちょこんと。
チカチカと光っていた。不思議な感覚がした。

優しい院長先生がニコニコしながら
よかったねと祝福してくれた。
「おめでとうございます。もしウチで産むなら
次回受診時に予約を取ってくださいね。」
このまま予約して帰りたかったけれど
無事に育つかわからなかったので
次回に持ち越しとなった。

帰り道、運転する夫の隣で
エコー写真を何度もみた。
モノクロに映る小さな白いかたまり、
嬉しくてニヤニヤが止まらなかった。
そして今まで感じたことがないぐらいの
愛おしさで胸がいっぱいだった。
私にとって人生第二章の幕開けの日は
この初診の日だったと思う。
新しい扉がパァンと開く音がした。



このときの私はまだ知らなかった。
自分のお腹に宿ったいのちが
ひとつではないということ、
そして妊娠前から思い描いていた
マタニティライフとは遠くかけ離れた
過酷な妊婦生活が待っているということを。


------------------------------------------------

スキをくださる方、サポートしてくださる方、
いつも本当にありがとうございます。
ゆるーいペースで書いていきますので
よろしくお願いします。

続きはこちらから↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?