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アジサイの咲く街

最近の私の日常のお供はレトルト実況であることはすでに書いた。
主に見ているのはサウンドノベル系。
今月に入ってからずっと「意味がわかると怖い話」を見ていたが、ようやく終わったので「プレイする怖い話」へ移行。
1と2を含めて動画が29本もあって、数日かけてようやくすべての動画を鑑賞することができた。

「プレイする怖い話」は名作の誉れ高く、レトルト氏も「一番怖かったのはどれか」という質問にこの作品の一篇を上げていた。
「意味が分かると怖い話」はネット掲示板が元ネタだけど、こちらはオリジナルストーリー。
文章力が秀逸で、豊富なボキャブラリー、詩的な表現には何度も感心させられた。
分岐も多くてボリュームたっぷり。
レトルト氏の美声による音読もあいまって、たいそう魅力的なコンテンツとなっている。
名作の名に恥じぬ素敵なシリーズでした。

2は1よりもキャッチーな作りで、狂言回しの「バーのマスターと客」に色濃く個性がついていた。

マスター ちょっと色っぽいお兄さん
客(岡部) トラウマをかかえた渋い刑事さん


なにそれ知らんかった!
それだけでも腐女子の私は顔がにやけるんですけど。
話の最初と最後に二人の掛け合いが入って、ここもめちゃくちゃ面白い。
言われてみれば前作も「バーのマスターが客に怖い話を聞かせる」という設定だったような気はするけど、都合上そのように作ってあるだけで、設定が効いてる感はない。
今回はそこに焦点を合わせて色を付けていて、それが大成功してる。
たとえば「はぐれ刑事純情派」「相棒」の最後に小料理屋の美人女将が出てきて主人公にお酌しながらほんのりと色っぽいことを言う、アレですよ。

シリーズでもっとも印象的だったのは「プレイする怖い話2」の「アジサイの咲く街」。
岡部が語る、少年時代の重大事件。

これに出て来るおまわりさんがとってもけなげなんだよね。。。
使命感にあふれた、善良な古き良き「おまわりさん」像に心打たれました。
このおまわりさんはお父さんも警官なのですが、他の話を読むとお父さんもひどい目にあっていることが判明。
彼らが報われるエピソードやハッピーエンドも読みたいなあ。
映画化できそうな鮮烈なストーリーで、すごく切なかった。
この話に出会えただけでも29本の動画を視聴したことは無駄ではなかった。大収穫でした。

そんでマスターは素敵です。
でもなんか訳ありな感じだよね。
過去にすんごい隠し玉を持ってそう(笑)。

「それでは最後に私の話も聞いてください」

とか言い出して、岡部のアイデンティティを揺らがすような闇の深い話を語り始めるんじゃないかとワクワクして待ってたけどありませんでした。
次作ではぜひ。
そんで岡部さんとうまくいくといいな!
首長くして待ってる。

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