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介護等体験での出会い

私は大学で教職課程をとっているのですが、大学2年生で介護等体験なるものを乗り越えないといけません。これは、特別支援学校で2日間、社会福祉施設で5日間の計7日間の体験になります。

私がここに記録したいのは社会福祉施設での5日間。私はデイサービスにお世話になりました。

そもそも体験に行くまで、経験者の先輩や噂で「介護等体験は精神的にキツい」という話を刷り込まれていました。特に社会福祉施設の方は人生で1番病んだっていう人もいるよ、とも。
今考えてみると誰からもその根拠を聞いたことはなかったのですが、未知の実習に怯えていた私はそれを鵜呑みにしていました。

だから正直のところ、行くのがとても憂鬱でした。朝早いし。しんどい1週間になるなあと覚悟していました。

そんな気持ちを抱えながら体験先に向かった私ですが、5日間が過ぎた頃には名残惜しくて仕方なくなっていました。それは全て体験先の大人の方々との出会いのおかげです。

施設長の方とは、毎日フィードバックの時間に自分の性格やまだ定まらない将来のことを一緒に悩んでくれました。
面と向かって自分の話をするのは遠慮してしまうのですが(だからnoteは向いている)、些細なこともきれいな文章じゃなくてもとにかく話してごらんとと言われて思わず懸命におしゃべりしていました。
拙くても言葉にしてみることで、私がどんな人間なのか気がつけることも多かったです。
いち実習生に向き合って、求められている以上に尽くしてくれたことへの感謝は絶えません。

職員の皆さんも、昼食の時には私の身の回りの話をたくさん聞いてくれたり、仕事が忙しそうな時でも笑顔でサポートしてくれて。
どこを見てもお母さんがいる気分で、肩の力が抜けたのを覚えています。

施設を利用する高齢者の方々も愛に溢れた人ばかりで本当に温かい空間でした。実務的なことは何も力になれていないのに、たくさん感謝をしてもらってしまい、身に余る思いでした。
自分と環境も時間も違う人生を歩んできた人の話はとても興味深かったです。そしてみんな口を揃えて、若いからこれからたくさん挑戦して頑張ってね、とおっしゃっていました。その言葉には強制や圧を感じなくて、ただまっすぐな応援と受け取りました。私の方が毎日労ってもらって、癒されていました。

パズルや色塗り、ミニゲームを楽しむ皆さん、本当にかわいかった…。実家のおじいちゃんを愛でる気持ちと同じでした。ハンカチをくれたり、私の名前忘れないでね、と言ってくださる方もいて、自分が歳を重ねたらこんな愛おしい人でいよう、と決意しました。

初日、緊張からの解放で上履きのまま帰宅

私はこれまで関わってきた大人で両親以外にあまり尊敬できる人がいませんでした。先生やバイト先の社員さんなど、大人は私にとって理不尽でズルい存在でした。当然こんな大人になってやるものか、むしろ大人になんかなってやらないぞ、と意地を張っていました。

ですがデイサービスでの実習を経て、童心を忘れないのといつまでも子供でいるのは違うんだなと痛感しました。
私がなりたいのは、あそこにいた人たちのように遊び心があって相手を気遣える懐の深い人。そう気付かされました。

定型文のようなお礼状の中で、ちゃんとこの感謝が伝えられたか不安です。人生で大事な意味を持つ5日間でした。
これからもお世話になった実習先のすべての人々が幸せで愛されて暮らしていけることを、心から祈っています。

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