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ADHDの夫との日々

私の夫はADHDだ

はじめは

・時間を守れない
・締切を守れない
・予定の変更ができない
・要領が悪い
・脱いだら脱ぎっぱなし、点けたら点けっぱなし
・あとでやる→やらない(嫌なこと先延ばし)
・忘れ物が多すぎる
・物をあまりにも無くす
・家事ができない(特に片付け)

こういった特徴を
ただだらしない人だと思っていた

家事に関しては
付き合ってすぐの頃、一緒に住むまでは
" 家事育児は当然なるべく手伝いたい! "
と言っていたのだけど
いざ一緒に住んでみると思ってたのと違う

私も社会人になり全部の家事をする余裕はなくなり
もっと家事やってよ!と言えば
掃除、洗濯(畳むの)、片付けは出来ない!
と言われる始末

料理は私しか作らないし、あと何の家事が残るんだ?
唯一できる洗い物はなるべくしてくれてるけど
得意の「あとでやる」で
次の日になってもやってないことも多々

本人は
" 自分はADHDだ "
というけれど
そんなわけない、それは甘えだとは思いながら
でも本人が医師なもんだからそこを否定はできず

一緒に生活するうえではどうしても気になる
そういう部分で不満が溜まりに溜まった頃

仕事で余裕がなくて家が荒れ果てており
夫にも家事をお願いした
「◯◯と、◯◯と、◯◯やっといて!」
とお願いしてしばらくしたころ
夫の姿が見えない
あれ?と探してみると
部屋の隅っこで頭を抱えてうずくまり震えていた

え!?どうしたの!?と聞くと
" 何からどうしたらいいのか分からなくなった "
と消えそうに小さい声で言った

今までも
旅行の計画をはじめ2人の何かを決める時
もう無理...決められんから決めて....
と言われたり
いくつかのことを一気に話し合おうとすると
またその話今度にしよ...と中断されたり

その度に " なんだそれ興味ないのか? " と思ってたけど
震えてる姿を見て
あぁ、本当だったんだな
とやっと理解した

そんな夫と一緒に住み始めて6年半
家では漫画かゲームばかりの夫を見て
" 私も仕事してるのに、なんで私ばっかり "
" 私は母親じゃない " と
バランスの悪さに苛立ちもしたし
私だけが尽くしていて
私のことは何も考えてくれてないんじゃないか
大切にされてないんじゃないかと
孤独感に苦しむ時期も長かった

夫は昔から体調に波があった
ずーーーっと仕事に打ち込んで帰りは日付をこえ
休日も出かけようと夫から言う時期もあれば
仕事にも遅刻しがちになり
休日は何も食べないしトイレ以外ベッドから出ない
発言も死にたいなどが増える

そういう躁と鬱の時期を定期的に繰り返す
鬱の時期には私も参ってしまうこともあった

1回診察受けてみようと言っても受け入れてもらえず
ずっとこれが続くのか...と私も苦しかった

このせいという訳ではないけれど
先に本当に壊れたのは私の方で
でもそれを期に
夫もこのままではだめだと考えを改め
夫も受診して改善しようとしてくれた
診断はもちろんADHDだった

人間誰でも
良いところと悪いところがある

もうこの人とは一緒に居られないと思ったことも
何度もあるけれど
夫の好きなところと直してほしいところ
書き出してみて思ったのは
好きなところはたくさんあるし
直して欲しいところのほとんどが
ADHDの特性部分だった

そうか、私はこの人の人間性に不満があるんじゃなくて
ADHDの特性部分を不満に思ってただけなんだ
と気づいた

言っても言っても直してくれない!と悶々としてたけど
良いところ悪いところではなく
仕方ないことだった

そう気づけば心はすっと楽になった

改めてたくさんADHDを含む発達障害や
精神科領域のことをたくさん調べたし
たくさん本も読んで勉強した

私は当事者じゃないから
どれ程生きづらいのかなど
本当の意味で解ることはできないけれど
なるべく理解はしたい

ADHDだからと開き直っているわけではなく
なるべくその部分で仕事で迷惑はかけまいと
To doリストを作ったり
大事な予定の前にアラームをかけたり
ホワイトボードを買って見える位置に置いていたり
私とのことも
家事や家のこと以外で尽くしてくれたり
夫はたくさん、たくさん努力している

出来ないことを
なんで出来ないんだと怒っても
出来ないものは仕方ない

わたしにもできないことがある
人とうまく関わることができない
社交的な場や大人数の場に出ると吐きそうになるし
個々での関わりでも深く関わることができない
人とご飯を食べるとたいてい味はしないし汗もかく
うつ病になって先生と話して
この生きづらさの背景に愛着障害があったことは
去年やっと知った

私は夫のできないことを否定してしまっていたけれど
夫は私のできないことを理解して
ずっと前から受け入れ続けてくれていたと思う
私が居てくれればそれでいいと
何も私に求めない

それぞれに得意不得意があって
私ができることは他人もできると思っているようでは
誰とであれ生活することはできない

だから今は
何かをお願いするにしても1つずつしか言わないし
決め事は予め選択肢を3つまでに絞り
簡潔にまとめてから提案するし
デートや旅先での予定はなるべく詰めないようにするし
家を散らかし放題にされても怒りはしない

先日も出勤時に忘れ物で
夫は自宅と駐車場を5往復していた
面白すぎて2人で朝から笑い転げた
特性を理解するだけでも
お互いに生きやすくなったと思う

私が出来ることは私がすれば良い
その代わり仕事までフルタイムは
肉体的にも精神的にも難しいからパートにする

キャパオーバーになるなら
出来ないことを相手に強要するんじゃなくて
別の方法で調整すればいい
" こうあるべき " という形にとらわれるんじゃなくて
2人に合った形を探しながら生きていけば良い

そう思えばとっても楽になった

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