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中国大陸7都市ツアー記16

【2023.7.31 香港ー東京?】

(つづき)

香港国際空港に着いたのは、13時半くらい。

そのまま搭乗口まで突っ走れば、ワンチャン乗れるのでは、と思ったけれど、

この広い空港で、搭乗手続きや出国審査、保安検査場の通過を考えると、まあ無理だろう。

それに手荷物預けはもうとっくに締め切られていて、

スタッフのルカさんが代表で航空会社の受付の人と強めに交渉してくれたけれど(彼女はいつも強めで頼もしい)、それでもやはり無理だった。

わたしたちは、14時の便には乗れなかった。

ああ…


下のロビーでは陽気な大道芸が繰り広げられている。

大道芸は平和だな… わたしたちは、今日東京に帰れるのかな。帰れないのかな。

そんなことを思いながらぼんやりと眺めていた。


LuuvLabelのルーさんが、代わりの便を探してくれている。

けれどもなかなかみつからなくて、今日はもう香港に泊まってください、と連絡が来た。

わたしと詩音ちゃんは、

香港に1泊??

なんならイエーイ!

と、気持ちを切り替えはじめる。

ゆう子さんはどうしてもその日のうちに帰らなければならないらしく、深夜発でもいいからどうにか1席確保してほしい、とルーさんに希望していた。

伊賀さんも、帰れるなら帰りたい方向。

わたしと詩音ちゃんだけが、

もう香港ナイトを楽しむモードになっている。

とにかく、流れは天にまかせて、なんでもいいでーす、という感覚。

詩音ちゃんは、いい感じのホテルを検索しはじめている。


代わりの便が決まらなくて、結果が出るまでしばらくみんな受付のあたりに立ったまま待機状態。

そんなわたしたちに、ひとりの若者が半泣き顔で話しかけてきた。

とくに伊賀さんに向かってなにか訴えている。

「!!!!????!!!!!?????」

なにを言っているのか分からないけれど、相当困っているみたいだ。

(わたしたちも今、帰れるか帰れないかでなかなかに困っている状態だけれど)

ルカさんを呼んできて訳してもらったところ、その若者は、エレキギターを手荷物で預けないといけないが、じぶんのソフトケースでは途中で壊れてしまうんじゃないか、どうしよう、と訴えているのだった。

伊賀さんの楽器のハードケースを指して、こういうのじゃないとダメだった、と半泣きだ。

それを聞いたルカさんが、ギターをじぶんの着替えの服でぐるぐるに包みなさい、と指示して、みんなでそれを手伝うことになった。

彼のエレキギターは、これでもか、というくらいに服でぐるんぐるんに巻かれ、ソフトケースに収められた。(わたしはその様子を、みんなの荷物番をしながら少し離れたところから見守っていた)

若者はやっとホッとした表情になって、謝謝、と何度もお礼を言っていた。

そのエレキギターが、彼とともに無事に目的地に到着しますように。


そうこうしているうちに、ルーさんから代わりの便の提案がくる。

今日の便はもうないので、ゆう子さんと伊賀さんは深夜発の便、わたしと詩音ちゃんは翌朝9時頃発の便で、というもの。

OK、わたしたちは香港で美味しいものを食べまーす!

と今日はもう東京に帰れない"世界線"に切り替えた。


それから1時間後。

ルーさんから、「急に最後の3席空きました」と連絡がきた。

香港17:35発の便。もう予約するという。

えーーーーーー

気持ち切り替えたのに。

香港ナイトのつもりになってたのに。


しかも、伊賀さんだけ深夜2:55発の便で先に予約してしまったという。

なぞに伊賀さんだけがひとり長時間香港空港に取り残されることに。

なかなかだ…


ともあれ、結局、みんな東京に戻ることになった。

ああ…さらば魅惑の香港ナイト…


それにしてもお腹がすいた。

なんならみんなずっとお腹がすいていた。


もうそれぞれの便は確定したので、

空港の翠華餐廳というレストランで、遅めのお昼ごはん。

やっとひと息つける。

ここのマレーシア風カレーが、めちゃめちゃ美味しかった。

ミルクティー(チャイ)もとっても美味しい。

そして、深夜2:55発の便まで空港にずっと居ることになった伊賀さんと別れ(約12時間待ちかあ…お疲れさま…)、わたしたちは搭乗手続き。

そこから楽器を預けるのにごちゃごちゃとしたやりとりがあって、超過料金の支払いがあったり、またすごくすごく時間がかかったけれど、なんとか次のコマに進めた(なんて長いゲームなんだろう)。

出国審査ではもう大行列もなく、手荷物検査で詩音ちゃんが少し止められていたけれど、まあまあすんなり通過できた。

そして上海に帰るルカさんと記念写真を撮ってお別れした。

この旅はルカさんに本当にたくさん助けてもらいました。ずっと頼もしかった〜
どうもありがとうございました!!!

残る3人は出発の時間までそれぞれ別行動で買い物をしたりして過ごし、搭乗口で合流。


この搭乗ゲートまでがこれまためちゃめちゃ遠くて、ああこれは、さっき14時の便に"ギリギリ間に合うかも"なんて思ったけど、全然まったく無理だったな、とおもった。それくらい長い距離だった。


帰りの飛行機では、解放感しかないわたしと詩音ちゃんが、ツアー中にゆっくり話せなかった分を取り戻すようにしゃべり倒し、間に挟まれたかたちのゆう子さんが少し困っていた(ごめんだよ)。

そして、23:20頃に羽田に到着。

これで手荷物と楽器がすんなり出てきてくれたら、旅は終わりだ。

(つづく)

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