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チケット1枚で人生を考えた話

某バンドは現在絶賛ツアー中。
そのツアーでも一番キャパが小さいのではないか(実際のところは知らんが)、という恵比寿リキッドルーム公演のチケット。3度の抽選でも全く当たらず。もはやリキッドルーム公演なんて無いのでは?と噂されるほどの当たらなさ。
流石に3度も落選したので、「きっと神に選ばれし者しか入れないのね…👼🌟」と諦めていたのです。

だがしかし。
運命の悪戯というものは突然現れるものですね。
私の“独りよがりで気持ち悪い”で有名な(※全く有名ではない)、インスタグラムに1通のDMが。
アイコンも初期設定のまま。鍵もかかっている。その上フォローしている人は1000人以上。怪しい、怪しすぎる。
私がツアー初日の感想をいつものごとく気持ち悪く綴った投稿を見たようだった。
怪しさを感じながらも話を聞いてみると、どうやら幻のリキッドルーム公演のチケットを持っているらしい。が、別のライブに行くことになったのでチケット譲りますとのこと。
突然のことに驚き半分、そんなうまい話ないだろと疑い半分。半信半疑とはまさにこの事…。

結局、「どうせならそのバンドが好きな人に行ってもらいたいから」という甘い誘いにまんまと乗ってしまったのだよ。怪しさ100%でも、欲望には勝てなかった。あゝ人間はなんて欲深い生き物なんだ!(お前だけだよ)

チケットはライブ当日、お互い仕事終わりに新木場駅での受け渡しとなった。
他人なりにもちょこちょことDMでやり取りはしていたものの、やはり怪しさは消えず。
チケット詐欺かもしれない…いや詐欺ならまだしも、怪しいところに連れて行かれるかもしれない…相手はナイフを持っているかもしれない…もしかしたら殺されるかもしれない…なんて、悪い妄想は止まらず。こんな怖い思いまでしてチケットが欲しいのか、私は。と自分に呆れた。

ついに受け渡し当日。今日で私は死んでしまうかもしれない、今日が私の命日になるかもしれない。という思いで1日を過ごした。(ライブに行くテンションじゃ無い)(と言いつつもしっかりライブTシャツ着てきた私)

例え今日が最後の1日になろうとも、私はいつも通り過ごすことしか出来ないんだなあと思った。いつも通りに朝起きて、いつも通りに会社へ行って、いつも通りに仕事をして、いつも通りにお茶出しをして。つまんないなー平凡だなー。最後に会いに行きたい人は誰かな、やっぱり家族かな、けど会いにすぐ行ける距離じゃないな、友達もいないしな、私に会いたいと言ってくれる人はどれだけいるのだろう、いないか。人望の無さよ!けっ!まあしょうがないそれが私だったなあ。あーそんなことより最後はオムライスが食べたいな、なんて考えていた。嵐の前の静けさのような、とても穏やかな心だった。

新木場行きの電車では緊張で震えていた。だって殺されに行くようなものだから(殺されません)。他人に話しても笑われただけだったけど、“ああ、私は今日新木場で死ぬのね…”と結構本気で思っていた。妹にも遺言を残した。私の葬式ではthe chef cooks meが歌っている 踵で愛を打ち鳴らせ を流してくださいと。出来ればライブverがいいですと。妹は私のテンションに合わせくれて、励ましてくれた。優しい妹を持ったようでお姉ちゃんは嬉しいよ。


実際チケットを譲ってくれた人はとっても優しそうな方でした。(疑ってごめんなさい、テヘッ😉)
そんでもってそのチケットを握りしめて私は急いでリキッドルームへと向かったのでした。

リキッドルーム公演は確かにあったよ。


チケット1枚でここまで考えるとは思わなんだ。
生きてて良かった。

ミラクルを引き起こすラッキーガールこと私🤞

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