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ロシア産のとっておきの陰謀論を紹介します

Расскажите о «правдивой истории». Чтобы стать популярным среди россиян, нужно прочитать эту статью.

※2200文字くらい

陰謀論大好きな皆さんこんにちは!明日から新年度の仕事始めですね。働きたくね~~~。嫌だな~~~。そんな時は

現実逃避、したいですよね?

これにうってつけなのが陰謀論です(暴論)。この陰謀論ですが多種多様です。特に英語圏。「多種多様」では漠然としているでしょうからwikipediaから引用します。

ちまちま翻訳するのめんどくせーので割愛しますが、レパートリー豊富やな!となりますよね。けどこういうの、大半は疑似科学であって、頭パッパラパー大学のあそ文系学部を卒業した我々はピンとこないことはありませんか?

なんか分子がどうこう~とか。知らんがな。こちとらH2Oしか化学式知らんがなと。あ、ちなみに水は「六角形」で「前世の記憶」があるようですよ。もう終わりだよこの界隈。

けどネタとして聞く分には面白いです。歴史学関係でもそういう話無いかなって思いますよね。源義経=チンギスハン説とかよりもスケールがでかいやつで。けど聖書に触れてヱヴァンゲリヲンは絡まないくらいのやつ。

しかも手垢のついてないやつで。ムー大陸?アトランティス?タルタリア帝国???そんなんもう知ってる。分かりました。

───あります。本記事ではこれを紹介します。

なお、本記事の意義としては特にありません。

日本語文献での紹介がほぼ皆無のため(日本語圏に到達する前に消滅したという解釈も可能)、わざわざ脳みそのリソース使って文章読むのしんどいわって人に向けてです。

“”Новая хронология””

日本語に訳せば「新しい年表」です。なにそれ?でしょうから概要について書きます。

これはアナトリー・フォメンコというソ連の学者が提唱した「ローマやギリシャやエジプトの古代文明が起こした出来事は実際には1000年以上も後の中世に起こった出来事なんだ!」という理論です。

「学者」いうても色々ありますが、彼はモスクワ州立大学で教鞭をとりロシア科学アカデミーの会員でもある、普通に有識者です。また彼は数学者でもありました。

そして彼はまた、イラストレーターでもありました。これは彼が遺した作品群です。

彼は位相幾何学とかその辺が専門分野なのですが、その辺は誰も興味ないでしょうし脱線するので割愛します。本題に戻ります。

アナトリー・フォメンコは「中国とアラブの歴史はすべて17~18世紀にイエスズ会(超簡単に言うとキリスト教を広めようとしていた組織)の捏造である」と主張しています。学者(誰?)にもよりますが西暦10世紀以前は追えないと主張もされています。

つまりそれ以前の歴史はすべて「嘘」であるというわけです。嘘です。ぜ~んぶ嘘。俺たちはついに「真実」に目覚める時が来たんだ…。

「意味わかんね~」「コイツ狂ったか?」と思われた皆さん!分かります。空白の歴史を主張して自分たちに都合のいい歴史観を埋め込むって…おかしいですよね。

「空白の4世紀」があったり古代の為政者の墓が調査できなかったり史書がほぼない我が国はよその国のことが言えないかもですが。

閑話休題。ではなぜこんな頓智機(とんちき)な学説が一時期ロシアで流行ったのか?それはロシアの歴史の再構築にあります。つまり「俺たちロシアって国は実は中世からすげー国だったんだ!!!」という歴史を築き、それを共通認識にさせたかったからです。

また、アナトリー・フォメンコが不幸にもロシア科学アカデミーの重鎮でいたため、本論の信憑性が増してしまったこともあります。

「歴史戦」の過程というやつでしょうか。知らんけど。しかしこれは口から出まかせという訳でもなく「証拠品」が提示されたりもしています。それがこちら。

これは中世(中世あんのかよ)にロシアが世界を支配していたことを証明するものです。

「馬鹿じゃねーの」と思われたかもしれません。それについて否定する気持ちは一切ありません。しかしロシアではこの説が大真面目に主張されています。

つまり「俺たちの国は昔はすっげ~強かったんだ!」と言いたいわけです。

ロシアという国は現在では(ウクライナ戦争でボロ出まくってますが)強国で、国際連合の安全保障理事会の常任理事国を務めています。また、戦勝国です。かつてはナチスドイツとの絶滅戦争を勝ち抜き、冷戦では東側のテッペン張っておりました。

ただこれを遡ればロシアは侵略され蹂躙され…の歴史です。この辺は詳しく書くとクソ長くなるので割愛します。そんな歴史、無くしたいですよね。俺たちのロシア・ソ連って弱くないよね。

そんな欲望の表れがこの「新しい年表」です。これは真実です。ロシア語圏の紹介ばかりではアレなので、英語圏の文書も紹介させて頂きます。

レビューが☆2.92とボロクソなのはさておき、このように英語圏へも本論は展開されています。

なお、賢い皆様におかれましては「年表言ってるけどおまえの記事に年表なくね?」と思われたかと拝察致します。理由は明快です。理論がクソガバガバすぎて、あらゆる学界からボコボコにされて年表すら構築されていないからです。

こういう界隈(?)の話が大好きで無限に語れるので、お気軽にTwitterのDMください。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

以上

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